12/23
魔術師の城の王女(12)
「ン……(ウサギは回復か? それに二体同時召喚をするとはな。左右の手で別々の召喚をしているのだろう)」
少年は目の前のゴーレムを睨み付けた。
水石ゴーレムは大きな岩の右コブシを少年へと振り下ろした。少年は両手を合わせて竜の前足へと形を変化させ、水石ゴーレムのコブシを受け止めた。
お互い力の強さは互角なのか、そのままの状態で睨み合いが続いた。水石ゴーレムは続いて、左コブシも少年へと振り下ろした。少年は両手を外してバックジャンプでそのコブシを回避した。
「回避した! ぬぬぬぬぬ。お嬢様、何となく正体が見えてきましたぞ。まだ推察の域ですが、彼奴は身体の一部しか変化できないとみえる。しかもドラゴンの一部にのみ。今までの傾向からそれは“フレイムドラゴン”の一部ですじゃ」
「……(確かに水石ゴーレムの左コブシを、身体の他を竜の前足に変形させて受ける選択もあったはず。それなのにしないという事は……)」
レムはまだ詠唱を続けている。




