選手交代
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ユイ達の前に姿を表したオークは1体だけではなく、3体も姿を現した。突然、姿を現したオークにユイとウィキ―は顔を青ざめて先ほど以上に怯え始めた。
「きたか!!」
「まずは3体、依頼書には1体だけ討伐できれば良いと書かれていましたが、やはりそう簡単には1体だけにはならないわけです。」
多少、レベルが上であるリディキルとラスフルは冷静に判断ができているが、ユイとウィキ―は冷静な判断は出来ないほどに、青ざめながら恐怖に陥っている。そのつかの間にも、オーク3体はそれぞれで攻撃してくるため、ラスフルはウィキ―を抱え、ユイをリディキルが抱えて攻撃を避ける。ある程度の距離をとってオークからは見つからない物陰に隠れられた4人は手練れの2人であるリディキルとラスフルの判断が唯一の鍵であった。
「これじゃ埒が明かねえ。それに、こんな一気に3体もオークが来てるんじゃ、近くにオークの集落みたいな巣でもあるんじゃねえか?」
「それは可能性として大いにありますね。それにかなりの数のオークがいると思いますね。」
リディキルとラスフルの冷静な判断と可能性を考慮した中、ひと先ず落ち着いたユイが口を開いた。
「これ、流石に無理じゃないの・・・?」
「そうですね・・・流石に、貴女方を庇いながらでは私も少し苦戦するかもしれないですね。」
「そうだな、俺でもかなりキツイ。それに、あの数は流石に・・・。」
冷静に話していた3人だが、急にリディキルが抱えていたユイをラスフルに放るように渡す。
「ちょ・・・!?リディキル!!お前、アブねぇじゃねえか!!」
「そんなこと言われても、体が・・・勝手に・・・。」
驚いたような顔をしながら、リディキルの体が勝手に動きはじめ、右耳についているリングピアスに触れた。すると、一瞬にして黒かった髪の毛は白髪になり、黒かった背広は白に染まる。その様子を目にしたユイは瞬時に、先ほどまでのリディキルの体がいうことを聞いていない状況を理解した。
「シィネマ!!」
「じゃあ、ユイちゃんとおチビちゃんのことよろしくねぇ、ワンコロちゃん!」
「わ・・・わんころ?」
楽しそうな笑みを浮かべて、ユイの頭を撫でた後、ラスフルに声をかけながら戦闘に不向きなユイ達のことを任せオークがいる方向に武器である大鎌を出しながら走って向かっていってしまったシィネマ。
「なんだ・・・?アイツ?」
「ラスフル!ここから倍のところまで逃げるよ!!」
「は!?アイツをおいて逃げるのかよ!!というか、リディキルはどこにいった!?」
「詳しいことは後で説明する!!今はここから離れなきゃ!!」
リディキルがシィネマと交代することで何かを察したユイは、ウィキ―を抱きかかえてラスフルとともにその場から距離をとるように離れていった。
一方、武器である大鎌をもってオークがいる方向に一目散に走っていったリディキルもといシィネマ。軽やかに木の上や枝を使ってオークが現れた場所まで再度向かっていく。
「ワンコロちゃんのおかげで体がいつもより軽い気がするな~。それに久しぶりに大暴れしちゃおっかな~!」
嬉しそうな表情を浮かべていると、オークの姿を発見したシィネマ。その上空にあたる木の枝に着地し、そこで様子を伺ったその瞬間、オークに目掛けてそこから飛び降りていった。




