学校に登校しました
国王様との話し合いの翌日、私は貴族学院へ向かいました。
髪の毛切ったから、と言って休む訳には行きません。
それに、もうすぐ卒業シーズンと言う事もありやらなければいけない事が溜まっているんです。
因みに生徒会長はアルス様、私は副生徒会長です。
教室に入ってきてすぐに違和感に気づきました。
いつもなら取り巻きの令嬢達がすぐに寄ってくるんですが寄って来ません。
他のクラスメイトは『誰だコイツ?』みたいな顔をしています。
もしかして認識されてない?
いやいやいや、そんな訳が無い、まるで髪が私の存在価値だと言われるみたいで……。
「あの……、その席はレイラ様のお席なんですが」
「……私、レイラですけど?」
そう言った瞬間、周りの空気が一変しました。
そして、私の存在価値があの長い髪だけ、というのが確定しました。
何度目だろうなぁ~、私の心が折れるのは。
「えっ!? レ、レイラ様なんですかっ!?」
「ど、どうされたんですかっ!? もしかしてアルス様と何かあったんですかっ!?」
「あの男爵令嬢が原因なんですねっ!? やっぱり一言言ってやらないとッ!!」
急に取り巻きの令嬢が集まって来た、たった今貴方達への信頼が0になったよ。
「……まだ、詳しくは言えませんがちょっと色々ありまして気分転換に切ったんです」
本当にまだ確定事項は無いし、私の口から言える事は無い。
出来るだけ、オブラートに包んで言ったのだが、それでも人間の想像力は凄まじい。
クラスのあちこちで色々ある事無い事を口にしている。
出来れば私の耳に入らない所で言って欲しいんですがね。
そんな騒がしさも先生が入って来た事で一旦静まった。
先生も私の姿を見て一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻したのは流石だな、と思った。
「えぇ~、授業を始める前に皆さんに伝えなければならない事があります。実は我が校で『魅了』を使って学園内で騒動を起こそうとした生徒がいました」
流石は国王様、もう結果が出たんですね。
先生の発言に一気に教室は騒ぎ始めました。
「当該の生徒は本日付けを持って退学処分となり、国の裁きを受ける事になりました。また、魅了を受けていた生徒もいる可能性もあるのでその調査が入る事になり明日から休校となります。再開する日は後日連絡いたします」
という訳で我が校は休校となりました。
ただ、この短時間で私は色んな物を失った様な気がします。