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【番外編】日野宮あかる、世界を釣る 〜アオリイカ編〜

お待たせしました!番外編です!

気合入れすぎて時間かかりました(笑)



 俺の名前は権田原ごんだわら 魚之進うおのしん。自他共に認めるセミプロシーバスアングラーだ。


 ……とはいえ、最近は釣り熱も少し冷めてきている。というのも、今の俺は大海を泳ぐ【回遊魚】ではなく、いけすで飼われる【養殖魚】になってしまったのだから。

 養殖魚……これは俺たち釣り人の隠語だ。それはすなわち「彼女持ちの存在」という意味だ。

(【注】釣り人たちの間にそんな意味不明な隠語はありません)


 サヨリちゃんという彼女が出来てから、俺もずいぶん変わっちまった。なにせ『シーバス漁獲高一トンを超える男』と言われた俺が、釣りよりも彼女とのデートを優先するようになっちまったんだからな。

 だいたいさー、サヨリちゃんは厳しすぎるんだよ。そもそも釣りがきっかけで付き合いだしたってのにさ、俺が釣りに行くのも良い顔しないし……。

 いったいなんなんだよ、女って生き物は。シーバスの生態の方がまだわかりやすいってなもんだぞ? あいつら捕食の本能しかねーからな。


 ……とはいえこの立場も悪いもんじゃない。なにせこれまで飢えまくってた俺に、彼女のサヨリちゃんはエサを与えてくれるのだから。


 こうして俺は、愛という名の甘ったるいエサを目の前にぶら下げられた状態で、束縛という名の水槽の中でヌクヌクと……大して変化のない日々を過ごしてたんだ。





 ◇◇◇




「あー、海って気持ちいいね!」

「……そうだね」


 今日はサヨリちゃんのリクエストで海までデートに来ていた。場所はちょっとした岬になった場所にある長い防波堤。

 だけど、俺の手に武器ロッドはない。「せっかくのデートなのに釣りをするの?」と言われたら、愛機を置いて行かざるを得なかったのだ。


 春の海はまだまだ吹き付ける潮風も冷たく、思わず身震いしてしまうほどだ。だが俺の体は別の意味で身震いしていた。

 ……その理由は、目の前の光景にあった。


 チラホラと見える釣り師アングラーたちの姿。ときおりシャクリ上げながら竿を振る様子。そう、この防波堤は釣りのポイントとして有名な場所スポットなのだ!

 だってさ、海を見たいって言われて俺が思いつく場所なんて、釣りのポイントしか無いよな? でもさ、せっかくの好ポイントなのに竿も無しでいることがこんなにも辛いとは思わなかった。だってこんなの蛇の生殺しじゃないか!


 あぁ、あそこで小まめにロッドを振っているやつはたぶんエギングをやってるんだな。そういやここはアオリイカの好ポイントだったよな。あ、ちなみにエギングってのは、エギっていうエビを模した疑似餌を使ってイカを釣る釣り方だ。簡単そうに見えてこれがなかなか奥深くて、興味をそそる釣法なんだよなー。


 ……そんな知識を思い出しては、ため息が溢れる。


 なにせ、これほどの好フィールドを前にして竿もルアーもエギも持たない俺は、丸腰で戦場に立つ農民みたいなもんだ。戦場において知識なんてクソの役にも立ちやしない。撃たれて死ぬ……いや、釣ることもできずにボウズで帰るだけだ。


 あー、釣りてー。

 イカ釣りてー。


 アオリイカ、食ったら美味いんだよなぁ。

 なにせあいつは『イカの王様』って言われるほどの美味なのだ。特に春のアオリはサイズがデカイ。2〜3キロもあって顔の大きさほどもあるビッグサイズのものが釣れたりするのだ。

 釣り欲と食欲という2大欲求を満たすことができる、アングラーにとっては垂涎のシーズンと言えた。


 そんな時期にそんな場所で俺は、サヨリちゃんとデートをしていた。

 魚が恋人の諸君、どうだぁ? 羨ましいだろー? 彼女連れて丸腰で釣り場を歩くこの俺のことが!


