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竜と波乱7

 テレビに噛り付いている小隊長に、営内の部屋に忘れ物をしたので取りに行くと言った。

生返事だったが許可をもらったので、駆け足で部屋に向かう。


 ドアを開ける前に深呼吸を何度かする。

全力で走ってきたのもあるが、心を落ち着ける必要があった。

今のままでは、理解できない衝動に押され、論理的に話せない気がした。

深呼吸をしつつ、目を瞑る。


 もう、大丈夫だ。

僕は落ち着いてる。

ドアのノブをしっかり握り、ドアを開けた。


 航空機の兵装や、搭載量ペイロードのデモンストレーションの一環で、砲弾や爆弾、ミサイルにロケット弾等が航空機の前にズラリと並べられた光景を見たこと何度かある。

それに類似する光景が、部屋に入った瞬間に目の前に広がっていた。


 問題は、それが僕の持っている癒しグッズだったこと。

その内容は、エロ漫画に同人誌、エロゲーに18禁OVA等、硫黄島の不毛な生活に少しばかりの彩を添えてくれる神器達。

オナホールが見つかってなくて本当に良かった。


 この光景は、中学時代に河川敷で『野生のエロ漫画』をキャプチャーした次の日、入念に隠したつもりが起きたら机の上に積み上げられていた以来。

『大人になったのね(ハート)』と、書かれたマイマザー直筆の手紙がマジでトラウマである。

それを読んだ直後、隠れていた両親や姉からクラッカーと紙テープで、お祝いされた瞬間は本気で死のうと思った。

あと、赤飯炊くのは色々と違うと思う。


 だが、あの時とは違う!

もうアレから15年は経ち、僕は成長した!

どのくらい成長したかというと、本屋で女性店員でもコミックL○を買える位!

逆に興奮するね!

あ、アレ意外に表紙はマトモって意見は無視。

レジ出すときはバーコード読み取りやすいように、背表紙で出すし。

べ、別に恥ずかしいわけじゃないんだからね!

勘違いしないでね!?


 えーと、つまりはまあ、あれです。

僕は強くなった。

これくらいのアクシデントは軽く流せるくらいに。

イエス!ウィーキャン!


 熱心に薄い本『同人誌』を読んでいた竜が、こちらに気がついた。

その竜に対し、慈愛に満ちた笑みで話しかける。


「それら象形画はあくまで人間の欲望を抽象的に表現した物なので、現実とは異なります。それらはあくまで芸術なのです。良く見てください。人間の等身や眼球の大きさを考えれば明らかに異なりますね。(中略)これらは日本独自の文化で(中略)海外でも新○エル等の芸術家が(中略)まさに、これは現代のルネサンスと呼ばれるものなのです。お分かりいただけますか?」


 竜は凄く感心したようだ。

「ほう、ではこの表現はどのような意味があるのかのう?」

「ああ、これですか。これは台詞をわざと崩すことにより、理性が失われていることを現しています。み○くら語と呼ばれています」

「ふむ、この『ひぎぃ』や『らめぇ』という台詞も興味深いのう。是非とも普段から使ってみたいの」

「それらは、然るべき時のみに使うべき言葉。高等な言語なので、興味本位で使うべきではありません」

「おお、言葉は意味と同時に力を伴う。それなのじゃな?」

「その通りでございます。言霊と呼ばれます」

「ふふ、大分理解できたぞ。次はこの表現じゃ」

(中略)


 僕は何をしているのだろう。

誰かこの惨劇を止めてください。

それだけが僕の望みです。

呑んだ勢いで書いた。

後悔しかない。

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