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61話 お祭りをしよう

「そのゲームマスターのお祭りってどういうのだったの?」


 あれから私とセルヴァさん、シャルティやワンちゃんの飲み物を入れて席について聞けば


「ふむ、我もうろ覚えなのじゃが、確か赤い三角帽子とモコモコの服を着て、トリックオアトリート!と言いながら靴下を差し出すと屋台のおじさんに食べ物がもらえたのじゃ!!」


 ふんむーと、胸を張りながら説明するシャルティ。


 混ざってる。なんだかいろいろ混ざってる。


「その靴下と言葉に何か深い意味があるのでしょうか?」


 物凄く真面目な顔をして聞くセルヴァさんに


「たぶんそこまで深い意味はないと思います」


 と、即答で答える私。


「なに!?万の神とアマテラス何とか神をタンスから引き出すための神聖な行事といっておったぞ!?」


「シャルティそれ……すごく適当だよ……」


「適当なのかっ!?」


「うん。かなり」


「なんとっ!??」


「そもそもそれ、全部私の世界の神様だけどこっちの世界って神様はいないの?」


「うぬ。一度崩壊したときに神々も消滅してしまってな。

 だからこそゲームマスターが世界を再構築し、起源の宝珠で世界の均衡を保ってるのじゃ」


「ではダルデム教の主神ダルデム様は……」


 と、セルヴァさんがおずおずと聞いてきて


「そんなものおら……」


 と、何か言いかけたシャルティの口を私は慌ててふさいだ。

 世の中言っていい事と悪い事があると思うの!?

 宗教関連で実はそんな神様いないって禁句だから!?聞いた私も悪かったけど!!


「えーっと、シャルティが知らないだけかもしれませんし、と、とりあえずその話は置いておきましょう!?」


 私が言えば、セルヴァさんがはっとして


「そ、そうですね。お祭りの話でした、脱線して申し訳ありません」


 と、微笑む。


「うぬ!?そうじゃったの!?

 お菓子は何を出店するのじゃ!?」


「綿あめとか、たこ焼きとか、チョコバナナとか、アメとか考えてます。

 あとは輪投げとか射的とかもやりたいですね」


「綿あめ!?それはなんじゃ!?」


「前回のお祭りではでなかったの?」


「うぬ!知らぬぞ!」


「こー砂糖をふわふわにしてると食べるともふもふなの、美味しいよ」


「それは凄いのじゃ!!楽しみなのじゃ!!」


「わんわんわんっ!!」


 シャルティがはしゃげば、後ろでアルもはしゃいでいる。


「とにかく、お祭りとか行事ってやっぱり楽しみのために必要だと思います!

 やってみましょう!セルヴァさん!」


 話をそらすため、勢いよくセルヴァさんの手を取り言えば


「そうですね。確かにそういった行事があると、楽しいかもしれませんね」


 と、微笑んでくれた。



□■□



「何を作っておるのじゃ?」


「綿あめ製造機だよ」


 あれから私は早速鍛冶屋のジャックさんに頼んで綿あめ製造機を作ってもらった。

 空き缶くらいの大きさのカンを、魔石を入れると回転する歯車の上部にセット。それに綿あめがとびちらないようにくるりと鉄で囲って、灼炎のクリスタルを缶の下にセットする。缶は熱せられながらくるくる回る仕組み。缶にはザラメが出ない程の大きさの穴が開けてあるのでこれで完成!!


「本当にこんなへんちくりんなので綿あめとやらができるのかの?」


「出来るよ、見ててね」


 そう言って私は魔石をセットして、回転を始めたところでザラメを投入。


 くるくる回りだすとふわふわの糸のようなものがでてくるので、絡めとる。


「おおおおお!?何やらすごいぞ!!!」


「上手くいったみたい、これ美味しいよ」


 くるくる綿あめを巻きながら言えば、後ろでみていたアルもワンワンと、私におねだりしだした。


「早くよこすのじゃー!!」


「シャルティとアルはいつも喧嘩するからまず二つできてから。

 一緒に渡すからちゃんと二個できるまで待機!」


 私がじろり見ながらいえば、シャルティとアルがしゅんとして、ベガとデルがやれやれとため息をついている。


「シャルティとアルの分ができたらベガとデルの分も作るから待っててね」


 私の言葉にベガとデルも嬉しそうにわんって吠えてくれた。

 お祭り楽しみだな。なんとか用意できそうだし、明日にはデュランさんと相談しないとね。リーチェちゃんたち喜んでくれるかな。

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