 ……だけど、俺の心が優越感に満たされることはなかった。

 なんだろうこの胸の奥にぽっかりと穴が空いてしまったかのような感覚は。満たされているはずなのに、満たされていない。

 まるで虚ろな生き霊のように、防波堤をサヨリちゃんと彷徨い歩く俺。


 --そんな俺の腕を、ふいにサヨリちゃんがふいにくいくいっと引っ張ってきた。




 ◇◇◇




「ねぇねぇ、あれ何かの撮影かな?」


 サヨリちゃんに促されて指差す方向……すなわち防波堤の先端部分に視線を向けると、なにやら人だかりが出来ていた。いかにも釣り人ではない人たちの姿もたくさん見える。準備している機材などから、どうやらテレビの撮影をしているようだ。


「ほぉー、テレビの撮影みたいだね」

「そうだよね、釣り番組の撮影かな?」


 エギングのベストシーズンに、イカ釣りで有名な防波堤。たしかに釣り番組の撮影が入っていてもおかしくはない。おそらくどこかのテレビ局か衛星放送なんかの釣り番組なのだろう。


「あれー、なんか若い女の子の姿が見えるよ? 見に行ってみよっか」

「……うん、そうだね」


 こう言ってはなんだが、釣りは比較的マイナースポーツだ。そんな番組に出演してくれる女優さんは、申し訳ないけどやっぱりマイナーだったりする。

 俺の中では超有名な存在である釣りアイドルのことを友人に話したら、全く知らなかったなんてことはままあることだ。たまーに有名なお笑い芸人なんかが出てくれると、安いギャラだろうによく出てくれたなぁと思ったもんだ。

 そんなわけだから、残念ながら来てる若い女の子も、まだまだ無名な子なんだと思われる。それでも根っからのミーハーな俺は、サヨリちゃんに手を引かれて人混みの中へと突っ込んでいったんだ。


「今日のゲストは、なんとなんと……現在人気沸騰中のアイドルユニット、『アカレーナ』のレーナちゃんとアカルちゃんでーす! こんにちわー!」

「「こんにちわー」」

「いやー、お二人みたいな若くて可愛い子が来てくれるとは思ってなかったよー。おじさん嬉しいねぇ!」

「……それはアカルに言ってください。彼女からの熱烈なオファーだったんです」


 ほっほー、どうやらここに来ているのは『アカレーナ』という名のアイドルユニットのようだ。残念ながら俺はあまりテレビも見ないし音楽も聞かないから知らないけどな。


「ねぇねぇギョッピー! あの二人『アカレーナ』のレーナとアカルよ!」

「へー、そうなんだサヨたん。すごいねー!」


 適当に相づちを打ったものの、残念ながらあまりテレビを見ない俺にはいまいちピンと来ない。とりあえずどんな人気なのか聞いてみることにする。

 あ、ちなみにギョッピーってのはサヨリちゃんの俺に対する呼び名だ。突っ込みたい気持ちは分かるが、深くは追求しないでくれ。


「えーっ⁉︎ ギョッピーしらないの⁉︎ 【アカレーナ】っていったら今話題沸騰でオリコンチャート首位を爆走独走疾走中の超人気アイドルユニットだよ!」

「あ、そ、そうなんだ。すごいねぇ……」

「すごいなんてもんじゃないわよ! うわー、本物のレーナとアカルだ、ちょー可愛い! 天使みたいっ! すっごーい!」


 興奮冷めやらぬサヨリちゃんの話によると、元々高校の同級生だったんだけど別々に芸能活動をしていた二人が、なにやら伝説的な何かがあって、つい最近結成したばかりのアイドルユニットらしい。

