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12話:出掛ける時は計画的に

光が消えた時、俺達は全く別の所にいた。



辺りは緑につつまれている。

いわゆる草原ってやつだな。



そして俺の他にも姫、良平、水橋……まだ抱きついてやがる。

あと志摩さん。



……ん?



「なんで志摩さんいんの?」



「ん?

なんでいるんだろうな」



ええぇえぇえ!?



「ちょ、学校はどうすんの?」



「まぁ、なるようになるだろ」



そんなお気楽な。



ん?


ちょっと大事なことを思い出した。



「っていうか、どうやって帰るんだ?」


「「あ」」



「「…………」」



「「どうしよ」」



いきなり絶対絶命ってやつか?



「だ、大丈夫だよ」


姫が言い出す。



「なんで?」



「だって、あの社長さんの娘さんを探せばいいんだよ」



「なるほど」



そうか……

そうだよな。


その娘に帰り方聞けばいいんだから。



「偉いぞ、姫」



「えへへ〜♪」



「ところでその娘はどこにいるんですカ? と言うかここはどこですカ?」



新たに良平からあがる疑問。



…………俺達って何の情報もなしに来たんだよな。


「とりあえず歩こうぜ。ここにいても埒があかない」



まぁ、水橋の言うとおりだな。



俺達はとりあえず歩くことにした。



……マジいつまで抱きついてんだ?

水橋。










とりあえず俺達は歩いた。



しかしいつまで続くんだ? この草原。



『ガァ!』



そして何匹でてくるんだ? このウサギもどきは。



さっきから茂みから続々と湧いてでてくるんだが……



幸い個々の強さはそれほどでもないんだが……



「いつまで続くんだ?」



口に出して言ってみる。



「ねぇ、北っくん。あれ町じゃない?」


なに!?



「どこ!?」



「ほら、あそこ」



姫が指さした方にはたしかに町の輪郭が。



「おお! みんな町だ。 行くぞ!!」



みんな疲れも忘れ走り出した。










「ねぇ、しずくちゃん。 ほんとによかったの?」



生島達は走り出したが俺としずくちゃんはまだ立ち止まっている。


まぁもっともしずくちゃんは俺が抱きついているからなんだが……



俺はそこで大きな疑問を聞いた。



「何がだ?」



「いや、無理やり連れて来たみたいだから……」



しずくちゃんはフッと笑う。


「何をいまさら。

ここまで来たらもう力を合わせて元の世界へ戻るしかないだろう?」



「そ、そうだけどさ」



「もういいさ。

私としてはそんなことより離れてほしいのだが」



「で、でも……」



「大丈夫。

逃げたりしない。

しばらくはついていくよ」



俺はほんと〜っにしぶしぶと離れた。



「お〜い、水橋ィ!! 早く来いよ〜!」



生島が呼ぶ。



「さて、行くぞ。

水橋望」



スッと手を出してくるしずくちゃん。



「うん! でもしずくちゃん。 俺のことは望って呼んで☆★」



「…………分かった」



そんなにしぶんなくても……










「おお、町だ」



思わず感嘆の声をあげる俺。

別に田舎者ってわけじゃねぇぞ?



ただ……



「レンガの家なんて実物で初めて見たよ」



そう、それなんだ。

姫も驚いている。



とりあえず情報集めだな。



「しかしどこにいげばいいんだ?」



町にはファンタジーらしく宿屋や道具屋、酒場などがある。


まぁ順当にいげば酒場が一番情報が集めやすいな。



俺達は酒場に入った。



「お嬢さん、どうか私と一緒に愛の旅路を行きましょう」



またやってるよ……

水橋、見境ないな。

でも今はそんなことより大事なことあるから止めよう。



「ぐはぁ!!」



え?

俺何もしてないよ?


したのは稲葉。



しかも……金蹴り。


「し、しずくちゃん。 そこはマジダメだって」



痛そうに押さえる水橋。



「今は他にやることがあるだろう?」



まぁあいつは稲葉に任しておけばいいだろう。



俺は手近にいた旅人っぽい人に話しかけた。



「すみません」



「なんだい?」



ものすごく気さくな人に話しかけたみたいだ。



「え〜と……」



なんて聞こう?


まさか魔王どこなんて聞けるわけないし……



「魔王かい?

