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ミコと巫女研のあれこれ

10、追加魔法と音羽の登場】

 この時期でのゲーム的に大きな事件は、CHIP(ゲーム期間中に刊行されていたオフィシャル誌)の投稿記事から生まれた企画である、追加魔法であろう。


 ゲーム途中で追加された新たな魔法は、PC達を強化するのに最高の贈り物となった。加えて、これが読者であるPLの創造した物である事は特筆に値する(PLが世界設定に公式参加出来るのだかな、自由度の点から、これは素晴らしい物だと思う)。

無論、私も喜び勇んで『新魔法大募集』に投稿した一人である。既存の魔法の一覧を眺め、恐らく一番人気の無さそうな(実際、本当に人気が無かった)神道魔法の強化を中心にしてみる。


 PLから見て神道魔法の人気の低さは、他の系統に比べて地味なのと、魔法の使い勝手の悪さが原因と見た。低LVでは地味で用途以外では全く応用の利かない呪文が多く、どうしても荒事中心に進むゲームで使える術が、皆無に近い。

 これじゃPLが神道魔法に魅力を感じないのも無理は無い。


 そこらを考慮した上で、使い勝手の良さとユニークさを中心に考えてみる。派手で強力な攻撃魔法は誰もが投稿するだろうし、既存のままでも色々と出揃っているので、あったら便利そうな物を送ってみた。その数、合計十四個。

 結果として採用された二十二個(召喚獣と高等魔法含まず)の魔法の内、採用されたのは六つ。冗談みたいだが、全体の四分の一が私の投稿した物だった。


 特に力を入れたのが呪舞である。

 既存の魔法には無い効果を発揮する物として、『夢神楽』(ゆめかぐら)は魅了。『鳴神鈴』(なるかみのすず)は降魔。『榊神域』(さかきのしんいき)は結界と、それぞれ趣向を凝らしてみた。


 その舞いを目にした途端、美しさに心を奪われて何も出来なくなる『夢神楽』は、どの系統を見ても魅了魔法が皆無なので考案した物だ。神楽で相手を魅了する神道らしい魔法である。

 続いて『鳴神鈴』は魔法による幻術系や、状態変化系を打ち破る術。状態変化系、つまり魔法によって受けた石化や、麻痺だの魅了等をも打ち破れる一種のスペルイレースである。

 残念ながら『榊神域』は効果が修正されてしまった。本来、対東京結界用に考案した物で、魔に汚染された空間を結界で包んで、丸ごと浄化する魔法だったのだが、破られるまで(もしくは榊が枯れるまで)、永久だった持続時間が変更されてしまったら、余り意味持たない魔法になってしまった。


 『月読矢』(つくよみのや)はHPではなく、MPを削る精神攻撃用。これは相手を気絶させて無傷で捕らえる場合に便利だし、物理攻撃の全く効かない相手、例えば幽霊みたいな精神寄生体に対抗する為である。


 神道魔法ではないが『アクアシュート』は放水魔法。水道代わりに水を自在に出せるので消防に使うとか、シャワー代わりに浴びるとか、PLの想像次第で他にも色々と使い出があると思う。【霊】以外でどんな使われ方をしたのか、気になる所だ。


 最後の『サーモコントルール』(どんな場所でも、周囲を春の陽気で保つ魔法)は掲示版で書いた通り、キャラが何処でどんな格好をしても大丈夫な様に考案した魔法である。ミコの様にどんな時でも巫女装束と言う、ビジュアル的なポリシーを崩したくないPCは多いだろうし、空飛ぶ召喚獣や飛行魔法を用いるのに便利そうだからだ。


 余談ながら、没になった魔法には「思念波で会話をする通信術」。「領域内の植物を操る術」。「水面を門に、二点間を結ぶ跳躍術」。中には「死者を蘇生させる反魂術」とか危ない物もあった。

 不採用の水子なので詳しい説明は控えるが、神道魔法『祓魔鏡』(ふつまのかがみ)と言う魔法だけは例外としよう。名称と系統こそ違うが、私が投稿した内容と全く同じ『リフレクトミラー』と言う高等魔法が存在するからだ。

