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15話 癒し系

「とりあえず、やれる事は安全に住む場所の確保ですね。

 最優先は飲める生活用水の確保でいきたいと思います。

 出来ればダンジョンが見つけられればいいのですが」


 セルヴァさんがそう言って腰につるしていたモーニングスターを手に立ち上がった。


「クミ様はここに居ていただいてもよろしいでしょうか?」


「私はここで待機ですか?」


「何があるかわかりませんので。

 本来この森は人間が立ち入る事すら危ういと言われるランク3のモンスターのでる領域です。

 戦闘慣れしていないクミ様にはきついかと」


 セルヴァさんがそう言えば、ワンちゃん達がなぜか私の前にぺたりと座ってはっはっはっとセルヴァさんを見る。


「守ってくれるの?」と私が言えば「きゃん!!!」と嬉しそうに吠えてくれた。


「ワンちゃんたちダンジョンがある場所と安全に暮らせるような場所知らない?」


 元々この森に住んでるワンちゃん達に何か知らないかと私が聞いてみれば


「わんっ!!!!!」


 3匹とも物凄く嬉しそうに返事をしてくれるのだった。



□■□


~ワンコ達の会話~



『聞いたか、主様が安全なネグラとダンジョンを御所望らしいぞ』


『安全なネグラというとあそこか』


『遺跡! 遺跡! あそこならモンスター湧かない! 不思議な力で守られてる!

 ダンジョンもある!!』


『だがあそこは遺跡を守る守護者がいるぞ?』


『大丈夫!主様強い!魔族倒した!!』


『そうだ、主様は始祖のスキルがある。

 我らがお守りしつつ、スキルを使用していただければ、あの守護者とて倒せるだろう。

 そうすれば主様に恩恵がいくはずだ』


『確かに。我々では守護者に傷一つ与えられはしないが、あちらも我らに攻撃をあてるほど動きははやくない。

 主様のスキルがあれば可能だな』


『じゃあ案内する!案内する!行こう行こう!』




 □■□



「そういえばクミ様。これから二人で生活するにあたり、血の契約を結びたいのですがよろしいでしょうか?」


「血の契約?」


 ワンちゃん達に連れられて歩いている私が聞き返せば、私とセルヴァさんの前にステータス画面が現れた。


 ▽血の契約▽


 互いに倒した敵の経験値を分ける事ができる。

 また、決められた範囲内なら居場所を察知することができる

 また、決められた範囲内なら隣接していなくても補助魔法・回復薬を使用することができる。



 と、書かれている。なるほどネトゲやRPGのパーティープレイみたいなものかな。

 一緒に敵を倒すと経験値を分けるってやつ。

 この世界本当にゲームだよね。絶対何かのゲームの中にはいってると思うんだけどなぁ。

 残念ながら私はどのゲームなのか見当もつかない。


「便利ですねこれ」


「はい、ステータス画面を開いていただければわかりますが、パーティーメンバーのボタンを押せば、私の居場所を特定できます。

 範囲は限られていますが森の中なら大体わかるかと。はぐれた場合はこれをお使いください」


 く、血の契約とか名前は凝ってるのにステータス画面はパーティーメンバーとかでるのか。

 地味に手抜きな部分は製作者の意図なの?


「でも経験値ももらえてしまうみたいですけど、私は大丈夫っていうか、むしろありがたいのですけどいいんですか?」


 そう、何でも倒せるから私が強い風には見えるけれど、私の場合どうしてもステータスウィンドウを開き、スキル指定を選択し、相手をターゲットしたあとボタンの「はい」を押さなければならない。

 普段なら造作もない作業だけど、戦闘中こんな事をもたもたとやっていられる場面はそう多くないと思う。

 だから突然敵に襲われた状態だったり素早い動きの敵との実戦だとまったく役に立てる気がしない。

 というか戦える気がしない。経験値を貰えるのは私にしかメリットがないと思う。


「はい。クミ様がこのような理不尽な扱いを受けてしまったのは、私が止められなかったせいもありますから」


「セルヴァさん」


「はい?」


「よく人が良すぎて損するタイプって言われません?」


「……何故ご存じなのでしょう?それも指定のスキル効果ですか?」


 と、物凄く狼狽してる。いや、わかるよね普通。

 人が良すぎてこっちが心配になるくらい。


「内緒です」


 と、私が言えば、セルヴァさんが物凄く困った顔をした。

 やばい困り顔が可愛い。

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