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始まりの日

途中で、アレ?

って思ったのが正解です。


純粋な同性愛系ではありません。

誤字脱字申し訳ありません…。

ーピッ、ピピッ、ピピピピッー

目覚まし時計を手を伸ばし止める。一つ欠伸。

新しい学校が始まると言うのに、昨日気まぐれで買った小説が面白くて

最後まで読んでしまった為に寝不足なのである。


良く頭が働いていない。


「制服に着替えないと…」


パジャマから制服に着替える。

ブラウスに袖を通し…


「あれ…ボタン……あっこっちか…」


スカートに足を通し…


「なんか、すかすかする…」


リボンをつけ、ジャケットを羽織って

まだ何も入ってない鞄を持って自転車に乗って登校。


今日から高校生。とは言っても自覚は対してなかった。

学校自体はエスカレーターの為進学試験と言った物が無かったのもある。

また成績自体も、中の中で別の所を受けなければ行けない程落ちこぼれでも無い。


制服が変わり環境がちょっと変わったぐらい。


「おはよ~」

「はよ~」

寝ぼけた頭であいさつを返す。挨拶自体なんていつも適当。

誰と挨拶して、誰と挨拶してないとかは、覚えてない。

教室で会えば挨拶するし、向こうからしてくれば返す。

そんないつも通りの流れ…。


そんな中、ふと目に付く

「先輩…何時見ても、可愛くて綺麗だなぁ…」


中学の時に、文化祭実行委員会で知り合って以来

時々目にしている先輩なのだが、必要以上に人を寄せ付けないような

そんな雰囲気を持っていて、普段は中々話にくいのである。


「あんな先輩と付き合えたらなぁ…でも、無理か…」

自分の容姿に自信が無いと言うのと、先輩について若干気になる噂が流れてる為でもあった。


一つため息をついて、自転車を留め、校舎に急ぐ。



そこで意識がはっきりする…。

「え?」

何故か自分の部屋。さっきまで学校に居たはずなのに…

「夢??にしても…」

部屋を見渡して、時計を見て、さっきまでの事が夢だったと認識する。

「…へんなの…」

再びパジャマを着替え制服に…

ワイシャツを着て、ズボンを履く。

鞄に適当に荷物をつめ、自転車で滑走し、学校へ。


夢とは違う。頭をひねらせながら今朝見た夢を試行錯誤する。


「…ただの夢だよね…」


エスカレーターの共学高に通う事になったのは事実。

制服が中学とは違うのは事実。

憧れの先輩が居るのも事実。


でも夢では今とは違った違和感のある制服。

違和感のある身体。


起きた後しばらく自分の体をぺたぺたと触ったりもしてみたが…

いつも通り。特に何もない。


僕自身は特別クラスで目立つ訳でも、秀でてる訳でも

孤立してる訳でもなかった。

何処にでも居る、多分普通だと思ってるそんな存在の学生。


「…あの夢…なんだったんだろう…」


入学式と言った特別な形式ばった物は無く、

各学年の階ごとの掲示板にクラス分けが張り出されている。

クラスに入って適当に席についてから今朝の夢を思い出そうとするが、

頭の中の靄みたいな感覚がありうまく思い出せずに居た。


暫くすると先生が入って来て日程の説明や

授業の説明、選択科目等々の簡単な事を話、席替えをする。

その後、おおざっぱな名前確認と趣味的な小話の自己紹介


中学の時からの名前を知ってるのは一人も居なかった。

新しい関わりを持つのに困る事は無かったが

初めて話す相手だとやはり緊張はする物だ。


自己紹介等も終わり、初日なので授業も無い。

部活動は一応中高一貫なのだが、

一部の運動部を除いて好きに入退部が出来るので、

あちこちに顔をだしたりしていた。


もちろん先輩の居る文芸部もだ。

とは言っても文芸部とは名ばかりのほとんど帰宅部化していて

先輩も時々しか部活をしていない。


部活と言っても部室で適当な小説を読んでたり、漫画を読んでたり様々だった。

中には携帯ゲームを持ち込んでる人間がいるが、

「騒ぎすぎないように」が鉄則なので、ガヤガヤするゲームは向かない。

今朝の夢がまだ頭の隅にひっかかる感じを受けながら、いつも通り適度に部活めぐり。

少し眠気を覚えて居たのでついでに文芸部の部室で少し机に向き合って仮眠でもと考えていた。


部室に入ると、先輩は隅っこで小説を読んでいた。部員も何人か来ていて、それぞれにそれぞれの事をしていた。

適当に机といすをみつくろい、鞄を下ろしつっぷし少し寝る事にする。

迷惑が掛らないように携帯マナーモードでアラームをセットして…。



再び教室…。

(アレ??)

