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1話 プロローグ

「先輩。私先輩の事忘れません!」


 気が付けば魔法陣の上で、その魔法陣を取り囲むような恰好で大勢のファンタジーにでてくる神官のような恰好な人たちに囲まれていた。

 そしてその神官達の中央に立っていたのは会社の同僚の三輪キリカと、婚約者のカズヤだった。

 魔法陣の上でぽかんと座ってる私を見下ろす恰好で、その二人と大勢の神官がいる。

 キリカは私の部下で、よく彼女のミスをしりぬぐいさせられていたのだけれど、何故こんな事になっているのだろう?

 会社の行事でバーベキューの準備をするはずが、カズヤとキリカの浮気現場に遭遇し、「ごめん。キリカを好きになっちゃったから婚約破棄で★」と一方的にカズヤに婚約破棄されてた。

 そしていきなり変な渦に吸い込まれて、気を失って気が付いたら魔法陣の上で、上から目線でキリカに言われたのである。


「あ、あのここは? わ、忘れないってどういう事?」


 私がわけがわからなくて聞き返せば


「君は聖女召喚に間違ってついて来てしまった異分子だ。

 異界から女性を二人呼べば片方に災いが起きると聞く。

 聖女様に何かあったら困る。

 申し訳ないが――魔の森に転移してもらおう」


 と、初老のわりと美形の豪華な神官服をきた男性がそういうと、神官達が祈りだした。


「お待ちください!!

 職もスキルも何もない異世界人の彼女が魔の森などに一人放りだされれば、助かりません!?

 こちらの間違いで召喚してしまったものを、そのような文献も残っていない伝承を理由に排除は、おかしいです!

 彼女はこちらで保護すべきです!!」


 それを止めるかのように、20代後半くらいの茶髪の短い髪の整った顔立ちの神官が止めにはいる。


「お前も知っているだろう、一度に二人女性を呼べば片方に災いがふりかかる――災いがふりかかるのが聖女様だった場合問題だ。

 特にこの女はステータスを見たところ職なしだ。こちらに残しても何の益もない」


「益があるかないかではありません!人道的に問題だと言っているのです!

 彼女が聖女召喚に巻き込まれたのはこちらの落ち度です!

 それをこちらの都合で一方的に見捨てるなど!?

 せめて元の世界に戻す手立てを!」


 目の前で繰り広げられてる口論に私はただ固まって見ていた。

 本当に何がどうなっているのだろう。

 これはよくWeb小説や漫画とかでいう異世界召喚とかいうやつなのかな?

 よく電車での通勤時の暇つぶしに見ていた気がする。

 カズヤの方に視線を移せば、申し訳なさそうに視線を逸らす。

 嬉しそうにニコニコしているキリカに、申し訳なさそうにしているカズヤ。

 本当に意味がわからない。偉そうな方の神官の方が手をあげた途端。


 ザシュ


 抗議していた神官が目の前で切られた。


 ――え?


 抗議した神官の身体がそのままぐらりと私の方に倒れこみ、


 ぱぁぁぁぁっと魔法陣が光りだす。


 本当に意味が分からなくて縋るようにキリカとカズヤに目を向ければ……キリカは嬉しそうに笑っていた。


――バイバイ先輩――


 そう聞こえたような気がした。


 な、なにが一体どうなってるのぉぉぉぉぉぉぉ!???

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