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17話:大会ってなんかワクワクするよね?

「で、結局出場するのは俺、水橋、志摩さんの3人だな?」



場所はファンタジーらしく宿屋。


しかしイリエには感謝してるよ、ほんと。


今までの代金全て払ってくれてるんだから。


「あれ?

しずくちゃんはでないの?」


たしかにな。

それは気になる。



「私の戦い方はこういった舞台には向かないからな。

暗殺は暗くひっそりとするからな」



「「……」」



怖えぇ。



「まぁ、とりあえず、だ。

なんか大会には150人近く参加するらしいからな。

油断は出来ないぞ」


「頑張ってね!

北っくん」



姫が言う。



で、それを見てものすごい目をして稲葉を見ている水橋。



「……がんばれ」



お? 珍しく素直。



「うん!!

がんばる!!!」



……張り切りすぎだろ。



「大会は明後日らしいからな。

それまでは自由行動だ」



とりあえずその日俺達は寝た。












「わぁ! すごぉい!」



姫が市場を見て騒ぐ。


大会を明日に控え俺達は買い物……の下調べに来ている。



「ねぇ、北っくん!これ買って!」



……



「金無いってだから」



「もうすぐ入るんでしょ?」



「お前俺が勝つ 前提で話してるな」


「うん!」



ったく……



「お〜お〜。

いちゃついちゃって。そういう奴に限ってすぐに負けて帰るんだよ」



あ〜、めんどくさいのに絡まれたな。


絡んできたのは見るからに雑魚っぽい男。


まぁ無視だな。



「いっちょまえに無視るのか?」



うっとうしいな。



「姫、行くぞ」



姫の手をとりその場を離れる。



「お? 逃げるのか? 臆病者め」



スタスタスタスタ



「お〜い! 待てよ!」



スタスタスタスタ



「ぉ〜ぃ」



ふぅ。



「北っくん、良かったの? あの人無視して……」



「気にするな」


相手にするだけ無駄だ。



「……そだね!

でさ。北っくんこれは……」



あらためて見回すと本当に大会前っていう感じがするな。



それなりに武道の心得がありそうなやつらがポロポロと。



……すいません。

嘘です。武道の心得があるとか分かりません。


武器を背負っているのを見たからです。


「北っくん聞いてる!?」



「あ、悪い悪い」



「もう!」



頬を膨らませる姫。


「悪かったって。

で、何?」



「これ、欲しい!

絶対買って!」



指の先にはシ ンプルな意匠のネックレス。



「へぇ、お前こんなもんつけんのか」



「うん!」



ニッコリと微笑む姫。



……………………



はっ!

やばいちょっと見とれてた。



でも、まぁ頑張って勝たないとな。


姫との約束を果たすためにも。










「ハァ……」



大会は明日なようデス。



しかし相も変わらずやる気も起きまセン。


そんな時にノックの音がシマス。



「良平。少しいいか?」



声の主は志摩先生のようデスネ。



「どうぞ」



扉を開けて入ってくる志摩先生。



「なんですカ?」



「……」



沈黙する志摩先生。


「なんですカ?」



もう一度聞きマス。


「貴様、逃げてばかりでいいのか?」



「言葉の意味がわかりませんガ……」



「考えろ。それだけだ」



そういって志摩先生は部屋を出ていきマシタ。



……………………



ドサッとベッドに身を投げマス。



わかっていマス。



志摩先生の言葉の意味……



私はたしかに逃げてイマス。



戦うことも、自分からも……



「どうすればいいんデスカ?」



口に出して言ってみマス。



…………………



もちろん答えはかえってきまセン。



私はそのまま深い眠りにつきました。






















おぉ!



右向け右、人!

左向け左、人!

上向け上、空!

下向け下、地面!



……まぁ最後の2つはどうでもいいんだが……



とりあえずすごい人だ。



「おぉい! 生島ァ」



ちょっと離れたところで志摩さんが呼んでる。

みんないるようだ。


……あれ?



「志摩さん、姫は?」



たしか志摩さんと一緒だったはず……



「ん? まぁ……な。そんなことより準備はいいか?」



はぐらかされたようだがとりあえず興奮しているためあまり気にならなかった。


まぁ、どっかにいるだろ。



「開会式を行うらしい。稲葉、良平、イリエの3人はもう観客席に行った方がいいだろう」



「はい」



志摩さんに促され観客席に行く3人。



「さて、いざ出陣じゃあ!!」



………俺つっこみ拒否していいですか?







「え〜、これより第112回武道家大会を開催致します」



重役っぽい人が始まりの挨拶をする。



続いて渋い人がルール説明をする。

隣に布で覆われた檻みたいなのが置いてある。



「ルールは簡単!

予選から1対1での戦闘を行い、相手にまいったを言わせるか、気絶させるかしたら勝ちだ。

決勝トーナメントは予選で勝ち抜いた16人が同様のルールで戦ってもらいます。

さらにそれを勝ち抜いた人には賞金1120G!!

そして副賞としてこちら!」



バッと布を取り去ると中には檻に入れられた姫が。


会場におお、と歓声があがる。



……は?



「はぁぁぁぁぁ!!?」



思わず大声をあげて注目を浴びるがそんなの関係ない。



どうして姫が?


姫は檻の中でスヤスヤと寝ている。



……副賞ってことは勝った奴が姫を手に入れるんだよな?



……絶対勝たねぇと。



「では、これより予選を行います。

選手のみなさんは会場へ移動してください」










予選の組み合わせを見る限り志摩さんや水橋と当たることはないようだ。



とりあえず勝たねぇと。


何がなんでも……



「次! 67番! 68番! リングに上がって下さい」



俺の番号だ。



相手なんか関係ない。



「おお? てめぇは昨日の……

そうか。商品はお前が昨日連れていた奴だな」



……………………



俺は相手が何か言っているのを聞かずに近付き裏拳を放つ。

完全に油断していた男はまともにくらい、吹き飛ばされる。


「68番気絶!

67番の勝利!」



悪いけど話聞いてる余裕ないんでな。















結局大した奴はいなく、とんとん拍子に決勝トーナメントに進んだ。



別のところの最終試合を見てみる。



水橋は多少苦戦していたが、いい槍さばきで相手をKOした。


志摩さんは開始の合図と共に相手が倒れた。



……どうやったんだ?



他は特に飛び抜けた奴はいなかったが最終ブロックの奴は別格だった。



相手も相当な武道家なようだが、完全に遊んでいる。


背中には大きな剣を背負い、腰には更に小太刀をさしている。



年はそれほど高くなさそうだ。


20代後半ってとこか。



とりあえず要注意人物ナンバーワンだな。

おそらく志摩さんと同等だ。



だが残念ながら俺も負けるわけにはいかないからな。




「これより決勝を行います!」



決勝の組み合わせを見る。



一回戦から要注意人物とか……

まぁおそらくこれに勝てば優勝はかたいだろう。

別に俺じゃなくても志摩さんか水橋でもいいからな。



だが勝ち抜けば準決勝で水橋と。

決勝で志摩さんと戦うことになるな。



よし、とりあえずあの相当な手練れ……アシナに勝たないと。

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