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01

「あがりまーす」


 事務所でモニターに向かい作業をしていた店長に声をかけると、画面を見つめたままの背中から「おつかれさま」と返ってきた。何やら打ちこんでいた手を一旦止めて椅子を引いてくれるが事務所と言っても所詮コンビニのバックヤードの一角、大した空間を望むべくもないが、どうにかすり抜けられる程度の隙間はできる。この体格の人間がもう一人でもいたらまったく身動きが取れなくなるだろうなと思いながら、店長のその大きな背中に一応「すいません」と言いつつ奥の更衣室とは名ばかりのスペースへと進む。


 着替えの入ったロッカーの扉を開くと、それに合わせるかのようにシャッと仕切りのカーテンの音がした。店長が閉めたのだろう。そういうところは細かいんだよなあと、座ったまま手を伸ばしてカーテンを閉める店長の姿が思い浮かび苦笑いする。ユニフォームである上着のシャツを脱ぎ、ロッカーの中に吊るしてあった私服のセーターと入れ替える。そろそろこれじゃ暑苦しくなってきたな、そう思いながら無造作に着込んだセーターの腕をまくり、ロッカーの下段に置いておいた鞄に手を伸ばしたところで店長から、そういえばと声がかかった。


「来月のシフトもいつも通りなかんじでいい?」

「はい、すいませんお願いします」


 カーテンを開け、鞄を頭の上に掲げながら店長の後ろを再びすり抜ける。店長はシフト表と表紙に手書きされた年季の入った大学ノートをめくりながら言った。


「今月は少なかったけど来月はなにかありそうかい?」

「あって欲しいところですが今のところは何とも……」

「そうかぁ……まあ代打のワタリ君がいるし、気兼ねなくそっちの方もがんばりなよ」


 自分を気遣ってくれる店長に感謝をしつつも残りの預貯金額を考えると、ここの給料だけではかなり心もとない。ワタリさんに頼んでバーに入る回数を増やしてもらうかな、とここ最近よく浮かぶ考えが頭をよぎる。だが、それをし始めてしまったら本来の目的から遠のいてしまう不安もある。深夜帯のバイトであるため生活が昼夜逆転してしまうし、なによりそれをメインにすれば生活していくのに必要十分な賃金が稼げてしまうという魅力が自分をダメにしてしまいそうな気がするのだ。それこそ第二の『ワタリ君』になりかねない。幾度となく浮かんだその考えをまた心の奥にしまい込む。


 何気なく振った話題が思いのほか相手を暗くさせてしまった、と勘違いした店長は紛らわすかのよう早口に別の他愛もない話をしはじめた。出来れば早めに帰って読んでおきたいモノがあるのだが、勘違いさせてしまった負い目も多少あり、なるべく相手を不快にさせない程度に相づちをうちつつできるだけ早めに会話を切り上げる。ただそれだけでは何か足りない気もし、狭いバックヤードの中を軽く見渡したところ、都合よく積まれた段ボールの束を見つけた。


「じゃ、上がりますね。ついでにそれも出しておきます」

「おつかれさま、と、よろしくね」


 お互い気を遣っているせいか、いつも以上に作った笑顔だったのが恥ずかしくもあり足早にバックヤードを出て店内に入る。裏口というものが存在しないので一旦店内を通過して店の出入り口を使わないとならないのだ。レジで接客をしていた深夜帯のバイトの子と目で挨拶を交わして、段ボールを抱えたまま店を出る。



 三階建てマンションの一階部分にあたる店を出て右手、店舗を回り込んだ同じく一階部分に位置する居住者用駐車スペースの奥に目的のゴミ集積所がある。


 狭い店内を通ったために崩れかけていた腕の中の段ボールを抱えなおし右を向くと、数人の人影が見えた。店の明かりを背に座り込んでいる女らしき二人と、その二人に話しかけるでもなしにじゃれあっている男二人。四人とも顔や服装の感じからすると高校を卒業したばかりの大学生か浪人生といったところか。近づいてきたこちらに気づいた女の子のうちの一人が、器用にしゃがみこんだままの姿勢で足を延ばし男の足を軽く蹴る。


「ほら、邪魔だよ」

「あ、すいません」

「ども」


 座り込んでいたもう片方の女の子がじっとこちらを見つめている事に気づかないふりをしつつ、道を譲ってくれた相変わらずじゃれあったままの二人に軽く会釈をし通り過ぎる。女の子から向けられたその目は、バーでホールの仕事をしている時にお客のお姉さま方から向けられるそれと同じものだ。悪い気はしないのだが面倒事に巻き込まれるのは嫌なので、こういうアプローチは極力見なかったことにしている。


「あれ、どこいくの」

「あーまたはじまったよ」

「またか」

「うっさい」


 くすくすと笑い声に混じった四人の会話が聞こえたのは、角を曲がろうとしている時だった。嫌な予感はするものの、走り出すのも何か変な気がして、後ろに神経を集中しつつ心持ち歩を速める。


「あの……」


 控えめな女の子の声が後ろから聞こえてきた。声のトーンからすると、漫画やラノベでよくある、良くない輩に意味もなくいちゃもんをつけられるパターンではなさそうだ。とりあえず安堵するが面倒事には変わりない。ラノベの主人公よろしく聞こえなかったふりをしてさらに歩を進める。


 だがその程度で諦める相手ではなかったようだ。駆け寄ってくる足音がすぐ横にまで迫ってきた。


「あの?!」

「?!」


 思ったよりも近い距離から女の子の声が聞こえたのと、突然足元の感覚がなくなり強烈な明かりが目に飛び込んできたのはほぼ同時だった。

どうも。FUと申します。よろしくお願いします。

読み方は「ふ」でも「えふゆー」でもどっちでもいいです。お好きな方でお呼びください。あ、「えふゆー」だと 4-letter word の Fxxk You の略だと勘違いされそうですね。「ふ」の方にしてください。「ふ」の方で。


小説なんて書くの初めてに近いので非常に稚拙なモノになっております。お目汚し大変申し訳ない。それでも読んでいただけたりしたらいいな、と思っております。

「初めてに近い」というのは過去に(かなりの昔に)一度だけネットの小説投稿サイトに出したことがあるというだけでして、それ以前も以降もモノを書くという事をほぼしていません。

その投稿もとりあえず掲載された、というだけで特に誰かからの反応をもらえもせず(そのサイトに投稿していた他の作家さん、いわゆるお仲間からの感想は頂きましたが)、まあ期待もしていなかったので、こんなもんかってな感じでしたし、その後ネトゲにハマってしまったおかげでモノを書くことへの興味が失せてしまっていました。

ただ、ネトゲをやった事で思いついた物語が出来てしまいまして、それをどうにか書きたい、ただかなり久しぶりだしちゃんとした文章にするには訓練が必要だ、と考えまして、ひとまず練習台として夜中のTVアニメを見て思いついた一ネタをもとに軽く書いてみるか、って感じで書き始めたのがコレです。


てか下手したら本文よりあとがきの方が長くなりそうなのでこの辺にしときます。

見直しも特にせずダラダラ書くとこんなひどい感じになるので、まあアレです。期待せずに今後ともよろしくお願いいたします。

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