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村人Bは勇者になる夢を見るか  作者: Y・Y
第一章 村人編
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第2話  道中

少々、最初が読みにくいかもしれません。

それでは、始まります。

 


『――来る今日、おかしいくらいに晴天なこの青空は、まるでご都合主義を物語っているようだ~! それを横目に、ついに目を覚ました未来の勇者候補、来るか! 来るかぁ! いつもの朝の日課は来るのかぁ~? ……キターッ!! やはり目覚ましを確認したぁ~! ……おおっとどうした? 焦っている、焦っているぞぉー! 大慌てで部屋を飛び出したということは、自分が寝坊したことに気づいたようだ~!  その焦りからか、母親に文句をつけている!! これはいけません。 ……おっとファウルが出たようです。ペナルティとして、朝御飯抜きなようだぁ~! このプレイどう思いますか、解説のカイセツさん?』


『そうですね、ちょっとラフプレイが過ぎましたね。自業自得です』


『その通りです。まさに自業自得! おっとぉ? 納得した様子です!! 余りに不毛な争いだと言うことにやっと気づいたようだ~! そう、もう時間がないのです。大急ぎで寝癖を直し、着替えを終わらせ、転げるように玄関を飛び出したぁ~!』


 

 ――なんて冗談をやってる場合じゃない。そんなの分かっているんだけど、余りにまずい状況すぎて現実逃避をしてしまった。

 なぜなら、この試験は年に二回しかないので、このチャンスを逃すと、またニート扱いの生活を続けなくてはならなくなる。やることが無くて、暇だから家に居るだけなのに!(これも立派なニートなのは言うまでもない)

 母さんは僕をいつも(直接的に呼ばないけれど)ニート扱いするんだ。……あの時だってそうだった。それは、僕が村人Bに昇格した試験の前日のことだった。



 ――これはある日の一幕である。つまりこれは回想である。

 (唐突な回想も以下略)


 ある部屋で二人の人間が言い争っていた。


『僕はニートじゃない! 信じて……母さん!』


 そうだ! 僕は部屋を出ないだけだ!


『一日も部屋に籠ったことが無いというなら、主張を続けなさい』


 お母さんは何を説いているんだ。僕に勤労教でも布教するつもりなのか? そんな手には乗らないぞ。そんな話にも乗らないぞ。

 だけど、直接反論を述べられるでもなく、


『ぐぬぬ、それだけでニートだと言うなら偏見だ! ニートに謝れ!』


 言い返す、正確には醜い言い訳しか出来なかった。

 だけど、時に醜い根性は、醜い意地に支配されていて、頭では誰に非があるか理解していても、認められはしないのだ。

 だから、僕の反論にならない言い訳は加速するばかりだった。


『ごめんなさい』


 そこでお母さんに謝られたら、まるで……


『僕の方を見て言わないでよ! まるで、僕がニートみたいじゃないか!』


 僕は違う。違うんだ!

 ――僕は頑なに認めたくなかった。


『なら、あなたはいつから部屋に籠ってるの?』


 ハッ! この状況は知っているぞ! つまり……僕は、この状況での返し方を知っているぞッ! お母さん!!


『お母さんは今まで生きてきた日数を数えているのか?』


 良い切り返しじゃないか? 素晴らしいんじゃないか?


『数られるの分かってるでしょ? どうせデータなんだし、すぐ出るわよ! しかもその言い方だと、あなたの一生、部屋の中だったことになるわよ? それに、一応言っとくけど、あんたが籠ってから一年経ったからね。だから次の村人B昇格試験を受けなければ、あなたは一日二食になるわよ! それでいいの?』


 そうでした。僕には言い返す立場もありませんでした。正論のタネマシンガンを食らっては、ライフポイントが赤ゲージだ。

 仕方無い。作戦Bを発動する!(作戦A? 知らない子ですね。いつ転校してきたんですか?)

 因みにさっきまでのは、作戦C『ゴリ押し』だ。


『……すいませんでした。ほんと調子乗ってました』


 ここで認めてか~ら~の、


『分かれば良いのよ。さあ、観念して昇級試験を受けなさい!』


 ここでこう来るのは知っていた。だから何を言うべきかも分かる! チェックメイトだ!


『僕が合格したら、勿論、ニート扱いを止めてくれるよね?』


 当然の対価だよなぁ~?


『考えておくわ』


 やった! 第(レイ)部完!


『約束だよ!』


 これで心置き無く受けれたのは言うまでもない。……その後の展開も言うまでもない。(ヒント:呼ばないとは言っていない)



 ――こんな感じで村人Bになれたのも先月なので、本当にギリギリだったのだ。

 全く、この僕が二ヶ月続けて外に遠征するなんて、有り得ないし、出来ればあって欲しくなかったよ!


 えっ? あの二人誰かって? 説明が遅れたね。実況していたのは僕自身で、解説はカイセツさんだよ?

 カイセツさんて誰だって? 

 知らんな。だが、敢えて言うなら……………


 ……………脳内設定だッ!


 とにかくまずい、マズイッ!

 さっきの回想も現実逃避の一環なのは言うまでも無いだろう。

 けど、なぜ焦っているかは説明してなかったね。

 この世界にも君たちで言う電車らしき物があって、ワープトレインと言うのだけど、これが異世界間を繋ぐ唯一の交通手段なので、これに乗り遅れると、非常に非情な結果に陥ってしまう。

 とにかく急がなくては。だから僕は、『スピード』と言う魔法を使って急ぐことにした。でも、これには重大な欠点がある。

 それは、




 僕は魔法の使い方を知らないので使えないということだ。

 ……まあ、つまりただの自己暗示でしかないと言うわけだ。でも、自己暗示を舐めちゃいけないよ。プラシーボ効果とやらで良い結果を招くことがあるんだから。

 ……まあでも昨日のは意味無かったよ。


 『拝啓、昨日の僕へ。やっぱり今日もダメだったよ。敬具』

 何て手紙も意味無いし、そもそも届か無いし、何より時間が無いッ!!

