68話 ハンバーガー
「全然わからないっ!!!」
お祭りが終わってから数日。祭りの興奮が収まって大分街が落ち着いてきたころ、私はセルヴァさんに文字を習う事になった。
けれど思っていた以上に文字を習う事が難しい事が判明した。
「困りましたね。自動的に翻訳されているせいで、実際私が発言している言葉とクミ様が聞き取れる言葉が違うとなると……」
と、セルヴァさんもペンを片手にとても困った顔をする。
そう、自動翻訳機能のせいで、セルヴァさんが一生懸命「アップル」と発言していたとしても私には「リンゴ」と聞こえてしまい、セルヴァさんが文字で「アップル」と書いたものを私はリンゴと読んでいるせいで文字の法則性がさっぱりなのだ。一生懸命「ア」を「り」と呼んでいるのでもう何が何やらわからない。
「無理に覚える必要もないのじゃ!セルヴァや我が読んでやるから安心せい!」
と、シャルティ。
た、確かに数字はわかるし文字は無理に覚えなくてもいいような気がしてきた。
「うーん。文字を読めるマジックアイテムみたいなものがあればいいのに」
私がうんうん唸りながら言えば
「ふむ。あるぞ?」
と、シャルティが事も無げに言う。
「え!?本当に!?」
「このダンジョンならば20階ででると思うが。
主用のマジックボックスも欲しいし、少しこもってみるのもいいかもしれぬのじゃ!」
「そういえばここ最近、獣人の方たちの狩りに付き合うばかりで20階は行ってませんでしたね」
と、セルヴァさん。
「うぬ!!少しこもるぞ!セルヴァ」
「はい、では頑張りましょう」
「すみません、ありがとうございます!」
と、二人の会話を聞きながら、セルヴァさんと二人で勉強♪というのが夢物語で終わった事を悟る。もう少し頭がよかったらよかったのに。
□■□
「クミ様なんだか今日は元気ないですね~」
あれから、セルヴァさん達はダンジョンに籠るようになった。一人になってしまい暇なのでパン作りを手伝っていたらラーニャさんに言われてしまう。
「え、そう見えますか?」
「気のせいだったらいいのですけど~」と、ラーニャさんが言うので私は、シャルティやワンコちゃん達用のお菓子を失敗したと笑ってごまかした。
まさか、セルヴァさんと恋人気分を味わおう作戦が失敗したからなんて言えるわけもないし。
気分だけでも味わうのは決して悪い事ではないはずだ。うん。
……失敗したわけだけれど。
逆にダンジョンに籠る事になってしまって一緒の時間が減ったとか、間抜けすぎとしかいうほかない。
でもなぁ、獣人さん達が読み書きできないから学校をはじめる!なんて言って私が文字を読めないのは流石に恥ずかしいし。
やっぱり文字の読み書きできるマジックアイテムは欲しい。
ダンジョンで頑張ってくれてるみんなの為にも今日は変わったパンでも作ってあげようかな。
でも最近シャルティとアルの好みに合わせて甘い系ばかり作っていたから、そろそろこうーがっつり系食べたいな。
パンと言えば……ハンバーガー?
ああ、想像してたらなんだか無性に●スバーガー食べたくなってきた。
トマトソースたっぷりでレタスを大量にいれたやつ。
昔大量に食べたいけど高いから!ってネットで調べて自分でなんちゃって●スバーガー作ってた事があるんだよね。ああ、想像してたら食べたくなってきた。
よし、家に帰って早速作ってみよう。
私はパン作りを手伝ったあと、ラーニャさん達に大量にバンズ用のパンをわけてもらった。
あとはお肉と塩コショウでパテを作る。
つなぎの塩を入れたら、粘り気がでるまでよくこねて、何度も手でパンパン叩きつけて空気を抜く。
パテを作ったら次は●スのソース。
バターであいびき肉、玉ねぎ、にんじんを炒めて薄力粉を入れる。
さらに炒めて赤ワイン、トマト、リンゴ酢、水、コンソメ、砂糖、塩コショウをしてナツメグを入れたあと蓋をしてコトコト煮込む。それをよくかき混ぜて、ソースの出来上がり!
あとはパテを焼いて、パンに、バター、パテ、レタス、マヨネーズ、トマト、玉ねぎ、作ったソースをかけて出来上がり!!
本場の味とまではいかないけれどこれがかなり美味しいんだよね。
久しぶりに作ってみたけどやっぱりジャンクフードの味はいいなぁ。
ついでに気分を出してオニオンリングもつくっちゃおうかな。
シャルティやわんこ達は野菜嫌いだから、レタス抜きのマヨネーズたっぷりの照り焼きバーガーや、チーズバーガーとかにしてあげよう。
なんとなく自分の分につくった●スバーガーとオニオンリングも作って、お店風に机の上に並べれば、なかなか気分が出てたりする。
うん、美味しそう!たまにはいいよね、こうやって一人で食事も。
一人で久しぶりのジャンクフードを味わって幸せをかみしめていたら
「ぬあーー!!主!!何美味しそうなものたべてるのじゃぁぁぁぁ!!!」
と、まだお昼ちょっとすぎなのに、シャルティが帰って来た。
「え!?早いね!?もう終わったの!?」
いつもダンジョンに籠ると、夕方になっても帰ってこないから油断していた。
「はい。今日は運がよかったか、狙っていたマジックアイテムがすぐ出ました」
と、セルヴァさん。
アルと、ベガとデルも私の作ったハンバーガーの匂いに尻尾を振って、机に飛びついてきた。
「わわ、すごい。ありがとう。ってみんなの分も、材料は用意してあるからすぐ作るから待っててね。今すぐ作るから」
と、私は慌ててパテを焼き始める。
「はーやく!はーやく!」「わーん!わーん!」
と、後ろで踊ってるシャルティとアルに、待っててねと笑いながら私。
みんなが私のために頑張ってくれた分、私も頑張らないとね。
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