 これを入れるなら、採用された魔法は全部で七つと言う事になる。出来れば投稿通り、原型のまま採用して欲しかったと思うのだが……。


 第七回の最後で光属性召喚術がLV13に達したミコが、第三の召喚獣として召喚したのが音羽(おとわ)である。名はやはり艦船名だが、強力なので駆逐艦から軽巡洋艦に昇格している(笑)。

 より高LVのシームルグでは無く、12LVのスフィンクスなのは勿論、会話させる為である(CV/須本彩名)。


 音羽はマイナーなギリシャ系スフィンクス(ギリシア語読みだと「スピンクス」)だ。伝承では『エキドナの娘であり、獅子の身体に女性の上半身(肩から上の胸部と頭)を持ち、鳥の翼を生やしている』とされるのが、こいつを選んだ最大の理由で、要するにエジプト系には存在しない人間の両腕があるらしいのである。

 もっともギリシャスフィンクスには『獅子の肢体に女性の胸部と頭部を持ち……』と言う、前述の説の他に、翼に関しても『腕の代わりに翼がある』、『女性の背中から映えている』、『翼は獅子の背にある』から『翼なぞない!』と各説が入り乱れ、腕の有無にしても断言不能なのだが(とにかくバリエーションが多い)、認められるかどうかは別にして、音羽は腕の使えるタイプにしてみた。


 まぁ、召喚獣のリストには「スフィンクス」とだけ書いてあって、エジプトかはたまたギリシャか、具体的な説明が無かったから勝手にギリシャスフィンクスに設定したのだけど、実際、エジプト系スフィンクスがクレオパトラ風に、冠や首飾りやら豪華な装身具を身に付けた図を見掛けるが、いつもぽけ~あれって自分で付けたり外せないと、日常生活的に凄く不便じゃないかと思ったからである。

 手が使えれば身だしなみも整えられるから便利だし、袖のある衣装も着れる上、何と言っても釦を押して独力でエレベーターに乗れるのが魅力だ(笑)。

 琴を弾いたり、キーボードだって使えるぞ。


 ミコの召喚獣達は和風なので、彼女の出で立ちも十二単衣を華麗に着こなす平安朝の姫君スタイルになった。漆黒の直毛は短いクレオパトラカットでは無く、上から見たら、扇の如く広がる長さを誇る(平安朝では姫君の髪は長い程良いとされ、寝る時は髪を収める「髪箱」なる、漆塗りの戦用調度品があったと言う)。当然、一人称は「姫」。ミコの事を「御上」(おかみ)と呼ぶ。


 十二単衣を着せた訳は、長袴と袿や裳と言った後方へ引き摺る衣装のボリュームがある。これで翼を持つ、獅子の身体を上手く隠せば、一見、人間に見える様にとの配慮だ(特にちょこんとお座りしていれば)。音羽の恐ろしげな獣身を見て、一般大衆が心臓発作をでも起こされたなら、おちおち出歩けない(笑)。


 外見は十二単衣キャラと言う事で、《らいむ○戦記譚》に登場する黒○綸子をモデルにしてみたが、性格は《モルダヴ○イト》のカ○ン・メイフィールドをを手本にした。

 いつもぽけ~と眠そうな、まるで春の陽だまりの中で微笑む様な天然ぼけ少女。会話も「んー、ピカニャーはぐるぐる回るとバターになるんだよ~。でも、姫は湖底でコロコロ転がるマリモさんになりたーい。波に揺られて気持ち良さそう~」と言う、要領の得ない電波系であるが、スフィンクスだけあって知識豊富でとっても賢い。我かを詠むのもお手の物。


 音羽の登場はミコが三体同時召喚になった記念と、今までとは違った個性を出したかったに尽きる。時雨の性格はマイペースとの設定だったのだが、雪風に引き摺られる形で余裕の無いシリアス系になってしまった反省もあって、彼女との対比と言う形で出してみたのである。

