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のんびりします

 父と兄が出て行った後、私は母と二人きりで朝食を食べていた。

「今日が学校がお休みでよかったわね。行っていたら大騒ぎになっていたわ」

 母『ミレール・アルモンド』は苦笑いしながら言った。

「相談もしないでこんな行動をしてしまってすいません……」

「驚いたけど、似合っているわよ」

 やはり、母は優しい、父と兄も正直怒られる事を覚悟していたけど、私の味方になってくれるみたいで良かった。

「とりあえず美容師を呼んで整えてもらいましょう。切った髪はまだあるかしら?」

「えぇ、部屋にありますが……」

「勿体無いからカツラでも作ってもらいましょう。使うか使わないかは別にして折角伸ばしてきた髪なのだから」

 流石は母だ、私はそこまで考えられなかった。

 朝食を終えて、私は部屋へと戻って来た。

 改めて鏡で私の姿を見てみる。

「やっぱり違和感があるわね、見慣れてないからかもしれないけど……、いずれは慣れるわよね」

 初めて短い髪にしたけど、何か頭が軽くなったような気がする。

「そういえば、昔は自分の髪で転んだ事もあるわよね」

 小さい頃は、足まで伸ばしていたけど自分で踏んで転んだり誰かに踏まれたりして、母にお願いして腰まで切らせてもらった事がある。

 それ以来、長くなったら腰まで切ってもらっていたけど……、自分で切るのは初めてだったし長さがバラバラだ。

 私はベッドに飛び込んだ。

「こんなにのんびりするのも初めてかもしれないわね」

 小さい頃から登城して王妃教育を受け、学校に通うようになってからは学校が終わってから王妃教育、というスケジュールで自分の時間なんて無かった。

 午前中は部屋で本を読んでのんびり過ごして、午後は美容師が来て髪の毛を整えてもらった。

 父が帰宅したのは夕方だった。

「明日、国王に面会する時間を作ってもらった。ひょっとしたら婚約は解消になるかもしれない」

 父は凄い良い笑顔で言ってくれた。

 どんな話し合いが行われたかはわからないけど、父はキレたら例え相手が格上だろうと容赦はしない人だから国王様は涙目になっていたに違いない。

「実は学園での行動は全て報告が行っていて、例の男爵令嬢の件も知っていたようだ」

 国王様は承知済みだったんだ。

 その後、帰って来た兄も良い笑顔だった。

 王太子様をボコボコにしたらしい。


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