 高校の同級生ねぇ、まー新しい売り文句かなんかなんだろう。


「うわー、あの二人に会えるなんて幸せ! 海に来てよかったね!」

「そ、そうだね……」


 ってなわけで、目の色が変わってしまったサヨリちゃんに従う形で、俺は『アカレーナ』なるアイドルユニットの撮影&釣りの様子を観察することになったんだ。




 ◇◇◇




 挨拶らしき部分の撮影が終わると、次に彼女らは釣りの準備を始める。仕掛けの様子を見ていると、どうやら彼女たちはエギングをするようだ。そりゃそうだろう。アオリイカには絶好のシーズンであり場所なのだから。

 ただレーナという子の方は初めて釣りをするようで、竿の扱いにもかなり苦戦しているみたいだった。そりゃそうだろう。素人がいきなり手を出すにはエギングはハードルが高すぎる気がする。


 普通こういうときはサビキ釣りとかみたいな簡単な釣りをするもんなんだけどなぁ。

 そんなことを考えていた俺の思惑を撃ち壊すかのように、びゅぅんっという風を切り裂くような音が耳に飛び込んでくる。

 慌てて音がした方に視線を向けると、そこにはエギングロッドを片手にキャスト準備を整えた女性--もう一人のアイドルの子の姿があった。



 ……かつて剣豪は、相手の剣の構えを見ただけでその力量を察したという。それは、マジモンの釣り師アングラーたちにも言えた。


 --本物には、本物がわかる。


 その立ち居振る舞い、放つオーラ。

 俺にはわかる。彼女は初心者しろうとなんかじゃない。それどころか……相当な腕の持ち主だ。


「アカルちゃん、もう準備できたのかな?」

「ええ」


 サポート役の人の質問に対してサングラス越しにニヤッと笑いかけると、アカルと呼ばれたアイドルの少女は予備動作も無く一息でエギをキャストした。


 --そして、ここから彼女の独断場となる。


 ふひゅん。

 竿が理想的な曲線を描くと、そのまま貯めたエネルギーを一気に爆発させる。解き放たれたエギは、まるでオレンジ色の弾丸のように凄まじい勢いで飛んでいく。

 だがそれだけの勢いで放たれたはずなエギは、一切の音や波紋を立てることなく、海に着水した。


 呆気にとられる俺たちの前で、アイドルの少女はラインの余りをサッと巻き取ると、そのまま微動だにせず直立不動してカウントダウンをし始めた。


 ……なんという見事なキャスト、そして美しい立ち居振る舞い。非の打ち所がない一連の動作に言葉も出ない。


 そのまま待つこと十数秒。彼女は流れるような動作でロッドを二、三度シャクった。

 シャクっては巻き、静止。シャクっては巻き、静止。これこそが、エギングの釣り方だ。

 まるで機械のように一定のリズムで、何度もそんな動きを繰り返すアカルと呼ばれるアイドルの少女。


 あまりにも鮮やかなエギングの様子に、呆気にとられたり見惚れたりしているスタッフやカメラマンたち。だがそれは俺たち観衆も同様だった。

 なにせ、スタイル抜群の美少女が、この場にいる誰よりもあざやかな手さばきでキャストを繰り返しているのだから。

 かくいう俺でさえ、これほどのスキルを持ち合わせているとは言い難い。すごい、こいつはすげーやつだ。


 ぎゃうん。

 ふいに、彼女のリールから鋭いドラグ音が響き渡る。

 どうやら彼女のエギにアオリイカがヒットしたようだ。だが彼女は特に表情も変えず、ギリギリとリールを巻き上げていく。


 ……上がってきたのは、少し小ぶりのアオリイカだった。

 慣れた手つきでひょいっとイカを竿ごと持ち上げピックアップすると、テレビカメラに向かってニカッと微笑む。


「アオリイカ、ゲットしたよーっ!」


 な、なんて可愛らしい声!

