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現実の苦悩

続きを読んでいただきありがとうございます。

 ゲームからログアウトしてヘッドセットを取りながらベッドから起き上がるユイ。前回と同じく、取ったヘッドセットは机の上に置いて周りを見回し、自分の部屋の感覚を取り戻す。


「無事、戻ってこれたね・・・。」

 部屋の感覚を取り戻しながら、ひと先ず一安心すると、ユイのお腹の虫がなる。そんな状況でユイは時間を確認すると、時間としてはまだ夕方ではあったが、空腹の感じが比較的マシではあるものの、それでも空腹であることは変わらなかった。


「向こうの世界でご飯を食べても、多少の空腹感を満たすだけでちゃんとした空腹はやっぱり満たせないか・・・。」

 自分自身の体で、体感をしながら次の日の長期休み中の部活に備えて準備を始めるのであった。




 翌日、規則正しい時間に起きたユイは準備をして部活のために学校に向かった。その途中、先日の部活動の日と同じように学校で向かっている友人のチカを発見した。


「チカちゃん!」

「ユイ!おはよう。」

「おはよう、あれからどう?進捗は?」

「まだまだ、第2の街で苦戦中だよ~・・・火力と回復力が足りなくて何回も中ボスでやられてるぅ・・・。」

「あそこの中ボス、かなり苦戦するよね~。私も前のステージでリセマラしてから挑んだな~。」

「リセマラ!!やってみる!」

 互いに挨拶をすると、チカにユイが勧めたゲームの進捗の話になる。話をしながら、学校への歩みを進める2人。


「そういうユイも新しいゲームの進捗はどう?」

「なかなか、時間がないからガンガン進められない分、まだまだだよ~。」

「でも、ユイのことだから、なにかと進んでそ~!」

「あ~、でも、ギルドに登録したのに登録してすぐにランクが飛び級で上がったってことはあったかな・・・。」

「え!?なにそれスゴ!!」

「色々事情があってランクアップの条件をクリアしちゃったみたいで・・・。」

 それぞれのゲームの進捗を報告し合いながら、歩みを進めていた2人は学校の正門を通過した。急激なランクアップをチカに報告したユイはチカの反応に苦笑いをしながら事情を説明した。それぞれの報告とチカへのゲーム攻略を話ながら昇降口で靴を履き替え、演劇部である2人の活動場所に向かった。

 演劇部の活動場所である視聴覚室にはいった2人は、他の部員に挨拶しながら今日の活動内容を確認すると、この日は学園祭で行う劇の話についての概要や、欲しいアクションやセットの打ち合わせ、ヘアセットや衣装の採寸など細かなミーティングの日であった。


「あぁ、そっか。今日、採寸もあるから長期休み中にあまり見かけない手芸部の人達もいたんだ・・・。」

「だから、下の階の被覆室あんなに賑やかだったんだ・・・。」

「学園祭の出し物って演劇部は手芸部の作品モデルにされる部分もあるから、毎年、うちの学校は手芸部と協力体制なんだよね・・・。それに美術部とも・・・。」

「うちの学校、私ら演劇部が上のレベルだからっていうのに影のサポートが強いんだよね・・・。」

「運動部でも野球部とか吹奏楽部とも連携が強いからね・・・。」

「そういう吹奏楽部もかなりレベル高いからかなり話題になるんだよね・・・。」

 ユイとチカはこの日の活動内容を確認すると、自分たちの通っている学校の特色をぽつぽつと話始める。困り顔になりながら話している2人だが、彼女たち含めてこの視聴覚室にいる部員全員、なにかのスイッチが入ると人が変わったように役に入る者たちばかりであるのは自分たちも自覚していないのであった。


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