表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

ゾンビトリップ2

「嘘だろぉぉ!!」


 墓所に雷鳴と俺の悲鳴が響き渡った。墓石に頭をぶつけてみた。


「痛ったぁぁ!!」


 俺は痛みで両手で頭を押さえて蹲った。確かに痛い。ものすごく痛い。全然夢じゃない。


 もう一度水溜りを見る。顔面蒼白で死人のような顔の俺が頭から血を流してた。

 恐る恐る首を撫でてみる。あった。ゾンビに噛まれた跡がくっきりと。

 

 確かあの時ゾンビに噛まれたんだな。それでその後

…棺の中か。

 棺にどうやって入れられたんだ。


 というか、ここどこだ?

 

 墓石の形が日本のものではない。それにさっきの男の服装は日本のものじゃなかった。なんていうかファンタジーなゲームに出てきそうな感じだった


 あの火球はなんだ?どっから出したんだ?


 目覚めてから訳がわからないことが多すぎる。ひとまず、雨宿りできる場所に行くとするか。

 


***

 少し歩くと木造の小屋が見えて来た。墓の管理小屋であろう。

 

「ごめんくださーい」


 扉をノックして中の人を呼んでみたが、返事がない。

 ドアノブを捻ってみた。鍵はかかっていないで、開いた。


「すみませーん」


 扉を少し開けて顔を入れて中の様子を見てみる。内装はファンタジーのゲームで見たことある昔の西洋風だった。

 驚くことに先程のつなぎの男が椅子に括り付けられていた。机の上には紙が置かれていた。


 紙には文字が書かれていた。が日本語ではなさそうだ。まして、今まで見たことがない文字だ。しかし、読むことができた。

 


 『これを読んでいる方へ

 これを読んでいることは俺はもうゾンビになっている頃だろう。

 もし、俺の姿を見たら殺してくれ。絶対にゾンビになるな。

 それと、書類を息子に渡してくれないか?引き出しの1番上に直したはずだ。ギルドに行けばわかると思う

 息子にがんばれっていってくれ』


「グギギギ」


 椅子に括り付けられていた男が言葉にならない呻き声を発した。

 どうやら俺がゾンビにしてしまったようだ。可哀想なことをしてしまった。でも腹が減ってたんだ。許してくれ。せめて、この紙に書いてある通り殺してあげるか。


「道具かなにかないかな?」


 流石に非力な俺の素手で殺す事はできない。スコップか何かいいものはないかな


「グギガガガガ」

 

 管理人は外を指差した。あっちにあるって事か。

外に出て小屋の周りを一周してスコップとナタを見つけた。

 あのゾンビ、まだ自我があるのか?


 スコップとナタを小屋の中に戻って帰り、一旦机の上に置いた。


「書類ってどこにあるんか?」


 ダメもとでゾンビに聞いてみた。


「グガガガ」


 ゾンビは再び指を指し示した。あそこだな。指の先にある棚の1番上の引き出しを開ける。

 大量の書類がそこにはあった。内容は墓所の名簿とか土地の権利書だった。


 『アエリタム王国管轄ー』


 どこなんだ。全く聞いたことがない国だ。ヨーロッパの小さな国だろうか。


「うーん」


 書類を見て唸る後ろで


「グギグギギ」


 そうだったな。楽にしてあげないとな。振り返るとゾンビが目前に迫っていた。自分でロープをちぎったのか!?

 

「待ってくれっ!!」


 咄嗟に叫んだ。叫んだからって何も変わらない事はわかっている。


「グギギギ」


 止まった…?ゾンビは俺に攻撃せずに立ち止まった。


「お座りっ!!」


 もしかしてだが


「グギ」

 

 ゾンビは座り込んだ。


 俺ってゾンビを操る事できるんだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