 その場にいる一同がそう思ったはずだろう。


 そのまま彼女は慣れた手つきでイカからフックを外して海へリリースする。わずかな迷いすら感じない動きに、アカルというこのアイドルが本物アングラーであることを確信する。


 間違いない。この子は知っている・・・・・

 でなければ、小ぶりなイカを迷わすキャッチアンドリリースなどできないだろう。

 ……ちなみにキャッチアンドリリースとは、釣ってしまったまだ小さい魚などをそのまま逃す行為のことだ。釣り人のマナーとして当然のように定着している暗黙のルール。

 それすら知る彼女は、もはや素人とは言えない。


 すごい、すごいぞこの子は。俺は興奮する気持ちを抑えられずにいた。

 これまでも、釣りアイドルはテレビなんかで何人も見てきた。だけど彼女たちは一様に「きゃー釣り始めてー!」みたいな感じで、視聴者オヤジどもに媚を売っているだけのように感じていた。


 だけど彼女は違う。

 彼女は、徹底的に鍛え上げられた本物の戦士アングラーだ。




 最初のアオリイカをリリースしたあとも、彼女は黙々と釣りを続けていた。ときおりリズムを変えたりしながら、様々なアプローチでアオリイカを誘っていく。

 それにしても、実に堂に入った釣り姿だ。感心して見惚れてしまう。気がつくと横のサヨリちゃんでさえ、彼女の釣り姿に見入っていた。


 さすがの俺も、これほどに釣りができる女の子をそうは知らない。

 思い浮かぶのは、一人の少女--去年出会った『釣りの女神』くらいだ。


 ……いや、待てよ。

 世の中に釣りができる美少女がそんなにホイホイと存在しているのか? バカな、そんなわけがない。

 そう思って改めて見てみると、あのモデルみたいにスラリと均整の取れた背格好が……例の女神にすごく似ているような気がする。

 それに、かなりメイクはしているものの、あの顔立ちは……ま、まさか……。



 ぎゃうぅんっ!

 そのとき、俺の思考を打ち切るかのように鋭いドラグ音が、激しく鼓膜を打ち付けた。


 そのまま彼女のドラグは『ぎゅうぅぅうん!』と鈍い音を立てながら、すごい勢いでラインを吐き出していく。

 でかい! そう直感できるほどの激しい引きに一気に皆の間に緊張が走る。


 それでも彼女は、動じない。

 落ち着いた様子で竿ロッドを操り、ゆっくりとイカを引き寄せていく。その姿に、俺は天使を見た。なぜなら、太陽の光がまるで彼女の背中に天使の羽のような輝きを映し出したから。



 しばらくして上がってきたのは、とてつもなく大きなアオリイカだった。軽く俺の顔よりもでかいサイズだろう。

 スタッフが大慌てでタモを出してすくい上げると、軽く二キロオーバー、下手したら三キロはあろうかというデカいアオリイカがジタバタとタモの中で暴れていた。


「やったー! レーナ、見て見て! すごいの釣れたよ!」


 サングラスを取りながら、パートナーの美少女に笑みを見せる彼女。一方、レーナと呼ばれた子の方はエイリアンみたいな巨大イカにドン引きして他のスタッフの後ろに隠れている。


 サングラスを取った彼女の素顔を確認した瞬間、俺の背筋に電撃が走った。

 なぜなら彼女は、間違いなく……例の『釣りの女神』だったのだから。




 ◇◇◇




 釣りの女神は、現役アイドルだった。

 迷わずイカを掴んだまま記念撮影をしている彼女--アカルの姿を、俺は呆然としたまま見つめていた。


 そりゃ可愛いはずだよ。だってあの子、アイドルだったんだからさ。

 それにしても高校生かそこらのアイドルが、歴戦の勇者プロアングラーのようなオーラを出していたということに激しい衝撃を覚える。

 ウォォォォ。もしかしたら俺はすげー場面に立ち会ってるのかもしれないな。″伝説的な釣りアイドル誕生の瞬間″という、歴史的な場面に。


 だが同時に湧き上がってくるのは、強烈なまでの無力感。


 そのような場面に立ち会っているというのに……なぜ俺は、手に武器ロッドを持っていない?

 なぜ俺は、素手で戦場フィールドに立っている?

