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受付でランクがCに上がったギルド登録証明をもらい、その日は宿に戻ったユイたち。部屋に戻ると、気の抜けたユイは手を後ろにつきながらベッドの上に座って一息ついた。
「まさか、オークの討伐がランク違いで設定されてたのとリディキル達を従魔にしてるだけでCランクに一気にランクアップしてしまうとは・・・。」
「仕方ねぇんじゃねえの?それだけ珍しい状態になっているってことにも繋がるんだから。」
「それはそうだけど・・・。」
「私もあまり弟には任せたくなかったんですが・・・。」
「シィネマは戦闘好きだしねぇ・・・。だけど、シィネマのおかげで暫くの間の食料は確保できたし、いつ次の街に進もうって思っても大丈夫だね。」
「またおいしいご飯、食べたいです!」
そんな他愛ない話をしながら、部屋で過ごすユイ達。しかし、リディキルは重要なことを思い出した。
「そういえばユイさん、現実のほうは大丈夫なんですか?」
「あ・・・。」
「完全に忘れてましたね・・・?こちらの世界に戻ってきてから3日と半日ほど経ってますが・・・大丈夫なんですか?」
「えっと・・前に戻ったときは、こっちの時間の進みのほうが早いってことがわかってる。確か、9分の1程度しか進んでなかったんだよね。だから3日半ってことは、向こうだと9時間程度くらい。そろそろ戻る準備しないと部活もあるし・・・。」
「そういうことなら、今からセーブポイントに行きましょう。早めに戻ったほうが体にも負担がなさそうですしね。次に戻ってきたときには次の街への出発準備と鍛錬を始めましょう。いつまでも逃げ回ってるだけではランクとつり合いが取れませんからね。」
「はーい。」
リディキルの勧めにより、宿の部屋にいたユイたちはセーブポイントに向かい、セーブを済ませると呪文を唱えた。
「”トマリギ”」
呪文を唱えるとユイの小さな空間だけ光りはじめ、ホームであるハジマリの場所に戻った。
いつものように、見慣れた蒼い空間に目覚めるようにハジマリの場所に戻ってきたユイは、周りを見渡した。
「ユイ!」
戻ってきた場所から右方向へ向けば、魔獣姿のウィキ―とリディキル達、ラスフルがいた。ウィキ―とリディキル達は駆け寄ってくるものの、ラスフルは駆け寄ってくることがなく、その場でふてくされていた。
「さっきまで人間の姿だったから、この空間でのみんなの姿は見慣れないなぁ・・・。」
「くそ・・・あんまりこの姿でいたくねえんだけどな・・・。」
「そうだ・・・ラスフルは普通に犬なんだよね・・・。」
「事実をつきつけるな!!」
本来の姿であるゴールデンレトリバーの姿をあまり見せることはしないラスフルにとってはこのハジマリの場所であるホームはあまり好まない場所であるかもしれない。
「さっさと用事を済ませて返ってきやがれ!!おれはこの姿でいるのが苦痛でしかたねぇんだ!!」
「わ・・・わかったよ・・・。」
ラスフルからの圧力で押されたユイは設定画面をすぐさま開き、ゲームをログアウトして現実世界に戻っていった。




