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来訪者

 エクイプの西部にある森にきたユイ達は辺り一遍を見渡していた。


「ここに依頼のオークはいるらしいんだけど・・・。」

「これってもしかして、1体オークの討伐ですけど・・・てことは、状況的に、他のオークもいるってことになりますよね。」

「ウィキ―、向き合いたくない現実を言わないで・・・。」

 急に現実に気づいたウィキ―はユイにとって現状、禁句となる言葉を口にした。そのため、心の中で泣き始めたユイ。しかし、昼頃に森に向かってユイ達は出発したため、日が傾き始めていた。


「向き合いたくなくても現実は現実ですし、受け入れてください。それに、今から街に戻っても暗くなるのは確実なので、今日は野宿は確定ですよ。」

「えぇ~!!」

「2人して文句言わないでください・・・。果報は寝て待てというじゃないですか。狩り終わるまでここを抜けられないと思ってください。」

 リディキルの一言にあり得ないと言いたげなユイとウィキ―だが、リディキルの爽やかな笑顔を向けられると文句を言いようがないくらいの怖さがあった。

 結局のところ、その日はオークを見つけられず、野宿が決定となってしまった。焚火で必要最低限の明かりを灯し、夕食にすることにした。


「私の手持ちにある程度は入れられるようになってますが、そこまでの量は入らないのでこれだけですが我慢してくださいね。」

 リディキル達が持つ、異空間はアイテムボックスとしても使えるが大きさが限られてくるのと、長時間入れておくとその中に飲み込まれてしまうため、5時間程度が限度といえる。そのため、エクイプで購入したサンドイッチくらいを持ってくるのが限度だった。


「食べられないよりはまだいいよ。持っててくれてありがとうリディキル。」

「最悪の場合はそのあたりの魔獣を狩って食すということもできるのでどうとでもなるんですけど、どうしますか?」

「今はこれで十分です・・・。」

 魔獣を狩って食すのにまだ言葉だけでも抵抗があったため、リディキルの狩りに行くというのも断った。ユイ達がしんみりと焚火を囲みながらサンドイッチを囲んでいると、近くの茂みが揺れた。


「何・・・!?」

「敵ですか・・・!?」

 三人の空気に緊張感が漂い始める。だんだんと茂みの揺れが激しくなり、三人の緊張感も増し始めたが、茂みの中から現れたのはなんの変哲もない首にスカーフを巻いた大型犬だった。


「なんだ・・・犬か・・・。」

「わんちゃんでしたか・・・。」

 茂みから出てきた犬をみて敵でないと判断し、胸を撫でおろしたユイとウィキ―。だが、その中でも歴戦の経験が高いリディキルは警戒を解かなかった。


「2人とも、森に入ったら簡単に警戒を解かないでください。」

「え?」

「・・・はっ!」

 リディキルに言われて、気づいたウィキ―と理解が追い付かないユイ。つい、目に見えたもので警戒を解いてしまったウィキ―だったが、すぐに気づいたことにより、警戒を改めてし始めた。


「リディキル、どういうこと?」

「ユイさんは見たほうが早いと思います。」

 理解が追いつかないため、リディキルが実践として見たほうが早いと判断したため、ユイに見ておけと示す。


「貴方、何を目的としてやってきたんですか?」

「ちっ・・・、ばれちゃしょうがねえ。」

 リディキルが目の前に現れた大型犬に声をかけると、目の前の大型犬は喋りはじめた。その様子を目の前にしたユイは驚きに満ちた眼をした。


「お前さん、結構な手練れだな・・・。」

 目の前の大型犬は、リディキルを睨みながら煙に包まれた後、人の姿となって現れた。

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