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魔術師の城の王女(7)
古城の反対側にあるもう一つの扉が開いて、大きな盾を背負った小太りの男と数人の兵士が出てきた。
「モンスターはどこじゃ! 戦況はどうなっておる!」
野太い声で戦っていた兵士を呼び寄せた。兵士は急いでギムトスの元へ走ってくると、状況を報告した。
「ギムトス様! 見た目が人間のようなモンスターです! 魔法を使いますのでご注意を」
「なんと! 魔法を使うモンスターじゃと! それも人間」
話をしているギムトスの横からローブを着た小柄な女性が風のように駆け抜けた。
「……(新手ね。あれは魔法ではないわ。魔法なら少なくとも詠唱時間が必要だから)」
レムは花が植えられている中庭の中央付近まで走っていった。
「守りなさい、ヤマアラシ!」
そう言うと、黄色い花が咲いている場所へ杖を挿して、俯きながら目を瞑って詠唱を始めた。
「お嬢様!」
ギムトスは急いでレムの前まで走ると、大盾を構えて腰をかがめてフロントガードの体勢に入った。