決着
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ユイ達が心配しながら黒い竜巻が起こって消えた後の上空を見つめている頃、未だオークキングの棍棒での攻撃を大鎌で受け流していたシィネマ。だが、その顔にあった笑みは何度も繰り返している内に退屈とでもいうかのような顔になっていた。
「お前、こんな単調な攻撃しかできないわけ?」
攻撃を受け流し終わったシィネマは、息を切らし始めたオークキングに睨みかける。それに返すように睨みかけるオークキングだったが、ひるみ始めた。それはオークキングが期待にそぐわない強さだったため、腹が立ってきたシィネマは周りに黒い空気を纏い始めた。
「俺の期待のしすぎだったみたいだから、謝る代わりに魔法との融合で倒してやるよ。」
自身の周りに纏っていた黒い空気が大鎌に移り、振りかぶって大鎌を振る準備をするシィネマ。その様子を見たオークキングは流石に恐怖からか、危険を思い始めたからか目の前の光景に狼狽え始めた。
「期待しすぎて悪かったな・・・。」
「グォォォォォ!!」
黒い空気をまとった大鎌をもったシィネマはそれを大きく振ると黒い空気が大鎌から離れ、オークキングに目掛けて飛んだ。オークキングがそれを見て狼狽えて動けなくなっている間に、シィネマの攻撃があたり、斬撃と苦しさの両方の攻撃を受けるとその場に倒れ込んだ。
「さて、ユイちゃんに連絡しないと・・・。」
倒れ込んだオークキングをみたシィネマは、一つ息を着くと、オークキングの棍棒による不意打ちで割れた丸眼鏡の位置を直した。
その頃、ユイ達はすべきこともなく、ただただ不安に狩られながら、未だ黒い竜巻が起こって消えた後の上空を見つめていた。
「シィネマ、大丈夫かな・・・。」
「リディキルの弟なんだろう?心配するひつようないじゃねぇか。」
「そうじゃないです・・・ラスフルさん。」
心配するユイとは反対にリディキルの弟だからと話し、安心させようとするラスフルであったが、ユイの心配の仕方を理解しているウィキ―はラスフルに訂正をした。
「リディキルさんの弟さんだから心配なんですよ・・・。」
「どういうことだ?」
「あー、話しておくべきか・・・。さっき、シィネマは戦闘に関しては狂ってるって話をしたじゃない?」
「ああ。してたな。ただ、戦闘が好きってだけじゃないのかよ?」
「それもそうなんだけど・・・・、やりすぎちゃう場合があって・・・。」
呆れてるのもありながら、不安を募らせた表情をするユイとウィキ―をみて、なにも言えなくなるラスフル。
「まぁ、そのリディキルも似たようなところはあるんだけど・・・。」
「そりゃ兄弟だからってのもあるだろう・・・。」
「ユイちゃーん!!」
「んっ!?シィネマ!?」
ユイ達3人で話している最中、急にシィネマの声がしてユイは反応した。しかし、周りを見渡してみてもシィネマの姿は見かけない。その様子をみたラスフルとウィキ―は不思議そうにユイのことを見ている。
「あー、そっか、これやるの初めてだっけ?念話っていうんだよねー。」
「念話・・・?」
「あー、念話か、だったらこうなるな。」
ユイの不思議な行動と勝手に一人で話始めるのを見たのと、ユイがシィネマから話されたことを復唱したために納得したラスフル。
「それぞれでできる範囲は変わってくるけど、ワンコロちゃん達もできるよー。それでさ~、倒し終わったからこっち来てくれる~?」
「終わったの!?」
「うん、いっぱいいるよ~!」
シィネマから聞いた”いっぱいいる”という言葉だけで落ち込むユイ。その様子をみたウィキ―は予想どおりで諦めの境地に入っていた。
「ワンコロちゃんのポケットが必要だし、依頼のための報告もしないとでしょ~?」
「うん・・・そうだね・・・。とりあえず、怪我は・・・?」
「ちょっとだけ~!」
「は~い。今から向かうから、一か所に集めておいてくれると助かる・・・。」
「わかった~!」
シィネマとの念話を終わらせると、頭と肩をガッツリと落とすユイ。それをみたウィキ―は諦めの表情を浮かべ、ラスフルも呆れ顔になっていた。




