大事なお話です!
空気が張り詰めている。何故こうなったかというと、それは公爵夫人が大事な話があると真面目な顔で言ったからだ。
「お母様、大事な話とは?」
「…ルーネ、あなたの婚約者が決まったわ。」
「婚約者…ですか?」
「ええ、この国の第一王子のジーニアス様です。」
「な!?ジーニアス様は私の事を嫌っている筈では?」
「そうなの?まぁ、政略結婚よ。我慢しなさい。」
「…分かりましたわ。」
「婚約発表を2週間後にするわ。暫くはジーニアス様がよく来られると思うわ。」
「…分かりましたわ。」
「我慢させて、ごめんなさいね。さて、ルーネ。少しフィーナに用事があるの部屋に戻ってもらって良い?他のメイドをつけるわよ?」
「良いですわ。でも、他のメイドをつけなくていいです。」
「そう。ありがとう。終わったら、お茶をしましょう?」
「ええ!…フィーナ、直ぐに帰ってきてね?」
「ええ、奥様の用事が終わったら直ぐにルナ様のもとに向かいます。」
公爵夫人を奥様と言うことにしました。奥様の前で公爵夫人と言っては余りよくないですからね。
「では、お母様、失礼します。」
ルナ様が出ていってから、数十秒たってから奥様は話始めました。
「すごいわね。あの子があんなになつくなんて。」
「そうなんですか?」
「あら?最初からそうだったの?」
「今ほどではありませんが、それなりに。」
「そうなの。なら、さらにすごいわね。」
コンコンッ!
「お母様、リクルートとソルーランです。入っても宜しいでしょうか?」
「良いわよ。」
「「失礼します。」」
とても良く似た二人が入ってきます。ただ、目の色が違い、ソラの方が銀色の目に対して、…たしかリクルート様?は明るい水色です。
「…お母様、そこの彼女はどなたでしょう?」
「彼女はルーネの専属のメイドよ。」
「フィーナ・ミトセンです。よろしくお願いいたします。」
「俺はリクルートです。ソルの兄です。お願いしますね。」
「さて、本題に入る前に、ソル。このフィーナを暗部の特別捜査員の地位を与えたいってどういうこと?」
「そのままの意味ですが。」
「了承はとれてるの?」
「俺の調査に協力する了承はとれているので、動きやすいようにと。」
「はぁ、フィーナ。暗部の特別捜査員の地位を受けてくれる?」
「今と仕事が変わらないなら。」
「変わらないよ。ただ単に動きやすくするためのものだから。」
「では、ありがたくお受けいたします。」
「フィーナ、急にごめんなさいね。ソルがこんなこと言うことがまれだから少し、考えてしまって。」
「いえいえ、大丈夫です。」
「あの、お母様とソル、少し良いですか?」
「何ですの?」
「何だ?」
「暗部の仕事をフィーナさんにやらせるの?普通の女性なのに?」
「リク、普通の女性に頼む訳がないだろう。フィーナは俺と同じくらいの暗部の技術を持っているぞ。」
「え!?そうなんですか?」
「暗部の技術を習いましたから。ただ、流石にソル様の技術よりは下ですよ。」
「へぇ、そうなんですか。」
「リク、相手を外見だけで見ないの。わかった?」
「ええ、今ので存分に。」
「なら、良いわ。さて、本題に入るとしましょう。
ルーネの婚約者が決まったわ。相手はこの国の第一王子のジーニアス様よ。」
「「な!?」」
「本当のことよ。2週間後に婚約発表をするから準備をしなさい。以上よ。」
「分かりました 。」
「 分かった。」
「フィーナ、お茶は中庭でやることにしましょう。準備を他のメイドに伝えておいてくれる?」
「かしこまりました。では、失礼します。」
廊下に出るとソラが話しかけてきました。
「ここでも、お茶会をするのか?」
「ええ。いつものようにソル様もご参加ください。」
「ああ、行くつもりだ。」
「えっと、ソル?フィーナさん?」
「さんは無しで結構ですよ。…いつも、お茶を一緒にしているのです。リクルート様もご参加しますか?」
「うん。参加したいな。あと、リクで良いよ。」
「分かりました、準備をしておきます。リク様と呼ばせていただきます。お二人とも約四十五分ほどあとに中庭にお越しください。」