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詩集 エール

春を探しに

作者: 小日向冬子

正体のない蔑みや

縮こまった足跡や

空回りする善意たち


日常のほんの瑣末なささくれたちが

煩わしくて仕方なくなったら


わけのわからぬ泣き言を

叫び出してしまう前に

重く湿ったコートを脱ぎ捨て

春を探しに出かけよう


つくし

タンポポ

みつばちの羽音

きらめく水面を渡り

優しく頬を撫でる風


林檎とチーズのベーグルと

ほんのり甘いミルクティーを

自転車のかごに放り込み

白く緩んだ青空めざして

ぐんぐんペダルを漕いでいく


菜の花に埋もれて

あたたかな光の粒に溶け

幼子のように

ぐん と手を伸ばし


空の大きさに広がりながら

霞と一緒に立ち昇っていくのだ

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― 新着の感想 ―
[一言] 春が近づいているといったら、もう春だと子どもに言われました。そうなんですね。認めなければいけません。 おさなごのおさなごなりのひろい空 雲の茜に煽られる春
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