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私が髪の毛を切った理由

連続投稿です。

 何故、私、レイラが髪の毛をバッサリと切ったのか、それを説明するには私の立場を説明しなければならない。

 我が『アルモンド家』は『フェガリア王国』に属する公爵家です。

 そして、私はこの国の王太子である『アルス・フェガリア』様と婚約している。

 父である『オシリス・アルモンド』と国王様が親しい関係で私が生まれる前から約束していた。

 なので物心ついた頃には既に王妃教育が始まっていた。

 で、私が髪を長くしていたのは理由がある。

 この国、いやこの世界の貴族にとって髪の毛は命よりも大事な物であり、貴族令嬢にとってはステータス。

 美しく長い髪こそ貴族令嬢の条件、というのが貴族界の常識だし私も思っていた。

 だから、小さい頃から切る事も無く細かい調整ぐらいで今までやって来た。

 おかげで社交界に出れば注目の的になっている。

 しかし、私はある日アルス様の本音を聞いてしまったのだ。

 私とアルス様は貴族学院に通っているのだけど最近、転入してきたある男爵令嬢に熱を上げている、という噂を耳にした。

 その男爵令嬢の姿をチラッと見た事あるけど、茶色の髪の毛で短い子だった。

 美人と言うよりも美少女に入るくらい、私とは違うタイプだ。

 私は長年の王妃教育のせいもあって中々表情が固まっていて冷たい感じがする、自分でもそう思う。

 そして、ある日私はアルス様と友人の話を聞いてしまった。

「最近、あの男爵令嬢といつも一緒にいるじゃないか」

「あぁ、あの子といると安らぐんだよ」

「大丈夫なのか? レイラ嬢という婚約者がいるんだぞ」

「出来るならレイラよりもあの子の方が婚約したいよ。レイラは口うるさいし、何考えているかわからないし……、髪の毛の美しさだけだからね」

 私はその言葉を聞いた瞬間、心が折れた。

 泣きたかったし怒鳴りたかった。

 でも、それをやってしまったら私が本当に壊れてしまう。

 それならば、いっその事、この髪の毛を切ってしまおう、そう決意した。

 そでどうなろうが知った事ではない、髪の毛を短くしただけで評価が一変するなら私はあえて受け入れよう。

 その一件の夜に私は幼い頃から伸ばしてきた髪をナイフで切った。

 ザクザクという音共に私の心が解放されていくように感じた。

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