第3話 迷子
ここって何を書けばいいんでしょうか?
分からなくなったら書かなければ良いんですけどね。
では、第三話始まります
タイトルで盛大にネタバレしてるような気がするが、僕は迷子中なんだ。
携帯様も暫くの間睡眠を嗜んでおられるようだし、凡人な僕はこれ以上勝手に行動してはいけない。
だから僕は考えるのを止めた。
…………って違ぁぁぁう‼
動かないと、辿り着かないと僕の人生は最悪の方向へッ!
(もう遅いと思ったよね)
……そうだ! 来た場所を戻ってみよう。
なんて良い案を思い付いたんだ! もしかして僕は天才か?
(ほとんどの人が最初に思い付きます)
僕が僕なりに適切な案を導き出せたのは奇跡に近い。
……まあ兎にも角にも駅へ戻らなければ。
ッ!! また気づいてしまった。どうにもならない現実と言うやつに。
僕は天性の方向音痴なようだ。
来た道さえわからない。それが村人(B)クオリティ。
言い訳していいかな?
だってぇ、村人ってさぁ、基本的に自分の村出ないじゃん? だからさぁ、方向音痴確率高いと思うんだよねぇ?
さらに言うとぉ! 僕は『ほぼ』ニートじゃん? 最近の外出なんてコンビニぽいやつくらいとか言う定番、平気で起きてしまうんだよぅ? ゲームならいつだって右上ぐらいに…………?
あっ、地図あるんじゃねーの?
ほら、最近のゲームってミニマップが標準で表示されているのが定番だよね?
迷ったときのミニマップ♪ そんな感じで目の前にHUD広げて、
……えっ、そんなの知らない?
『説明しよう!』(よっ! 待ってませんでした!)
『HUDとは、Head Up Display (ヘッドアップディスプレイ)の略で、体力や魔力など、とにかく画面上に出てくる情報のことである!』(良い声)
……説明になってない? なら、お使いの検索エンジンに聞いてみよう!
懇切丁寧に、(大体の姿勢でなら)下から目線で教えてくれるぞ! 間違っても仰向けではするんじゃないぞ!
……えっ、知らないのはそんなのがあったってこと? 何度も言うがここはゲーム以下略。
つまりいくらでもご都合主義で便利アイテムを取り出しますよ。
と言うことだ(ゲームの枠は出ないよう善処します)。
そんな感じで広げたミニマップには、悲しきかな、『情報のアップデートをしましょう』そう書かれていた。
どうしよう?
結局振り出しなのかな?
そういえば雨の日はいつもどしゃ降りだって、ばっちゃが言ってたなぁ。
泣きっ面に蜂とはこの事なんだろうか?
でも、ポジティブに考えると晴れの日はいつも晴天って事なのかな?
どうでもいいけど疑問符多いなぁ。
……ん? 疑問?
ねえ君ってさあ町中で道に迷ったりしたり、困ったことがあったらどうする?
交番に行かないかい?
こっちの世界では警察ではなく、衛兵さんが居るんだけど、交番と言うのは共通で存在するんだ。
そうだ、交番へ行こう。
僕の思考が常人を、遥かに超越した瞬間だった(アホらしさが)。
とは言えこのまま交番探すのも駅探すのも大して変わんないし、何かいい方法無いかな?
そうだ! あの策を試してみよう。
大声で元気一発、
「衛兵さぁぁん!」
もしかしたら赤髪のイケメンが来てくれるかも? なんて期待を無駄だと知るのに、十秒も掛からなかった。
僕のもとに来てくれたのは優しそうな男性、いかにも中世の衛兵さながらの衣装を来た彼は、すぐ前の曲がり角からやって来て、
「いきなり大声でどうされました? 何か事件ですか?」
と、少々食い気味に問いかけてこられたので、気後れしてしまったが、
「いえ、申し訳ないのですが、道に迷ってしまい、闇雲に交番を探しては元も子もないと思いまして、こうして呼ばせて頂きました」
本日二回目(一回目は駅員さん)、今月首位の記録である会話を成り立たせ、返答待ちの僕に彼は、
「なるほどわかりました。そういうことならこれを。この街のマップアップデートツールです。手に持つだけで出来る優れものですよ」
『今売れ筋のこの商品、今ならなんとお買い得! 二千円、二千円でお求め頂けます! 今がチャンスですよ! 購入の際はお早めに! 電話番号は……』
――なんて某テレビショッピングの様なノリを妄想してみたが、実際はタダでアップデート出来たので、世界はまだ僕を見捨てていないようだ。まぁ普通は金を取らないだろうけどね。
もし、金を取られてたら………法廷で会おう!(圧倒的敗訴の予感……!)
