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大力大兵太兵衛どん  作者: 不覚庵
2/13

さてこそ無駄にデカいだけあって。

気が向いたから徒然書いた。


方向性は気の向くまま

まぁ、目立つ。


そりゃあヲッさんのタッパは6尺4寸


広ぇお江戸にゃそりゃまヲッさんよりもデケェのが全く居ないかと言われたら流石にチラホラ居ない事も無いが


なんせお江戸の世の大の男は大体5尺5寸もあればまずは尋常、ややもすればやや背高か、といった次第で


そんな往来をヲッさんがノソノソ歩いてたらまぁ目立つ。


時にヲッさんに何処からか


「太兵衛さん仕事はどうでぇ!」


ヲッさん振り向くと自分の目線より一尺低い何処から良く通る張りのある声で更に続いて


「なんデェ今日も無腰かい?てこたぁ玉切りか、穴っぽりか?一応お武家なんだから虚仮威しでも竹光くらいは下げとけよ!」


ヲッさん眉を寄せて困った顔して


「ホンッとアンタ毎日ヤットウの稽古は休まねぇのに嫌っそーな顔するよなぁ。」


嫌なのは確かだが別に大小持ってない訳ではない。仕事場がたまに用心棒だったり中間だったり必要があれば腰に差す。


「まぁでもアンタみてぇなデケェのに早々喧嘩売る馬鹿もそうは…いんの?」


ヲッさん曰く

武張った事は好きじゃあないのだが、どうしても悪目立ちしてしまい

江戸に来て今でも時々町の喧嘩自慢だの酔っ払いだのに時々絡まれてはフンづかまえてブン投げて、をやらざるを得なくなる事があるのだ。


喧嘩自慢ぐらいならまだかわいいモンで中には腕に覚えアリってのがごくたまーに絡んでくるのが困りモノ。


流石にそういう奴には三十六計なんとやらを決め込むなり"なんなり"しなきゃあならなくなる。


別に今は(・・)主家持ちでもないし武士は食わねどなんて面子商売なんぞ喰えないんだから張る気もない。


日が落ちたらサッサと蒲団被って寝ちまうからこの所そういった迷惑な事はそうもないのだけれども。


「しっかしよう、太兵衛さんそれなりにヤットウの方も使うんだろうに弱気なこった。」


曰く、ワシなど人様より多少身丈があるだけでそっちの方の腕はさ程でもなく、ただガタイに見合った腕力ばかりがこの身を助く、って加減での。


腕に覚えで仕官先を、なんて連中からしたらみられたモンじゃないだろう。


「そうかぁ?俺っちコレでも切り紙くらいは貰ってるが正直何度か稽古場で俺のことぶっ飛ばしてるだろが」


そりゃあおまえさんより切り紙免状何枚か(・・・)ばかし多いだけで腕前そのものはそろそろおまえさんにゃ敵わないよ。


で、だ。


太く、地響きするようや胴間声だけが往来に響く


「次郎の親分、ワシが大小刺さなきゃならんような仕事で来たのかい?」


「大小何処か、あの大段平が要るやも知れねぇ面倒が、な」


ヲッさん、天を仰いで呟く


「アレはお江戸の世にゃあ、無用じゃろうに。虚仮威しにしてもワシが言うのも何だが趣味が悪い」


「それが虚仮威しに収まらないから頼んでるのですよ、先生・・


はぁ。


「話は?」

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