おまけ:悪戯
「セルヴァさん」
一人部屋机に向かい書類片手に考え事をしていたセルヴァさんに背後から近づいて耳元で声をかける。
そうすると、セルヴァさんの背筋がぴんとして
「あ、あああ、クミ様!?」
慌てて振り返るセルヴァさんの顔は真っ赤。
蕁麻疹が治ってから、私はよくセルヴァさんに背後からこっそり近づいて、耳元でささやくの。
そうすると顔を真っ赤にして困った顔をするのがとっても可愛い。
「お疲れ様です。お茶もってきました」
そう言って、仕事を持ち帰ってきたセルヴァさんにお茶をだした。
仕事中邪魔をするのは申し訳ないけれど、これくらいのいたずらは許してくれるはず。
セルヴァさんは顔を頬をそめたまま困った風に微笑んで「ありがとうございます」ってお茶を受け取った。
「仕事終わりそうですか?」
私が聞くと、
「申し訳ありません、もう少しかかりそうです。
結婚の件もプロポーズしたのはこちらなのにだいぶ先伸ばしになってしまって。
ダルデム教の後処理だけは、ヴィクトール達だけでは無理でして……そ、そのこれさえ終われば時間が作れます!!」
と、なぜかあわあわと言い訳をはじめるけれど、何でだろう?
仕事を終わらせないからすねてると勘違いされたのかな?
「急いでないから大丈夫ですよ。結婚式なんてしなくても、セルヴァさんと一緒に暮らせて、セルヴァさんがやりたい事が手伝えるだけで幸せです」
私がセルヴァさんに笑って言うと、セルヴァさんに抱きしめられた。
「好きですよ。クミ様」
「私もです」
そう言って唇にそっと触れるだけのキスをしてくれる。
そのキスが優しくて、セルヴァさんとのキスは好き。
唇を離したあと、耳まで真っ赤になっているところも、ちょっと不慣れに微笑むところも。
だからいつも私からも唇にもう一度キスをする。
そうすると、セルヴァさんが嬉しそうな顔をしてくれて--もう一度、目を瞑るけれど
「主―帰ったのじゃぁぁぁぁぁ!!」
ちょうどシャルティ達が帰ってきてしまう。
「あ、帰ってきました。おやつの準備してきますね」
私がそう言うと、セルヴァさんがとってもがっかりした顔になる。
イチャイチャしだすと長いから、わざとシャルティ達が帰って来るちょっと前に悪戯をして、セルヴァさんが残念そうな顔をするのを見るのが好きだったりする。
本当は私ももっとセルヴァさんと一緒に居たいけれど、仕事の邪魔をするのも嫌だからちょっとした悪戯。
セルヴァさんと一緒にいられる時間は少ないから、これくらいのいたずらは許してほしい。
ね?セルヴァさん。
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