 もっとも、天然ボケは世を忍ぶ仮の姿。普段は力を溜めてい置いて、いざと言う時にスイッチが切り替わると百八十度性格が変わるの設定で、頼りなさそうに見えても、本気になったら雪風を凌駕する才能の二重人格キャラであった(雪風が女武者の巴御前としたら、音羽はは白拍子のの静御前的な役割を割り振っていた)。 

 但し、登場したのが最終回直前だったせいもあって、この設定が上手く生かせず、劇中でで充分な魅力を発揮する前に割ってしまったのが、心残りである。


【11、そして】

 さて、第七回から最終回(第八回)は、流れから行けば決戦編であった。

 全ての決着を付けるべき場所は鬼哭山。巫女研究会はその山腹に決戦の陣を張った。


 だが、決戦を前にしてミコはおろか、その召喚獣である者達も現状に悩んでいた。美咲との恋に激しく揺れたミコは、保険室にて自分の正体を知る。

 遂にミコは自分の恋心をはっきりと確信した。同性愛(いや、正確には半同性愛なんだけど)ではにかった。戸惑いつつも、思い切って告白するが、やはの一筋縄では行かない物だ。


 PC的には大いに落ち込むが、PL的には「まぁ、そうだよな」と苦笑。同性だと思っていた相手に、いきなり「好きだ」と宣告されりゃ、美咲でなくとも劇中の如き反応が返ってくるに違いない。 それでも恋は盲目。理性よりも感情がさは煮立つ。その可能性が如何に低かろうが、恋人同士になれる可能性に賭けて、当事者であるミコの立場なら告発してしまうだろうと考えて、最終回に彩度、実行させてみた。

 ミコにとってこれは、鬼退治以上に重要な決戦なのだから。


 時雨はピカニャーとの別れを危惧して泣く。何故か誰も(もしかして、マスターすら?)気が付いててないみたいだったが、要石の封印水晶が爆散しての登場シーンから推察して、封印に特別製作された式神の悲劇が起きる物と予想したからである。

 悲劇はマスターの温情(?)が働いて、間一髪の所で回避されたものの、最封印の際にピカニャーが人柱的に鬼と共に眠りに就く可能性は、かなり大きかったと思う。


 そして、いよいよ最終回が訪れる。新登場の音羽を除く、ミコ達の物語に決着を付けるべき時が来たのだ。

 駄目で元々、当たって砕けろ。巫女研究会をの合宿を指揮しながら、ミコは再度、美咲に告白する決意を固める。鬼との決戦を前に自分の思いを伝えなければ、一生後悔する事になる。


 時雨は「主のパートナーに相応しくない」との雪風の言葉に迷うが、当の雪風は時雨と交流する内に、戦闘能力だけに価値があると言う、自分の信念に疑問を感じ始めていた。

 甲冑に身を固め、武器を持つヴァルキリーは戦う為に生まれて来た戦乙女である。彼女にとって戦いこそが生き甲斐であり、主の為に戦場で槍を振るう事が全てだった。

 しかし、新たな召喚獣としての音羽の登場で、ただ勇猛果敢に戦う戦乙女であり続けるのが否定された時、自分の存在とは何かを振り返って愕然とする。


 純粋にLvだけを比較すると時雨は1。雪風は9だが、音羽は12だ。データ的に主の召喚LVで下駄を履かせられるものの、LV差は強さ的に差異が出てしまう。つまり数値だけを比べるれのなら、雪風は音羽に劣るのである。

