竜と思惑1
「馬鹿か、君は」
なんか、思いっきり叱られてます、はい。
目の前には心底呆れ果てたという感じの眼鏡かけたちょっときつめな印象な女医さん。
で、かなりな美人さんなもんで、実にこう・・・何といいますか・・・クるものがあります。ちょっとゾクゾクします。目覚めそう。言葉攻めって良いよね、しみじみと思う今日この頃です。
また変態という名の紳士レベルが上がりそうです。
事の発端は数分前、衛生隊(自衛隊の基地内にある病院。医師も看護師も全員自衛官)に着いた直後だ。
田中2尉は衛生隊の前で僕を業務車から降ろして、そのまま当直室に帰っていった。
で、念のために少し話を聞こうと思った矢先がこれである。
以下ダイジェストで送ります。
「ちわーす、三河屋でーす」
「味噌と醤油は間に合ってる。日本酒はありったけ置いていけ。無いなら安楽死だ」
「じゃあ、今度古酒持ってきますんで。生原酒の平成13年物。ただし缶ですけど」
「生原酒で平成13年物だと?有り得ん。・・・・・・菊水か?あれなら常温保存可能だが」
「いえ、岐阜の地酒です。冷蔵保存しか不可。アルコール度数17%。濃厚な味わいです。蔵元からの直売店の在庫限りでレアですよ。メーカーのホームページにも銘柄が既にありません」
「リットル2万で足りるか?」
「1万あれば4リットル買えますよ。飛実団(飛行開発実験団。岐阜県、岐阜基地所在部隊)の同期が箱で送ってくれたんで送料だけ上乗せで良いです。あと、ビールじゃないんだからリットル使わないでください」
「在庫に余裕があるなら1升貰おう。」
「了解。味は保障します、お楽しみください」
「返礼というわけではないが、九州の焼酎で美味いのがある。今度開けるが呑むか?」
「是非とも」
「うむ。で、本題は別にあるんだろう?こんなのは内線電話ですむ」
「あ、わかりますか。じゃあ、本題に入ります。結婚してください。それと、実は厄介な事がありまして」
「結婚については、とりあえず死ね。厄介事については聞こう」
「・・・・・・・・ドラゴンが出たんです」
「ドラゴン?何だそれは?」
「文字通りです」
「・・・・・・(コモド)ドラゴンか!!何処の馬鹿が島に持ち込んだ!」
「いつの間にか、でかいのが島にいるんですよ」
「何でアレ(コモドドラゴン)の成体がいるんだ!生態系だけではなく、人間にも危害が及ぶぞ!!」
「おまけにバイオハザードの危機ありです」
「噛まれたのか!?確かにアレの口内には腐敗菌が増殖してるし、毒を持っている!患者は誰だ!すぐに連れて来い!」
「あ、患者候補は俺です。乗っかりました」
「はあ!?馬鹿か、君は」
「いや、ついノリと勢いでドラゴンライダーに・・・」
「馬鹿か、君は。いや、愚問だったな馬鹿なのは確定だったな。あと、死ね」
まあ、そんな感じで説教開始。
まあ、そんな感じで現在進行形で叱られてます。
誰か助けて、じゃないと、本当に目覚めちゃう。
あ、因みに説教してくるのは石井3等空尉、飲み友達です。医官なのに「死ね」が口癖の素敵ガール。それと、口癖の「死ね」は照れ隠しだと最近知りました。はあ、嫁に来ないかな~。