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37話 帰る方法

「それでは今日は地下10階制覇を目指したいと思います!」


 シャルティが仲間になった次の日。

 私はセルヴァさんとワンちゃん達がとって来てくれた防御のローブに身を包みながらドーンといった。


 あれからいろいろあったけれど、やっぱり野菜が食べたいし!

 私が言えばワンちゃん達がわんわんわんっ!と賛同してくれる。


「10階?フェンリルがいてまだ10階如き制覇していないのか?」


 とシャルティ。ワンちゃん達がちょっとむっとなる。


「ワンちゃんたちは悪くないですよ。

 私が防御力低いからなかなか進めないだけです」


 と、私が言えば


「ふふふん、どうやら我をテイムして正解だったようじゃな」


「何か対策があるの?」


 と、私が聞けば


「我なら主に結界を張るなどたやすい!

 ダンジョンの敵の攻撃如き完全防御じゃ!今日一日で全制覇も夢ではないわ!」


 と、びしっと指をさして宣言した。


「それは確かにすごいですね」


「じゃろー!」


 と、シャルティがにししとアルを見るので、


「そういう意地悪な事はしない」っとシャルティの頭をぽんっと叩く。


「二人とも仲間なんだからちゃんと仲良くしてね?」


 私が言えば、シャルティもアルもお互いまだ納得してないようなので


「仲良く出来たら美味しい美味しいチョコケーキ作ってあげます。

 チョコたっぷりのあまーいやつ」


 と、言えば二人とも「はいっ!!」「きゃん!!」といい返事をする。


 うん、ある意味気が合うよねこの二人。



 □■□



「さぁ!!久しぶりのダンジョンじゃ!!腕が鳴るのじゃ!!」


 と、シャルティが言えば、ダンジョンにて本当にシャルティの腕がほぉぉぉぉと奇妙な音を発していた。

 マジで腕がなって敵を倒している。異世界凄い。

 っていうか、マジで腕なるってどういう仕組み?

 それに結界を張っていてくれてるので進むのがかなりはやい。


 わんちゃん達も私の巻き込みを気にしなくてよくなったせいか、範囲攻撃を使いまくっていて、敵を一瞬で倒してしまっている。


 うん、こう思うと私がかなり足を引っ張っていたんだな。

 なんというか本当申し訳ない。



□■□



 あれから、シャルティが来たことで私たちはあっさり地下9階の次の階層にいくテレポートに到着する。


「とうとう地下10階ですね!野菜!野菜!くだものっ!!」


 私が嬉しくて言うと、シャルティが不思議そうな顔をして


「野菜の何が美味しいのじゃ? 単なる草ではないか」


 と、尋ねてきた。


「野菜があればお料理の幅がぐんと広がりますよ」


「ふむ、どんな物が出来るのじゃ?」


「うーん、子供が好きそうなのだとカレーとか?

 果物があればチョコと果物と生クリームたっぷりのクレープとかもいいかも」


「カレー!???あれは旨かった!!また食べる事ができるのか!?」


「え?食べた事あるんですか?」


「うむ、この世界の始祖と言われるゲームマスターが作ってくれた」


「ゲームマスター!?その人がこの世界を創ったのでしょうか?」


 思わず身を乗り出す。いや、だってやっぱりここ作ったのって日本人っぽいし。

 もしかしてスマホの人がゲームマスターだったのかな?


「ぬ?正確には崩壊した世界を再構築したと言われている」


「その人はいまどこに?」


「わからぬ。一説には元の世界に帰ったともいわれているが……」


「……つまり、クミ様が元の世界に帰る方法も存在するという事ですか?」


 シャルティの言葉にセルヴァさんが聞いてきた。

 確かに、日本人であるゲームマスターが日本に帰ったなら私も帰れるかも!?


「ぬ!?そうなるのじゃが!?

 我は知らぬぞ!?帰り方は知らぬ!里に戻ってもたぶん誰もわからぬ!

 ゲームマスターはある日忽然と消えたのじゃ!!

 我らドラゴン族も必死に探したが手掛かりすらつかめなかった!!」


「本当に?チョコレート食べられなくなるのが嫌とか言わないよね?」


 私がジト目で聞けばシャルティがこくこく頷いて


「異界の食べ物を食べたさにゴールデンドラゴンが総力をあげて探したが無理だったのじゃ!?

 当時幼児だった我が知るわけがない!」


「……そうですか」


  帰り方がわかりそうだったのに、結局わからずじまいか。

 話を聞くのに下手にドラゴンの村なんて行って、料理作ってって言われても嫌だから行きたくないしなぁ。


  ……でも。

  今の所帰りたいとも思えないし、ま、いっか。



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