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魔術師の城の王女(20)
古城の上空に薄っすらと何かが現れ、月明りを遮り、辺りは暗闇へと変わった。まだはっきりと姿は見えないが、何とも言えない重い威圧感のある空気が流れだし、緊迫した違和感を発する者がそこに存在する事を中庭にいる全員が感じた。夜空には、ボロボロになった漆黒のローブに朽ちかけた骸骨、右手には大鎌を携えた全身百メートル以上もある化け物が浮いている。それは白い竜よりも倍以上の大きさだった。
白い竜はゆっくりと見上げると、自分よりも大きな化け物を睨んだ。
「ン……(!!!)」
ギムトスも真上にいるその存在に気づき、思わず声を上げた。
「こ、これはまさか……」
骸骨の左目奥に赤色に鋭い光が煌めいた。すると、漆黒のローブの左袖から白い竜に向かって無数の大きな黒い鎖が放たれた。見る見るうちに白い竜が黒い鎖で縛られていき、数秒で全身に硬く結びついた。白い竜が暴れようとしても鎖によって身動きが全く取れない。
「ン……(ヤバいな……。これでは確実に……。死ぬ)」
骸骨の化け物は大鎌を構えて、歯をカタカタと鳴らしながら不気味に微笑んだ。




