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竜と波乱4

 えぐえぐ泣いてる幼女(笑)を目の前にして、思ったことはただ一つ。

 

 罪悪感?

 ノン!


 後悔?

 ノン!


 焦り?

 ノン!


 それらでなく、思ったのはただ一つ。

世間体が悪いので泣きやませたい。考えても見て欲しい、全裸だったので応急的に毛布でぐるぐる巻き・・・春巻き状態にした外見幼女が泣いているという光景は限りなくアレなのです。

・・・・・・・・・どう見ても犯罪です。ありがとうございました。


 しょうがないので、非常食用の棚をゴソゴソ漁る。

見つけたのはチョコレート風味の某クッキー風保存食。釣りや散歩、唐辛子採取のお供に最適な一品。常に常備している。


 で、それを朝食代わりにモソモソ食いつつ、あからさまに「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛」「美味い!美味すぎる!」等、演技を行う。うん、あからさまにも程がある。


 でもまあ、それに引っかかる幼女(笑)も中々アレですよ?具体的に言うと馬鹿です。

餌に釣られてるあたりちょろいですなあ、実に。一発で泣き止んだので目の前でちょっと振ってみると・・・・・。


 食いつかれた。指ごといかれそうだったので、内心びびったのは内緒だよ!

で、まあ感想は一言。


「ウマクナイ・・・・」


 いやまあ、確かに美味いってほどじゃないんだよね、これ。

でもね、貧乏性な僕には十分ご馳走に感じられちゃうんだよ!米軍のレーションの不人気メニューでも美味しく感じられる味覚舐めんなよ!でもアレ、タバスコ欲しくなるんだよなあ。

でもまあ、あからさまにマズイと言われるのは癪に障るので、次のネタを用意する。


 ついでに春巻き状態では食べにくそうなので、制服のワイシャツを着せる。

身体のサイズに不釣合いなのでコートのような感じになったが・・・。

・・・・・・おいおい、これってやばいんじゃないの?犯罪レベル上がったんじゃないの?

これはあれか。男の夢の一つ、裸ワイシャツということか。

無意識に選んだマイ服装センスに思わず絶望。マイ息子も思わず反応。

(呼んだ?)

(呼んでねえ!)

(そう言わずにスタンドアップしてもいいでしょ?)

(出番じゃねえ!座ってろ!)

チラチラと覗く足の白さが実に眩しい。思わず「目がー目がー」と目を押さえつつ叫びたくなる。

このままでは本当にロリコン街道まっしぐらだよ!オムスビコロリンのごとく坂を一直線だよ!コロリンとロリコンはアナグラムだよ!

(静まれ、静まるんだ、俺の股間)

(俺を解き放て、楽になれ)

(お前を解き放つわけにはいかない!世界を危機に陥れるわけにはいかないんだ!)

(今回は引いてやる。だが忘れるな・・・・。俺はお前で、お前は俺だ。いつ何時も隙をうかがっているぞ・・・・)

まあ、そんな感じで股間と中二病的会話をしつつ、次のメニューを幼女(笑)にさしだした。


「ふははは、そやつは保存食の中でも一番の小物よ。次の奴は一味違うぞ!出でよ!ビーフジャーキー!喉が渇くかもしれないので、ジュースもどうぞ」


「むう、噛めば噛むほど肉の味が出てくるのう。塩味しかしなかった干し肉とは違うのう。だが、そんなものなのかの?ついでに、この飲み物もっと寄越せ」


「ふふふ、恐れおののくが良い!こいつは鍋の隠し味に使うと最高だ!出でよ!サバの水煮!今回はそのまま暖めないで食べてもらうので本来の力はこんなもんじゃないぞ!切り口で怪我しないでくださいね。スプーンとフォークでどうぞ」


「む、何故鉄の入れ物の中から食べ物が・・・・・。ほう、生臭いがこれは良いな。後味が悪くなければ最高だ。だが、これで満足は出来んの」


「くくく、ようやく湯が沸いた!今までのは全て時間稼ぎに過ぎぬ!これからが本番よ!出でよ!カップ麺!熱いので気をつけてね。あと、ちょっと待ってください・・・・・・あ、どうぞ」


「これはまた面妖な素材な器・・・・。む?うま、いや、美味いと思ってはいないぞ!本当だぞ!何?他の味もあるし、付けあわせや調味料を変えると更に化ける?ふむん、人間も進化したな。え?スープは全部飲むな?健康に悪い?そこまで竜の身体は脆弱に見られるか!随分と舐められたものだのう。む、本当に飲んでは駄目?だが飲む!人間ごときが止められると思うなよ!」


「これがとどめだ!今回は本気と書いてマジと読む!甘き煉獄に凍れ!こやつの名はアイスクリーム!一息に食べると頭痛が起こるので、ゆっくり食べてください」


「!?これは!この冷たさと甘さは何度も味わった!だが、このバランスとまろやかさは!そもそも、乳を低温で凝結してもこうはならん!どうやって行った!いや、愚問かのう。美味ければそれが正義じゃ。ところで、頭が痛いのだが何とかならんかのう?なに?一気に食べすぎ?阿呆、こんな美味い物をちまちま食べれるか!一口だ!一口!すまぬ、謝る。やはり頭が痛い」


 そんなこんなで、幼女(笑)の機嫌をとることに成功した!

ついでに賞味期限切れ在庫がほぼ一掃出来た。素晴らしい。いやー、結構あるもんだなあ。唯一賞味期限が切れていないアイスも、食堂で出たデザートを持ってきただけなので元手ゼロ。素晴らしい。


まあ、そんな事を思っていると携帯電話のアラームがなった。むう、いつの間にか出勤時間。出勤するのは良いけど、その間この幼女(笑)をどうするかなあ。流石に職場に連れて行くわけには行かないし・・・。

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