ああ、お姉さん
眠い。……昼下がり。隣に姉がいた。何か言っている。何々、また遊ぼう、だって。
姉は月に四回家に来る。週に一回だ。そして僕と遊ぶ。花札したり、買い物に行ったり。この前は一緒にバッティングセンターに行った。姉は身長が高く、なかなか上手かった。
僕は小学生だった。姉は高校生。確か高三。眠い。太陽が赤い。
赤いと云えば、姉の目は赤かった。謎の目だ。いや、緑色だったのかもしれない。
幸福だった。
もう姉はいない。
軒先に、姉と二人座っていた。風が吹いていた。
姉のかつらが取れた。
僕は泣いた。
姉は結婚していなくなった。もうこの家には来なくなった。小学校高学年の時だ。
姉の結婚式の写真があるが、可愛かった。
姉さん。
思い出だけが美しい。