表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

幼馴染は鈍感

 マホがその男を振った翌日学校に行くと、マホの椅子がなくなっていた。らしい。僕は後から友達に聞いたからよく知らない。

 なんでも、マホが振った男子生徒に想いを寄せていた女の子が逆恨みでマホをいじめ始めたらしい。

 マホから聞いた話だと、その女子生徒は


「ちょっと、あんた調子乗ってんじゃないの? ちょっと顔がよくておっぱいが大きくて性格良くて品行方正でちょっと抜けてるところが可愛いからって……ぐすっ……ひぐっ……ちがっ、泣いてないわよ! あんたにはワタルくんだっているでしょ! それなのに……私のテツヤくんを……許せない!」


 と言ってきたそうだ。しまいには


「お前の席ねぇから!」


 この有様。相当ご立腹な様子。

 ちなみに友達から聞いた話だと、マホは終始その話を聞くよりも自分の椅子を探すのにキョロキョロしていたそうだ。椅子大事だもんね。

 いじめはだんだんエスカレートしていって、ある日上履きがなくなった。そこで僕は気付いたんだけど、本当にもっと早く気づいてやりたかったと思う。


「マホ、上履きは?」

「サキちゃんじゃないかな……最近よく私のものを捨てたりどっかにやったりするのよ、やめてって言ってるんだけど」


 サキちゃんて言うのがいじめのリーダー格だった。


「それいじめじゃねーか!」

「いじめ? 誰が誰をいじめてるの?」

「サキがお前をいじめてるんだよ! ちょっとこい!」


 そう言って僕はマホとサキのクラスに殴りこんだ。

 ドアを勢いよく開けて言い放つ。


「おはよう!!」

「「「お、おう」」」


 しまった、真面目な性格が出ちゃった。


「じゃない!! おいサキ! いや、老い先じゃないぞ? 別に僕の老後の話をしに来たわけじゃなくて……え? 聞きたいの? しょうがないな……じゃなくて!! サキ!」

「な、何よワタルくん」

「マホの上履きを返してくれ! あとマホをいじめるのをやめてくれ!」


 我ながら馬鹿な申し出だったと思うよ。いや、僕馬鹿だからそれしか方法がなかったんだけどさ。


「わ、分かったわよ。わ、ワタルくんがそう言うなら……」


 赤くもじもじしながらそう言ってサキはその日からぱったりといじめをやめた。トイレにでも行きたかったのかな?

 この時ばかりは自分の顔の良さを親に感謝したね。おかげですんなり許してくれたぜ。


「別にワタルは、顔、悪い方じゃないけど特別良くもないよ?」


 天然の一言は本当にメガトン級だからやめて欲しい。死んじゃうよ。




要望感想等ございましたら気軽にお申し付けくださいませ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