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料理人

続きを読んでいただきありがとうございます。

 不思議な空間から道具を取り出すと、近くの岩場を調理台として使い始めた青年。即席の調理台を作り出したのは良いものの、食材がないため何も作れないのではと思っていたユイが見ていた矢先、道具を取り出した同じ空間から、肉の塊や野菜と思われるものを取り出していた。


「ちょっと待ってろよ。すぐうまいもん作ってやるから。」

 腕まくりをして包丁を持ち出し、作業を開始する青年。敵じゃないというのを行動を通して感じてきたユイとウィキ―は、互いに顔を見合わせた後、ユイは小さな声で呪文を唱え、ウィキ―とともに青年のステータスを見た。


「種族:ゴールデンレトリバー ♂ Lv.19

役職:料理人≪コック≫

スキル:【火魔法】、アイテムボックス

ステータス

攻撃:160

防御:140

敏捷:200

幸運:50

MP消費:30

HP:100」

 青年のステータスをみたユイとウィキ―はまた、互いに顔を見合わせた。料理人≪コック≫という役職を2人は何度も見返した。こんな早くにお目にかかれる存在ではないが、現時点で目の前にいる事実を見るとチャンスといえた。


「ほら、簡単なものだが出来たぞ。」

 そうこうしているうちに、犬の青年が料理を終えて、ユイ達2人のもとに料理を運んできていた。


「メインはサンドイッチがあるからスープ類のほうがいいだろうし、ポトフにしてみたぞ。」

 青年はユイ達にポトフがよそられた器を手渡たす。ユイ達は素直に器を受け取ったが、器の中のポトフに眼を落とす。毒でも入っているのではないかと警戒をしていた2人はそこからゆっくりと犬の青年に視点を移した。


「そんな変なもん入れてねぇって。これでも俺は料理人≪コック≫だぞ?」

「そうかもしれないけど・・・。」

「なら、俺が毒見してやろうか?」

「え?」

 そういうが先か、ユイの器に入れてあった匙でユイに渡したポトフをそのまま掬って一口だけ食べた犬の青年。その姿を驚きつつも見守るユイとウィキ―だったが、口の中に入れたポトフは犬の青年の胃の中へと入っていった。


「な?何もないだろう?」

  ポトフを一口だけではあるものの食べた犬の青年は苦しがりもせず、そのまま何も起こらなかった。そのため、ウィキ―の治療魔法を信じて、ユイはポトフの器に口を付け、スープを口にした。


「ユイ!?」

「そんなに疑うなよ。そこまで外道なことはしねぇって。」

 敵かは感じなかったものの、どうなることがあるかは分からないため、警戒心を解かないウィキ―だったが、渡されたポトフを口にしたユイをみて少し焦燥感を感じた。だが、苦しがったりすることは何も起こらなかった。


「平気・・・みたい・・・。」

「ホッ・・・。」

 ユイの様子を見ていたウィキ―は、ひと先ずほっとし、そのまま自分もポトフを口にし始めた。ウィキ―にも苦しがったりする様子はなく、何も起こらないのを確認すると、2人は安心してポトフを食べ始めた。


「疑ってごめんなさい・・・。ウィキ―が警戒してたから不意にやられることもなくはないだろうって思ってたの。」

「まあ、それが普通だろうな。仕方ねえよ。」

 ユイが疑っていたのを謝り、青年が許した。その日の夕食はゴールデンレトリバーの青年のおかげで豪華なものとなった。その中で、青年とユイ達はどんどん中を深めることができた。

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