46話 忘却
シャルティに空を連れられて、森の外を見れば……そこに居たのはなぜか獣に乗った少女と、カズヤだった。
カズヤと少女の所にまっすぐと獣たちが向かっているのだ。
このままじゃ、少女もカズヤも魔物の群れに呑まれちゃう!!
「えっ!?どういう状態!?」
「あの黒く闇に呑まれかけているのが聖獣だ!!あれが森のモンスターを集めたのじゃろう!」
「シャルティ!!なんとかあの子達を助けて!?」
「んなっ!!我も血の契約もしていないのにあんな遠くにいるのに結界を張るのは無理じゃ!?
ブレスで攻撃しようものなら巻き込んでしまうぞ!?どうする!!」
シャルティが言うけれど、このままじゃカズヤも女の子も死んじゃう。
どうしよう、確かに私を見捨てた人だけれど、死んでいいほど嫌いかというとよくわからない。
というか助けなきゃ。助ける方法を私はもっている。
「シャルティ!!全力であそこへ投げて!!」
「はぁっ!?」
シャルティがマジかという顔をする。
「指定のスキルの範囲外なの!!その方がはやいでしょ!?」
「クミ様っ!?おやめください!!」
セルヴァさんが抗議の声をあげるけれど、今は時間がない。
「えーい。わかった任せるのじゃ!!!!結界をはるからケガはしない!
着地は自分でなんとかするのじゃ!!」
言って私の言葉にシャルティが私をカズヤ達のところに全力で投げた。
結界を張ってくれているから風はこない!これならいける!!
どうか間に合って!!
カズヤと少女の側に近づいたその瞬間。私はボタンを押した。
――セーフティーフィールド(強)に変更しますか?―――
はいを選択した瞬間、少女とカズヤのいた場所が光輝き―――
どどどどんっ!!
押し寄せていた魔物達を弾き飛ばす。
「やった!!!成功!!!」
セーフティーフィールド(強)は魔物が湧かないどころか魔物が入ってくることもできない結界を張る強力なフィールド。
セルヴァさんがダンジョンで狩ってくれていたおかげでレベルが上がり、スキルの上昇とともに勝手に覚えていたスキルだ。
これでカズヤと少女に手を出せないはず!!!
結界の中で唖然とするカズヤと少女の中央に、ずどどどど!!と物凄い音をたてて私は着地する。
……ゴロゴロと転がっていたので着地といっていいのかはわからないけれど。
シャルティが結界を張ってくれていたから無傷だったけど、普通に怖い。
……うん。できればもうこの方法は二度とやりたくない。
□■□
~今日のわんこ~
『主様が先に行ったようだ!!』
先に進んでいた魔物を飛び越えてデルタが叫んだ。
前方の方には何か結界のようなものが張られ、入れないで立ち往生しているモンスター達の姿がある。
『魔物の動きが止まったぞ!!』
『ラウル無事!!きっと主様の力!よかった!!』
『ああ、はやくラウルの闇も払ってもらわねばな』
ベガがそう言い、デルタとアルも頷いた。
ラウルはデルタ達とともに森を守っていた聖獣だった。
300年の間闇にとらわれ、交流自体なくなっていたが、元々は彼らは兄弟のように育った間柄だったのである。
--ラウルの存在をも忘れていたとはな--
デルタはため息をついた。
闇にとらわれるという事は思っている以上に深刻な事らしい。
なんとか300年前の力と知識を取り戻さねば。主様のために。
デルタはモンスター達を踏み飛びながら思うのだった。
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