 僕自身の最高記録の焦りで、今までに無い最高速度を発揮した(気がする)。


 ――そんなこんなでやっとこさ駅についた僕は、

 『スピーディーに切符を買い、優雅に改札を通り、ホームでジェントルに待ち、余裕でトレインに乗る』という理想をよそに、

 大慌てで切符を買い、改札に上手く入らない切符に苛つき、階段を駆け上がり、待つなんてコンマ一秒も無いまま、トレインに駆け込み乗車した。


 つまり、なんとか間に合ったのだ。

 だが周りの視線の冷たさは少々度が過ぎるんじゃないか? 確かに駆け込み乗車はいけないことだ(良い子は真似しない!)。でもこれは……、


「あの」


 そう言ってきたのは女の子、まさか、ついに僕にもモテ期が?

 なんて妄想僕に許される訳もなく、その方向へ思考が巡るまさに直前に、


「チャック空いてますよ?」


 顔を赤らめた彼女は、小さな声でそう言ってくれた。

 その一言で、僕の中途半端な理性は正気を取り戻し、最も今すべき事への思考に切り替わった。……その結果、ある一つの事実が、受け入れ難い恐怖の事象の存在が認められた。


 確かにあそこは開いていた。


 ――なんて、めちゃくちゃ恥ずかしい失態を乗り越えた僕は、もう……何も怖くない。そんなフラグを立てた。

 (フラグ、つまり旗なんて簡単に折れそうなのに、なぜ有効性があるのだろう? まさか三本同時に立つのだろうか?)


 その後は特にトラブルもなくトレインに揺られ(実際はリニアの様なものなのでほぼ揺れない)、三つほど世界を越えた後……、ついに見えてきた。


 『あれが村権本社のある首都、キャピタルシティか』

 なんてお約束の、なぜか説明口調の台詞を敢えて拒否し……、


 ……そのままって思った人いるだろ。

 ちなみに村権て言うのは村人覇権協会の略だから。

 なんてどうでもいいことは、字数稼ぎにしかならないので、今後なるべく自重するようにしよう。

 ……まあ次見かけたら忘れていると言うことにしてくれ。




 あれ? 何か無駄にしたような?

 行間? ナニソレオイシイノ?


 おふざけもこれくらいにして、やっと目的の駅に着いたようだ。ここに僕の人生が懸かっているのだ。だから、絶対合格してやるぜ!

 そう意気込んで、今度こそ余裕をもって下車し、落ち着いて階段を降りて、改札を通り抜けて、とおりぬけて、トオリヌケテ?


 

 切符を無くしたようだ。

 僕はどこまで行っても、僕でしかないようだ。いや、当たり前なのだが。

 だが、この問題は簡単に解決した。



 駅員さんに事情を話したら快く金をドブに捨てさせてくれた。


 ……悪い人に聞こえる? つまり、もう一度払えば通してくれたのさ。

 べ、別にあんたの為に説明したんじゃないんだからねっ!


 何て誰得どころか俺得ですらない馬鹿みたいな、ゴミみたいなツンデレを披露したところで、

 今の僕の状況を説明しておこう。


 試験までの残り時間一時間、

 現在地不明、

 つまり、


 

 絶賛迷子中NOW (中=NOW つまり二重になっている)


 何が起きたのだろうか? 自分でも良く分からない。こんな短時間で迷子になるなんてある種の才能だよな。

 人がいない方向へ……何てネガティブな思考が原因の大半を占めている。ってのが僕の予想であり、模範解答なんだろうな。

 しかし、どうすれば良いのだろうか? 迷子なんて初めての経験なんだよな。ねぇ君、何かヒントをくれない?


 うん?

 ……何か地図は無いのかって? その手があったか!

 一人芝居の後、僕は名状し難いスマホのような何かを取り出した。


 正式名称はスマボ

 なんて安易な名前じゃないよ。だから、言ってるだろ名状し難いって。

 仕方無いので、分かりやすく携帯と呼ぶことにしよう。


 ……スマホのような物が存在するのかって? いつから存在しないと錯覚していた? 忘れてるだろうけどここはゲームの中、つまり電脳世界だよ? 無いわけないじゃないか。

 最近では某王国の某王子が使っていただろう?


 なぜすぐ使わないのかって?

 忘れていたのさ!!


 そして、携帯の画面を確認した時、驚愕した。

 電波の階段的なのが一本も立っていない。

 まさか僕を妨害している者が? だが、そんなもの僕には無意味だ! 効果は覿面(てきめん)なようだがな!

 何て中二病みたいな妄想をしたところで、僕はどうにもならない現実と言うものに気づいた。


 大変なことが起きてしまう!

 一つの世界が消滅してしまう!!

 もうダメだッ!!!


 


 あっ、充電が切れた。


 そんなぁ、僕はここまで来てチャンスを棒に振るのか?

 良いじゃないか、村人が上を目指しても。許されないとでも言うのか?

 チッ! どこまでも僕に厳しい世界だぜ。(これを人は自業自得と言う)


 

「村人Bでも夢が見たい!」


 

 独り言 無意味すぎて はや後悔


 字余り字足らずで、季語さえ無い、最高の駄作だ。




今回も見ていただきありがとうございます。

更新頻度についてですが、不定期になると思います。

本当に申し訳ありません

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