魔王ならここから大分離れた魔城にいるよ」



あら〜、口に出てた。


「そうですか。

ありがとうございます」



「いえいえ」



しかし意外だなぁ。まさかこんな簡単に情報が入るなんて。


「お〜い、みんな行くぞ」



俺達は酒場を後にした。



影から覗き見られていることも知らずに……









「情報入ったのか?」



「ああ、ここから大分遠くだ。

北の山脈超えて、森抜けて、雪原を行った先にあるらしい」


「うわ〜、大分遠くなんだね!

私てっきりコンビニ行く程度だと思ってたよ!」



なんで魔王倒すのにそんなお手軽だと思うんだ? 姫。



「ちょっと待って下さい!」



突然俺達にかかる声。


さっき俺が話しかけた旅人だ。



「言い忘れてたことがありました。

『クロウン』に気をつけて下さい」



「クロウン?」



「ええ、魔物の身でありながら人に姿を変え、油断を誘う危険な魔物です」



「へぇ、気をつけます。

でも、なんか見分け方とかあるんですか?」



「ええ、クロウンは一度変身すると前に変身した姿の一部が見えるんです。

そして次が一番大事なんですが」



一息つく。



「初めて会った人をあまり信用しないことです。

さもないと、こんな風になります!」



突如変異しだす旅人。



そして変異後の姿はまさしく化け物だった。



筋骨隆々な体。

手には小型のナイフが握られている。



『グヘヘ。

これからは気をつけるんだな。

もっともここで死ぬから関係ないか!』


拳を繰り出そうとするクロウン。


しかしどこからか飛んできた矢が頭に刺さり絶命した。



なんで?



「どっから飛んできた矢だ?」



辺りを見回すと弓矢を構えた女が。



「え〜と……どなた?」



「私か? 私はイリエ。 そんなことより危なかったな」



助けてもらったにも関わらず警戒を解かない俺達。


まぁだまされたとこだから……



「無理もない。

私がクロウンではないという証拠がないのだからな……

なんなら脱ぐか?

そうすればわかるが」



「うん!! はうっ」



一番最初に反応した水橋に金蹴りをくらわす稲葉。



「いえ、結構デス。失礼しましタ」



良平がとりなす。



「ふむ、ならよかった。

ところで君達は旅をしているのだろう?私も連れていってくれないか?」



「いいぞ」



即答!?

志摩さんまさかの即答!?



「こっちも来たばかりであまり詳しくないのでな」



……なるほど。



「こちらもありがたい。

ところで君達。

その服装は少々目立つのではないか?」


言われてみれば……俺達は普通の私服だし、稲葉は黒いスーツだ。


この世界では大分目立つだろう。


「ついてきてくれ。服なら店で買おう」







「わは〜、かわいい!」



服屋に入るなり姫が喜ぶ。



いろいろと俺達の世界ではコスプレとも呼ばれているような服が並んでいる。



「しずっち! 行こ!」



稲葉は姫に手を引かれ奥へ入っていく。


姫……『しずっち』って。



「さて……あなたたちはどうします?」


ん〜どうしよ?



「とりあえず軽めの鎧でいいでショウ」


そうだな。









いろいろ悩んだ結果俺は黒、水橋は赤、良平は薄い緑の鎧を着ることになった。

全て軽い。

防御力より動きを重視した装備だ。



「見て見て! 北っくん! 似合う?」



え〜どれどれ……


ちょ、どんだけ大胆な服着てんだ。


胸の大きく開いた服。

防御力なんて無視だ。



「「却下!」」



叫んだのは俺と良平ね。



ちなみに水橋は姫と一緒の服装で出てきた稲葉を見て再起不能になっている。



「ぶ〜」



引っ込む姫。


時々あいつのことがわからなくなる。







結局姫は薄いピンクのワンピース状の鎧もどき、稲葉は白を基調とした黄緑の軽鎧を着ることになった。



……姫のやつ完全にピンク色になったな。

で、志摩さんは……

あり?


変わってない。



「なんで?」



「私に身を守るものなど必要ない!」



……さいですか。



もうつっこまねぇよ。



「みなさんよくお似合いです!」



誉めるイリエ。



「さて、会計は……」



うん、俺達この世界の金ないよ。



「え〜とお金ないんですか?」



「「は、はい」」



「なら出しておきますね」



「「申し訳ない」」


最近ハモること多いな。



「いえいえ、たいした金額じゃありませんし」



「ありがとうございマス」



「では行きましょう!」



会計を済ましイリエが元気よく言う。









さて……ちょっといいか?



俺達……







計画なさすぎ!!

今更ですがあまりキャラ描写は詳しくやりません。(志摩さんは別)

できるだけみなさんのイメージで構成したいと思いますので。

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