さっき覚えていた眠気が何処かに行ってしまった。

そしてまた朝の教室…。

(な、なんで…どうして??)

頭の中がこんがらがって全然分からなかった。


同じように説明、自己紹介をして解散…

まッたくもって理解できる状況では無かった…。


(何か疲れてるのかな…)

似たような光景、似たような事態。

しかし違う服装。違う景色。

知らないはずなのに、知ってる女の子の友達…。


(色々考えすぎて頭の回路でもおかしくなったかな…)

自分で適当に書いている小説の事や、先輩の事。

そんなのを中学から色々考えていた。そして高校と言う新しい場所。

色々が重なりすぎて、頭が混乱してるだけだ。

そうなっとくさせようと、文芸部の部室を何時ものように訪れる。


部屋には先輩だけだった。こちらの入室に気づいたのかこちらを向いて

「あら、ちょっと遅かったのね?」

「ご、ごめんなさい。ちょっと色々教室で話し込んでしまったので…」

嘘ではないが、先輩にこのように話かけられる事なんて初めてで。

「どうしたの?」

「い、いえっなんでもありません。」

緊張で胸が張り裂けそうになりながら、先輩を怒らせないように

慎重に受け答えをする。


(怒らせると怖いから…)

いつぞやか、携帯ゲームで騒いでいた男子生徒を先輩が怒って

張り倒すと言う事があった。それ以来部室内では

騒ぎすぎないが鉄則になったのだ。


「どうしたの?座りなさい?」

先輩を見ながら突っ立っていた私に先輩が指示をする。

確かに入口も近いのでこのまま立っていても、

人の出入りに邪魔になるだけだ…。

そう思って、先輩からちょっと離れた所に腰をかけた。


部室とは言っても、まばらに配置された机と椅子があるだけで

特別な物は置いてなかった。

敢て言えばロッカーの中に個人所有物が大半を占めていたり、

部費で購入された書棚の中に漫画が収められている処だろうか…。


何時ものように私はレポート用紙と筆記具を鞄からだし、

アレコレ考えながら筆を走らせる。

時々先輩をちらちらと見ながら。

考え事や書き物をしながらぼーっとしつつ…

ちょっと休憩と想い、机に伏せる。


夕焼けが目に入り眩しさで目が覚める。何時の間にか結構寝ていたようだ…。

顔を挙げると、何故か先輩の顔が近くに…


「おきた?残念。起こそうと思ってたのに…」

「あっ先輩ごめんなさい。お帰りの邪魔してしまって…。」


「大丈夫。」にこっと笑ってぽっぺにキスをされた…。



驚いた拍子にはっとした…。

部室なのは変わらないが、まだ部員が何人か残っている。

顔を挙げた瞬間、先輩が見ている気がした…。


(み、みられてた??)

たった今観ていた光景と今の光景の差が激しすぎて

動揺を隠しきれなかった。

(ぼ、僕どうしちゃったんだ…。夢?だったんだよね…。)


頭の中が整理しきれない。

レポート用紙が机の上に出されたままだったので

状況を書きだそうとしたが、言葉に・文字にならなかった。


落ち着かないと、と考えれば考えるほど

先輩の事が気になった。夢と現実、そして噂。


時計を見ると結構な時間が立っていたので慌てて荷物を纏め

「お先失礼します」と一礼して帰る事にする。


頭の中は全然整理できない。

それは家に帰ってご飯を食べ、お風呂に入ってもまとまる事は無かった。


一つだけわかったのは夢と現実は対になっているような気がする。

そんなある程度どうでも良い事だけだった。


(考えてもしかたない…。見た事をまんまメモとかして、

もっと観察するしか無い。)


何時もより少し早い時間に床に付、見ていた夢を考えつつ眠りについた。

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