53話 職人
「うおおおお、まさか幻の錬成の業火があるじゃと!?」
鍛冶屋さんで、フライパンと鍋を頼むべく元鍛冶屋さんの御髭のジャックさんに頼めば、ダンジョンで手に入る炎も炉のかわりになると、取り出せばすごく感動された。
たしかこれは地下8階で手に入ったアイテムだったはず。
「し,しし信じられません、これを本当に自分達が使っていいのでしょうか?」
わなわなと元鍛冶職人の細身のシリウスさんも言う。
この二人は兄弟で、父の後をついで鍛冶屋さんになったらしいのだけれど、現大神官が就任してからは、鍛冶職人をやってる暇などなくダンジョンで魔石を手にれないと税金が払えなかったため廃業しちゃったとか。
でも道具はあったのでもってきてもらった。
「そんなに凄いんですか?」
私が聞けば、
「す、すごいも何も、この炎をもっているのは帝国と神殿の公認鍛冶屋だけですよ!?これで武器を創ればマジックアイテムが作れます!?」
「そうなんですか!?」
と、セルヴァさんを見れば
「はい。その炎だけで帝国に屋敷を6つくらい建てられるでしょう」
と、苦笑いを浮かべた。
「嬢ちゃん凄いぞこれ!!早速フライパンや鍋を作ろう!」
と、にっこにこで言う。
「物凄いマジック効果をつけて見せるからまっててくれ!」
と、目をきっらきらにして言うけれど。
普通のフライパンでいいんだけどな。
食べ物に毒効果が付与された!とかいうアイテムにならなければいいんだけど。
と、思いつつ私はお願いしますとアハハと笑うのだった。
□■□
「ほほほほ、本当にこの革や布、裁縫道具をもらっていいのでしょうか!?」
革職人と裁縫屋を営んでいるのレーベさんに各ダンジョンのモンスターの皮やドロップ産の布と裁縫道具を渡せば、なんだか憶えのあるリアクションをされる。
一応地下10階までで手に入った品物を渡したのだけれど、それでもこの反応とかもしかしてハンカチにしている伝説の布を渡したら卒倒されるのかも?
と、セルヴァさんを見れば、考えている事がばれたらしくて「しー」という仕草をされてしまう。
「はい、生活用品のバッグとか必要だと思いますからこれで作っていただけると嬉しいです」
「もちろんです!!うちのものや大工のジムとまずはクミ様の家の家具を完成させますので!
希望があったら言ってください!」
と、目をキラキラさせて言われてしまう。
それは凄くありがたい。建物外観はつくれたけれど家具は釜戸と水飲み場とトイレとお風呂、それと大理石風家具しかつくれなかったからとても助かる。
柔らかいソファとかに座りたい。
「それじゃあお願いします!」
私は作ってほしい家具を書いたものをわたす。
夢のソファやちゃんとしたベッドが手に入ると嬉しいな。
なんだかすごく楽しみになってきた。
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