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現実世界の終わりの始まり
正に若気のいたり...新卒で某国家公務員として入庁した私は巨悪に対する正義感に燃え上がっていた...自分の器も弁えれずに...。
しかし、いざヒューミント対象と接触するとその境遇に同情を禁じえなかった、巨悪の枝葉として考えていた者たちは正に弱者以外の何者でもなかった。
私が抱いていた正義感は弱者を守もる。
既に上席と私の間に些細な…否、大きな齟齬や軋轢が生じ始めたのであった。
上席は決して、職務上誤ったことは仰っていなかったのは重々承知していたが、心情面で到底納得呑み込めるものではなかった...と言うのが掛け値なしの本心であった。
これは人生踏み外していく、ヒトの人生でありその顛末を記したものである。