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『昔、チャットであった怖い話』

 6~7年くらい前にチャットであった話。


 当時、1対1で話すチャットアプリにハマっていた。タップするとランダムに全国の誰かとつながるものだ。


 自分や相手の情報が全く分からないまま始まって、気に入らない人はすぐに切って別な人とつながれる。

 唐突な質問をする人や礼儀正しい人、セクハラをしてくる人もいて、面白かった。

 お手軽なのもあって、暇な休日はこれで1日潰すこともあった。


 つながってからどういう質問を切り出すか、いかに即切りされずに続けるか試行錯誤して、いくつかのルールを作った。


 1.最初から性別や年齢を明かさない。

 性別や年齢を最初に明かすと相手が警戒して、会話が続かない。出会い目的の人間だと思われて即切りされた。


 2.テンプレ的な質問をいくつか用意して、答えや返しも用意する。

 相手にもよるが、文章だけなので柔和で優しい雰囲気を出すほうが長く続けられる。説教くさい感じより共感性が高いほうが長続きしやすいのだ。


 3.スピード重視、反応は基本的に正直にする。

 間を取りすぎたりすると、テンポが悪かったり、相手が警戒する。


 それに伴って、相手の性別や年齢を知るためのテクニックを考えた。


 1.ファッションや髪の話題などをすることで相手の性別を知る。

 例えば、「髪の毛染めようと思っているけど何色がいいと思う?」から話を広げていく。


 2.パソコン版もあるが、仕様上パソコンはパソコン、スマホはスマホ同士でしかつながらない。

 当時、スマホ版のほうが若年齢層の利用が多かった。


 やっていて、100%上手くいくわけも無かったが、10人に6~4人くらいはまともに話せて、20人に1人くらいは連絡先を交換して、LINE友達になったりもした。


 今にして思えば、自分はかなり危険で考えなしだったと思う。今では絶対にしないだろう。


 その中でも1番強烈な話。


 私:「こんにちは」 

(最初に絵文字や!はあえて使ってないのは、それを出すと相手がひくことが多かったからだ)


 相手:「こんにちは」

(最初にこんにちはから始まると、会話出来るパターンが多い)


 私:「今日雨すごかったですよ」

(何気ない会話だが、回答で住んでいるところをある程度絞り込める)


 相手:「そうですか、私のところは降ってませんでした」

(関西もしくは、沖縄、北海道だろうな、周辺では絶対ない)


 会話をしていくうちに、北海道住みということがわかった。それに文章から、けっこう年がいっていることも推測できた。会話していて、出会い目的や悪意などがある感じもなかったので、連絡先交換を申し出た。そもそも住む場所も遠かったので、安全性も考慮しての提案だった。


 私:「もしよければ、連絡先交換します?」

(相手の性別を質問した上での連絡先交換は、かなりの確率で拒否されるので性別に関する質問はしなかった)


 相手:「いや、私おじさんなので、貴方とはちょっと」

(ここで私は少し驚いた会話していた文章や内容が女性的な感じだったからだ)


 私:「今まで女性だと思ってた...」

(正直な反応、打つスピードはかなりはやかったと思う)


 相手:「実は私女装が趣味なんですよ」

(ここでさらに衝撃の発言である)


 私:「そうなんですか」

(予想外過ぎて返しが、思いつかなかった)


 相手:「そろそろ、時間なので」


 私:「連絡先どうします?」

(もはや思考停止しているが、女装癖があるから撤回するのも気が引けたので言ってしまった)


 相手:「だめだ、貴方はいい人すぎる」


 相手が退室しました。


 このことがあってか、チャットをあまりやらなくなってしまった。女装癖がある人間を見抜けてなったこともだが、最後の一言が強烈すぎたからだ。私もチャットで性別を明かすと、びっくりされるがまさか逆の立場になるとは…。

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