おっとりちゃんとせっかちくん
おっとりちゃんとせっかちくんは、双子のきょうだい。
今日は二人でお散歩をするようです。
「おーい、早く行くぞ!」
とせっかちくんが言いました。
「まあまあ、ゆっくりお靴を履かせてよ。」
とおっとりちゃんが言いました。
お散歩お散歩楽しいな!
「もっと早く歩こうよ!」
せっかちくんはどんどん歩いて行きます。
「わー!きれいなお花があるよ!」
おっとりちゃんは、赤いきれいなチューリップが生えているのを見つけました。そしておっとりちゃんは、持ってきたスケッチブックにチューリップの絵を描きました。
お散歩お散歩楽しいな!
「ちょっと近道してこうよ!」
とせっかちくんが言いました。
「回り道した方が楽しいよ!」
おっとりちゃんはそう言って、回り道の方へ向かって行ってしまいました。せっかちくんも仕方なく回り道へ。
その回り道には、おいしそうな果物がなっている木がたくさんありました。
「早く果物採って行こうよ!」
とせっかちくんが言いました。
「まあまあ、ゆっくり採りましょう。」
そう言っておっとりちゃんは甘そうな果物をじっくりと選んで、それから果物のスケッチを始めました。
お散歩お散歩楽しいな!
「僕もう帰りたいよ!早く帰ろうよ!」
とせっかちくんが言いました。
「もっと景色を良く見て、ゆっくりお散歩しましょうよ。ほら見て!こんなにきれいな景色が見えるよ!」
おっとりちゃんが指差す方向をせっかちくんも見てみると、なんとそこには、大きな大きな虹がかかっていたのです!
せっかちくんはこれを見てびっくり!
「たまにはゆっくり景色を見るのもいいかもね。」
とせっかちくんが言いました。
「ふふっ、そうでしょ?」
そう言っておっとりちゃんは、その虹をスケッチし始めました。
せっかちくんは、おっとりちゃんのスケッチブックを覗き込むと、
「うわー!すごいや!」
おっとりちゃんのスケッチブックは、いろいろなものが描いてあって、とてもきれいだったのでした。