一時、帰還
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リディキル達の大鎌を預けて鍛冶屋を後にしたユイ達は、また、街中の屋台の店員に聞きながら換金所を目指していた。換金所に向かっている途中、ユイは召喚書をだし、クエストを確認していた。
「えっと・・・、2人を契約したクエスト分で1500マナーか・・・。この世界の相場が分からないから何とも言えないけど・・・無一文よりはいいかな・・・。」
「・・・ユイ、貴女、無一文でよく生きてこられましたね・・・。」
「私もこの世界に来たのはここ最近ですから、初報酬です!」
鍛冶屋からさほど遠くない場所に換金所があり、リディキル達がいた屋敷までとはいわないが、石レンガで建立された重厚感のある換金所だった。
「流石、武器の街・・・。換金所の作りが重くてしっかりしていますね。」
「他の街はここまでなってないの?」
「ええ、この街は意外と観光名所にもなっていて、この換金所は観光スポットとしても有名なんです。」
情報屋オルトロス、本日も調子よく営業中である。ただし、今はユイ限定の営業である。
「へぇ~。じゃあ、ここにいる人隊は換金やセーブ、武器の調達に来る人と、観光目当てで来る人になってるからこんなに多いんですね。」
「そういうことです。まぁ、変な輩はたまにいますが、この街は住民一人ひとりが不審者一人くらいなら余裕で相手にできる方々が多いですから、防犯上もしっかりできているわけです。」
リディキルの話を聞きながら、換金所の中に入っていくユイ達。入ってくとほどほどに長い行列があり、案内板には【受付】という文字があった。
「受付だけ済ましてきちゃいます。リディキルさん、ウィキ―をお願いしてもいいですか?」
「わ・・・私がですか・・・?」
ユイに渡され戸惑いながらもウィキ―を引き取るリディキル。慣れない手つきで抱き上げていることをなんとなくだが感じたユイは、急いで済まそうとすぐに受付の列に並んだ。思ったより早く進んでいることを確認したユイは安心する。2分ほど待つと自分の番になり、台座に召喚書を置くスペースがあったため、呪文を唱えるユイ。
「”スクロール”」
出てきた召喚書を手に持ち。台座におくと穏やかに台座が光り、台座の少し下から札が出てくる。どうやらこれで受付は完了したようだった。札には番号が書かれており、その札の番号と同じ番号の窓口に行くと換金されたお金と札を交換して換金は終了だった。
リディキル達からもらった装備にウエストポーチももらったため、その中に換金したお金を入れ、ウィキ―を抱えたリディキルの元に戻った。
「換金終了しました。もう大丈夫です。」
「貴女がちょうど窓口に行っているときにウィキ―さんも眼を覚ましました。」
換金に行く前はリディキルのぎこちない抱っこ姿があったが、今は目覚めたウィキ―はリディキルの足元にいた。
「目が覚めたらユイじゃなくてびっくりです・・・。」
「ははは・・・、ごめんごめん、換金しに行ってたの。次、セーブポイントに行きたいんだけどいい?」
ユイの謝罪を受け入れながら、ちょっとビビり気味のウィキ―。しかし、理由がわかると納得せざる負えなかったが、次に行くところが分かれば快くウィキ―とリディキルは首を縦に振った。
セーブポイントは街の中心にあるため再度、来た道を戻りながら、屋台の店員に街の中心に行くための近道を教えてもらい、その通りに向かっていた。向かっている途中、ユイは思い出したように口を開いた。
「セーブポイントでセーブするけど、私、一回、現実世界に戻るね。」
「え?」
「なんと!」
急にユイが話始めた内容に驚くウィキ―とリディキル。しかし、ユイには現実世界でやらなければならないこともあるため、現実世界に戻ることは必要なのだ。
「リディキル達の武器のメンテナンスも長くかかりそうだし、一旦、現実世界に戻って時間がどれくらい進んでるかにもよってプレイ速度を調整しようかなって思ってるから試しに戻ってみるの。」
「わかりました。くれぐれも、私達のことを忘れないでくださいね。」
「絶対に早く帰ってきてください!」
セーブポイントに着くと、セーブをして呪文を唱えたユイは、ハジマリの場所に戻っていくのであった。