 なぜ俺は、目の前に釣りの女神ジャンヌダルクがいるのに、共に|戦おう(釣ろう)としない?


 ハッとして、横のサヨリちゃんを見る。

 いやいや、違う。そうじゃない。

 今の俺には守るべき存在ひとがいる。簡単に命を散らす戦場に出ていい立場じゃないんだ。


 だが俺は、気がつくと歯を食いしばり、手を強く握りしめていた。あまりにも向こうが眩しすぎで、気がつくと俯き、下を向いていた。


 ……くやしい。

 俺はとてつもなくくやしいぞ!

 なぜ俺は、ここで立ち上がることが出来ないんだっ!

 俺は、この状況で呆然と立ち尽くすために、これまで|釣りして(戦って)きたわけじゃないってのに!



 ……そのとき、俺は自分の前に人が立っている気配を感じた。

 ハッとして顔を上げると、そこには……『釣りの女神』が立っていた。


 な、なぜ彼女が俺の目の前に⁉︎

 慌てる俺を尻目に、女神は微笑みかけてくる。


「やぁ、今日は釣りしないのかい? こんなにも最高なフィールドなのにさ」


 なっ、なんだとっ⁉︎

 女神が、俺のことを……覚えて……い……た、だと?

 動揺を隠しきれないまま、俺は陸に上がった魚のような息苦しさを覚えたまま、なんとか返事を返す。


「い、いや……道具を忘れちまって」

「なんだ、そうなんだ。せっかくのフィールドなのにもったいない。よかったら余ってる道具を貸そうか?」

「えっ?」


 女神の手から差し出される、エギング用のロッド。

 目の前に出された聖剣ロッドを前にして、俺は……言葉を失ってしまう。


 震える手を、動かそうとする。

 だけど、自分の思い通りに動かない。


 --気がつくと、俺の右手は。

 --女神の差し出すロッドを受け取っていたんだ。


 ずしりと、手に伝わってくる感触。

 その瞬間、俺は一つの真実を悟る。


 そうか! 俺は……自然を生きる天然魚なんだっ!

 この感覚、この匂い!

 こここそが、俺がいるべき真のフィールドなのだっ!


「あはっ!」


 気がつくと俺は、笑い声を上げながらエギをキャストしていた。

 そこに、恥も体裁も無い。あるのはただ純粋にある『闘争心つりたい』って気持ちのみ。


「あはははっ!」


 --勢いよく飛んでいくエギ。

 --シャクリながら誘いをかけるアクション。

 --やがて……手に伝わる、確かなイカの当たりバイト


 あぁ、俺は生きている!

 確かに俺は、この大海原の前で、しっかりと生きてるんだぁっ!


「やるじゃん! 私も負けないよっ!」


 俺が釣り上げたアオリイカを見て、女神が微笑みかけながらキャストを繰り返しているを


 くくく、そうでなくっちゃな!

 俺たちの戦いは、まだこれからなんだからっ!


 俺は、女神に対して親指を立てて合図を送る。

 すると女神はニヤリと笑いながら、親指を立てて返してくる。


 さぁ、戦友ともよ。共に戦おう!

 この果てなき戦場フィールドで!


 そしてともに目指そうではないか!

  誇り高き釣り天国ヴァルハラをっ!





 ◆◆◆




 高笑いをしながら釣りをする魚之進とアカル。

 そんな二人を遠巻きにしながら眺める二人の女性の姿があった。

 --レーナと、サヨリちゃんである。


 大きなため息を吐きながら、レーナが横のサヨリちゃんに語りかける。


「……ほんっと、男ってバカよねぇ」

「そ、そうですね。……って彼女、男なんですか⁈」

「んー、アカルの中身は男みたいなもんよ」


 そういうとレーナは頭をポリポリとかくと、「あーあ、これじゃ撮影が台無しじゃない」とぼやきながら、呆気にとられて遠巻きに眺めるディレクターたちに話しかけにいくのだった。



これで彼は幸せになれた…のかな?( ´∀`)


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