依頼選び
”武器の街”エクイプのギルドにある掲示板を見始めたユイ達。ギルド登録をしたばかりのユイは真ん中より少し上に辺りに目線を止めた。
「今しばらくは、ランク上げのためにこの街に留まる予定を立てていたほうがよさそうだね。Gランク相とその一つ上のFランク当の依頼はここにある4つだけか。」
「ユイさんのその予定でいいと思います。ただ、長居は無用ですし、依頼をできるだけ早く済ませてランクをあげましょう。」
ユイの考えに賛成をしたものの、予定に付け加えをするリディキル。リディキルの付け加えた予定にユイは同意することができたため、そのまま依頼について見始めた。現在、ユイができる依頼の4つのなかの3つは薬草の採取であった。だが、その中に1つだけ討伐依頼が入っていた。
「これって・・・どれが一番いいのだろう・・・。」
「そうですね・・・。これ、全部やってとっととこの街から次の街へいこう。」
「・・・リディキル?」
「リディキルさん?」
ユイもウィキ―もいつものリディキルの口調とは違ったため、不思議に思いリディキルの様子を伺うユイとウィキ―の2人。
「すみません・・・。たまに弟が勝手に私の体や口を使うことがあるんです・・・。」
「あー・・・急にされるとびっくりするけど、それなら仕方ないよね。オルトロスは2人で一人だし・・・。」
「申し訳ないです・・・」
口元を押えながら弁解するリディキルの様子を見て、ユイは苦笑いをするが本人は恥ずかしげだった。
「でも、ウィキ―が薬草にも強そうだし、シィネマがリディキルの口を使っていってきたように全部やってもいいかもね。唯一の討伐依頼も・・・ワイルドボアっていう猪の討伐みたいだし・・・。」
「それなら、楽勝だよ。」
「・・・リディキル、またシィネマがでてる。」
リディキルの口を使って、シィネマが喋り、それを指摘するとリディキルはまた口元を押える。
「シィネマが出たいみたいだから、薬草採取一種類と討伐依頼をやってみようか。」
掲示板に貼ってある依頼書を剥がして、自分の手元に持ってくるユイ。そのうちのひとつである薬草採取の依頼書をウィキ―に差し出す。
「この薬草、ウィキ―は知ってる?」
「・・・この傷薬を作るための薬草なら故郷の森で何度か使用しているのを見たことがあるので物や匂いも知ってます。」
「流石ウィキ―、回復関係なら知ってるね。リディキル達も討伐依頼の時はよろしくね。」
「わかりました・・・。」
流石のリディキルも突然、シィネマが出てくるとは思わず恥ずかしそうにしながら返事をした。
討伐依頼は次の日にすることを決め、まずはウィキ―の嗅覚を頼りに傷薬に使う薬草を採取しに早速出かけることにしたユイたち。街から北部へ少し進んだ草花が生い茂る場所にやってきた。
「このあたり、草花の甘いにおいや青臭い匂いが広がってますが、ここに薬草の匂いもします!」
「よし、ウィキ―!頼んだ!!」
薬草を探すのは自力でできる依頼ではあるものの、時間がかかりすぎると日が暮れてしまうこともあるため、自分たちよりも優れた嗅覚をもつ魔獣であるウィキ―達の強さに頼ることになった。魔獣の姿になったウィキ―はどんどん匂いを嗅ぎながら草花が広がっている草原の中を足を進める。はじめにいた場所からいくらか行った場所でウィキ―は止まってヒト型に戻った。
「この辺りが一番、薬草の匂いがします。」
「わかった。このあたりで探してみる。ありがとう、ウィキ―。」
「ウィキ―も探すの手伝います!」
ウィキ―の嗅覚を頼りに、近くを探し始めるユイ達。すると、ものの数分で小さな花束にできるほどに薬草が集まった。
「すごい!!ウィキ―の嗅覚のおかげだ!!」
「えへへ。」
そこまで時間をかけずに探せたがそれ以上にウィキ―の嗅覚でポイントを絞れたのが良かったのかその成果をユイはウィキ―を褒めた。それにより、ウィキ―は照れる。
「薬草への知識は本物のようですね。」
「そ・・・そんなことないですぅ。」
リディキルもウィキ―のことを褒めると更にウィキ―は照れた。その日は、薬草採取で日が暮れたため、エクイプに戻ったユイ達なのであった。




