FILE:75 第三の頭脳
FILE:75 第三の頭脳
南部艦隊ドクス
「奴らは一体何をしている・・・?」
ザックからして眼前で繰り広げられる予定だった筈の空戦。
それが、何故か不明艦、仲間関係無く戦争が展開されている。
これを異常と言わず何と言う!?
「あの不明艦は何だ?」
「さァ・・・。私どもにも・・・。」
―あれが俺の感じた異物?
ザックは開戦直前に感じたそれと早乙女空母と今一度比べる。
ただ、それだけでは無いとも感じ取れた。その背後にいる人間。特にあの巨大なデアトイフェルと呼ばれる船の中に・・・。
戦艦デアトイフェル 甲板。
「・・・。」
大和タケルは静かに眼前にある死体に手を合わせた。
奇妙なことにその死体はこの世界のものとは伺わせない風貌。
「斉木一等陸曹。ご冥福を祈ります。」
それだけ言い残すと大和は再び艦橋へと向かう。
戦艦 極東。
「帰還命令だ。空母に撤退するぞ。」
先刻、そんな命令が入った極東では急いで戻る準備がなされていた。
早乙女空母。
「極東の着艦を確認しました。」
【右30°に旋回せよ。】
「念のためにPAC-3体制だ。」
幾数もの男の声が空母内を征服していた。
それに従う者たちは慌しさを滲み出していた。
「シースタリオンの準備をしてくれ。」
西が、突然空軍の居所である管制室に現れ、そう告げる。
飯島は察した様子で、艦内放送の準備をする。
【これより、戦艦デアトイフェル突入メンバーを選出する。】
そんな声が空母内を静かにさせた。
【まず、陸軍より。沢木、白田、柳、竹谷、青梅。空軍からは栄、米倉、川田、今井、解体には菊池。以上だ。】
放送が終了すると同時に、飯島にこう話しかける。
「ここは任せた・・・。」
早乙女空母 滑走路。
CH-53ことシースタリオンは既にスタンバイを終えていた。
さらに機銃の無いシースタリオンにはスティンガーミサイルの乗せられていた。
空母 準備室。
「・・・もって行かなければ・・・。」
「ワ爆を止められるのはこの世界はでは俺達だけだ。そんな俺達が簡単に死ぬわけには行かない。」
「はっ・・・。」
全員の準備が遂に終わる。
シースタリオンに乗り込む面々。
そして、運命の最後を決めに。シースタリオンは飯島の「発艦ッ!!」を合図に空母から放たれた。
南部艦隊司令部ドクス。
―あの不明艦。あれを・・・。
ザックは司令室にいた。
「あの不明艦を追わせてください。」
「・・・君は誰だ?」
数千人で稼動しているドクスの司令は勿論ザックの事など知りもしなかった。
しかし、ザックは半ば関係無いと言わんばかりの表情。
「あの艦に関しての情報は皆無だ。だが、必要無い。」
「なッ!?」
「あの艦を落とす・・・というのならば追ってもいい。」
ザックは司令の回答に驚いた。
―興味・・・いや・・・。
「け、軽率では!」
「皆無と言ったな。撤回しよう。あれは’悪魔’の手先だ。」
ザックは半ば強制と化したそれにYES以外の回答が出来そうに無かった。
「どうするかね?あの艦を追う条件としてはさほど難しく無いと思うが?」
ドクス滑走路。
「小型飛行船の許可は・・・出ていますね。」
整備士がザックの持つ紙に目をやりながら準備に取り掛かる。
ザックの認めた20人ほどのパイロット含め兵士達は未知なる存在に少し畏怖を覚えていた。
しかし、ザックを信頼している以上黙って付いていくことにしていた。
そして、小型飛行船がドクスを離れたのだった。