 自分から戦いを取ったら何も残らない。潰しが何も効かない。同族であるヴァルキリーの霧子曹長の意見も、杓子定規な雪風の参考とはならなかった。

 彼女は己のレゾンデートルに悩み、遂には自暴自棄となってしまう。


 こうしたキャラ達の心情と行動、手段と動機は最終アクションに全て書いた。どうなるのかはマスターのジャッジに任せた。そして結果は……そう、皆さんの知ると通りである。


 ミコはようやく美咲と恋仲となり、時雨と雪風の心の暗雲も晴れた。

 音羽は「ん~、良かったねぇ~」と蜂さんとぶんぶん戯れ、鬼は退治されて大団円(忠助との別れを除いて)を迎えたのであった。

 マスターへは『どんな風な答えを導き出すのは、貴方へ委ねます』と一任した召喚獣達の回答は、ミコの考えそのままで、満点の出来だったと言っても良い。

 ミコはパワーよりもマインドを重視していたから、パートナー召喚獣を変更する気は全く無かったし(事実、全編通じてパートナーは時雨だった)、道具としてデータ的に強い召喚獣を召喚しては、次々と使い捨てるつもりは初めから無かった。

 それどころか、嘘みたいだが、パートナー召喚獣問題はミコの与り知らぬまま。ミコ不在で進行している出来事だったのだ(笑)。


 裏話的な話をすれば、当時のミコは自分の仕事と恋愛に手一杯だった為、召喚獣の問題に気を配るロールを行ってなかった。よって、裏で時雨と雪風が色々と悩んでいたのも気が付いてなかったのだ。

 もっとも、当時者が気配り上手の時雨とプライドの高い雪風だ。忙しいミコに余計な掛けまいとして、己の苦悩を微塵も見せなかったせいもあるのだが……。

 将来的にパートナーの変更は有り得るかも知れないが、一旦、縁を結んだからには、時雨がお払い箱になる事は絶対に無い。無論、雪風や音羽も同様である。


 美咲との恋愛成就はびっくりした。PL的には成功率五割以下と踏んでいたのだ。

 尚、煌めく星空の下、露天風呂での告白は「シチュエーション的に面白い」とこちらから提案したプラン。多分、あの後、勢いで美咲と契ってしまった筈だ。

 これを受けてミコは美咲と結婚する予定だ。でも、外見は女性のままだし(巫女は天職だから辞めない)、未だ男性的なメンタリティは皆無だが、戸籍上だけ男性にして、此花家に婿入りする事になるだろう。

 将来的には魔法教師の道を選び、現在、国家試験をバスする為に勉強中。

 「うちは娘が一杯いるから、社を継ぐのはミコじゃ無くても構わないわよ。ま、いいんじゃない?」がアズサの言葉。ぽつりと「教師じゃ無くて、杜氏になって欲しかったんだけどね」と付け加えるのだが(笑)。


 さて、振り返ってみると巫女研究会は《エテルーナ魔法学園》に何か影響は残せただろうか?

 勿論、活動自体は活発で充実していたのは確かだが、まだまだ物足りない。ミコとしては依り代となって、その身に神を降ろすとか、如何にも巫女らしいシャーマン的な事がもっとやりたかった。校長先生を初めとする、先生方の指導も受けたかった(実は安藤校長の必殺技を、会得する機会を狙っていたのだが)。


 だが、とても楽しかった。

 只の巫女キャラ集団で終わらず、ゲーム的に意味のある倶楽部になりたいとの希望も達成された気がするし、巫女研が学園史に名を刻めたのも確かだ。

 ミコが恋愛と言う、思わぬ方向に向かった事。召喚獣達が道具では無く、生き生きと動き、悩み、成長して行った事。意外にもアズサがオフィシャル化した事。


 そして何より、良きPL/PC達に出会えた事が最大の収穫だろう。

 この記事では詳しく書けなかったが、海の茂野とも山の物とも判らぬ、新設の部活に快く入部してくれた巫女研部員の方々。鬼の封印に立ち向かって下さった戦士の皆様。その他【霊】で出会ったPC全てに、最大の感謝を!


 全八回の短さだが、巫女研究会を創部して良かったと思う。



<FIN>

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 作者様の病状で連載継続は無理になりましたか……。  異世界の構築、見事です。  面白く&楽しく読ませてもらいました。  続きを期待しつつ、現状では無理と理解しつつ、残念。  けれども、何時かは無理…
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