ああそうだ、ついでに村権の本社の場所を聞いておこう。
「あの……、ついでに宜しいでしょうか? 村権本社の場所も教えて頂けると、非常にありがたいのですが」
「ああそれなら検索かけたらすぐに出ますよ。因みにあっちです」
彼が指し示した先には非常にたくさんのビルが立ち並んでいた。
つまり、
駅周辺だと言うことだ。
僕の苦労は何だったんだ。
――そういえば、今にして思えば駅の前に、村権に関係ありそうな看板が在ったなぁー。(遠い目)
そうか! 僕は方向音痴なんじゃなくて周りを見てないだけだ。そうに違いない!(つまりはただの馬鹿)
「ありがとうございました。非常に助かりました」
感謝は大切。これ大事。
「いえいえ、これが仕事ですから。次からのアドバイスですが、初めていく町では、地図が書いてある看板とかにある、Mを○で囲んだ、通称マップマークに手をかざすだけでアップデートができますよ」
……ん? 何だそのマークは? 初めて知ったぞ。
「因みに二週間ほど前に設置されだしたので、知らなくても無理無いですね」
――また一つ、僕の不運スキルの存在の証明になったな。
医者からはそんなスキル存在しないって散々言われてたけど、やっぱりあるじゃないか。もう言い訳させん。問い詰めてやる。返答次第じゃ返金させてやる。僕の父さんに言いつけてやる。怖いんだぜ。どうなったって知らないからな!
ただじゃ済まないのは僕が実証済みだ!
……本人の知らぬ間に、あるお医者様の命運を賭けた賽は投げられた。決めつけっていう、イカサマ有りで。
――勘の良い人なら、というか大体の人が気付いていると思うが、むしろ忘れてるかもしれないが、
「急に黙られてどうされました?」
彼との会話の最中だと言う事を、僕は忘れかけていた。
最近考え込むことが多いからな。
まぁ、言い訳は心の内に留めて、ここは誠心誠意、
「……いえ、何から何までありがとうございました。また機会があれば」
謝辞一択だろう。
「いえこちらこそ、またいつでも緊急時はお任せください。例えどんな些細な困り事でも、民間人のために働くのが私達ですから」
彼らも立派な勇者である。勇気を持って、誰かのために働けるその姿勢には、見習うべき物がある。
そう思いつつ、互いに一礼し、僕は彼と別れた。
……ん? 何だいその目は?
僕が丁寧に質問したのがそんなに信じられないのかい? 僕だって常識人だよ当たり前じゃないか。
……お前ニートだろってか? ああそうかもな! 悪いかよ! 正直に言うと、内心震えまくりで視線合わせれなかったんだよ! もしかしたら職質レベルだよ!
『いきなり大声、挙動不審、のわりに丁寧な言葉遣い。三点セットで怪しさレベル百パーセントです! 今ならなんと! いくらでも払うので引き取ってください。お願いします何でもしますから……』(何でもできるとは言っていない!)
なんてさっきの続きの様で、突っ込みどころ満載の台詞、今ならなんと以下略。
いい加減しつこいですね。申し訳有りません。
さて、謝罪も済んだことだし、行きますか。
僕は村権本社ビルへ向けて歩き出した。
――とまあ斯く斯く然々なことがあって、ついに村権本社ビルに到着しましたぁ~~。
パチパチ! ウェーイ! イヤッホウ!
虚しいなぁ。悲しいなぁ。
こんな台詞で盛り上るふりをしなくちゃいけないなんて、僕はなんて小さい人間なんだろう。
泣いちゃダメかなぁ?
そんな気持ちを堪えつつ、試験に切り替えていかなきゃ。
このチャンス、逃さずにはいられないないッ!
そう思いながら、壁に掛かっている時計を見た!
受付終了までの残り時間が、五分を切っていた。
会場は三階………
……ハッ!!
感傷に浸ってる場合じゃねぇ!
急がなければッ!!
まったく、僕の人生はいつもいつも!
ノータイムノーウェイトだぁッ!!
ここまで拝見してくださりありがとうございます。
こんな感じのノリって書く分には楽しいのですが、物足りなさを感じます。