44話 悪寒
ずわゎぁぁぁぁぁぁぁ!!
台所でワンちゃん達とシャルティの食事を調理中、突然全身に鳥肌がたってわたしは振り返った。
「どうしたのじゃ主!?」
「や、ごめんなんだか寒気が」
言って、私があたりを見渡せば、いつもの台所で別段変わったところはない。
またキリカあたりが私の悪口を言っているのかも?本当あの子には勘弁してほしい。
「それより。アルとシャルティが好きな生チョコケーキ出来あがったよ。
魔石集め頑張ってくれたお礼」
『おおー頑張ったかいがあったのじゃー!!!』
「わんわんわんっ!!!」
「デルとベガは大好きな漫画肉ととんかつ」
「わんわんわんっ!!」
私が食事を差し出せば、みんな喜んでお皿の上の食事にかぶりついた。
あの後、みんなが頑張ってくれたおかげで、中世ヨーロッパ風の街並みが完成した。
ちゃんと城壁もあって普通に人が住めるようになっている。
家も4階建ての建物が完備されていて、中もちゃんと住める。
埃もたまらないようにしているので、特に掃除の必要もないし。
公園もちゃんとあって上下水道や市役所も完備。綺麗な花畑や並木通りもある。
みんなのおかげで魔石(大)が手に入ったので贅沢に使い放題だったので割と理想の街並みが出来た。
気分は中世の街並みを意識したテーマパーク。
「町もだいぶ出来上がってきましたね」
セルヴァさんが目を細めて言ってくれる。
「はい。もうこのまま人も住めますよ」
自分たちの家も立派なお屋敷にしたし、私の考える理想の街が出来たと思う。
「ところで……誰も住まないのにこんなに建物を作ってどうするのじゃ?」
「雰囲気だけでも街にしたいっていうか……景色を楽しまないと」
「人間は妙な事にこだわるのじゃな」
「私達街に住めないんだから気分だけでも味わいたいじゃないですか」
まぁ、夜とか無人でかえって怖くなる可能性もあるけれど……。
それでも作れるものは作ってみたいと言う欲求は抑えきれなかったというか。
「なんじゃ街に住みたいならわらわがブレスで人間を焼き殺して……」
「そういうのは駄目だよシャルティ。人間は殺したらダメだからね」
と、物騒な事を言い出すシャルティにくぎを刺した。
普段接してるとわからないけどやっぱり発想はドラゴンなんだよね。
人間の命をどうとも思ってないと言うか物騒というか。
まぁ人と接する事なんてないからいいけれど、むやみやたらに街を襲ったりしないように注意しておかなきゃ。
「わんわんわん!!」
アルが自分用の生チョコケーキを食べ終わって、今度はシャルティのチョコに手を伸ばそうとして
「何するのじゃ馬鹿犬―!!!」
と、喧嘩がはじまる。
「アル、今のはアルが悪いよ。人の分は食べちゃ駄目」
と、私が頭をぽんっと叩けばきゅいんと可愛い声を出した。
デルとベガに比べてこの二人はお子様だから手がかかるんだよね。
などと思いながらデルとベガに目を向ければ、なぜかはわからないけど珍しくデルとベガで喧嘩が始まっていた。
くっ。君ら全員子供かっ!?
誤字脱字報告&ポイント&ブックマーク本当にありがとうございました!!
ざっとではありますがほぼラストまで書けましたー!
あと細かいところを訂正したり説明不足の場所を書き足したり、盛り上がりに欠けるシーンを訂正するだけなので完結は出来ると思いますー!!
宜しければ最後までお付き合いいただけると幸いです!何卒よろしくお願いいたします!











