ソラとルナ視点です!
ソラ視点は『お茶会です!』の話の後です。
ルナ視点はルナが日頃思っていることです。
☆★ソラ視点☆★
お茶会が終わった後のことだ。リクと少しだけ話した。
「ねぇ、ソル。」
「何だ?」
「もしかして、フィーナに惚れた?」
「…いや?」
「完全に惚れてると思うよ。」
「何故そう思う?」
「さっきのお茶会であんなに笑ってたし、今まで同じ席に女性が座るなんて家族以外許さなかったでしょ。」
「確かにな。」
「ソル、君が社交界でなんて言われているか知ってる?」
「たしか『冷徹の青』だったな。」
「そうだよ。ソルがあまりにも無表情で女性に興味をまったくもってなさなさそうなのに、色々と鋭かったからつけられたんだよ?」
「そうなのか。詳しくは初めて知ったな。」
「ソル、彼女は駄目だよ。君が興味をもった珍しい人なのに平民だから。流石にソルが裏で生きるとしても、公爵家につりあわない。」
「いや…」
「?何?」
「…何でもない。」
「?まぁ、そういうことだから、諦めなよ。」
「…。」
「またね。」
「ああ。」
はぁ、ステナは辺境伯の娘だ。十分につりあう。
…ああ、月日がたつにつれステナに惚れていく。だが、ステナからしてみれば俺はただの契約者だ。だから、俺はこの気持ちを言葉に出さない。
言葉にしてしまうと、俺の抑えがきかなそうだし、ステナとの関係が壊れることが恐い…。
とりあえず、暫くはただの契約者でいよう。もし、ステナが貴族に戻るとしたらそのときから狙えば良い。
……だから、他の人に惚れないでくれ。
俺はただそれだけを切に願う。
ああ、暗部に入ったことで感情をコントロールできるようになったはずなのにな。…何で、ステナのことになるとこんなに感情が動くんだろうな?
☆★ルナ視点☆★
ここ1年でソルお兄様が笑うことが増えましたわ。特にフィーナといるときにはよく穏やかに笑います。お兄様が笑うことなんて滅多にありませんでした。
だから、私はこう思いましたわ。
完全にお兄様はフィーナに恋をしていますわ!
と。
お兄様の無表情で私はお兄様にも見てもらえない、と思っていたのにフィーナと会ってから急に表情を出し始めるってひどいですわね。
フィーナに聞いてみたんですよ。ソルお兄様の事をどう思うかって、そしたらこんな答えが返ってきました。
「ソル様ですか?う~ん、良い人です。信頼に足る人物ですね。」
…まったく、恋とは関係ない答えですわね。
関係を聞いてみると、
「それなりに親しくさせていただいていますが…。」
「そうじゃなくて!」
「…では、秘密です。」
って言って、フィーナは小さく笑った。
絶対に何かありますわ!気になりますわね。