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ワンダーリアル  作者: 淡水
第九章:奪取奪還編
70/80

FILE:70 自由の旅路

FILE:70 自由の旅路

「お。何の音楽を聴いてるんだ?」

iPodのイヤホンから音楽を聴く橋井に吉岡が近づいた。


「あ、すみません・・・。」

思わず謝罪の意を表す橋井に吉岡は「構わない」と言う。


「フジファブリックっていうバンドの・・・。」

「奇遇だな。俺もよく聞くぞ。」


※フジファブリックとは、2004年メジャーデビューのロックバンド。代表曲は「夜明けのbeat」、「若者のすべて」

前ボーカル志村正彦氏が2009年に突然死去。興味があれば調べてみてください。


「どの曲が好きなんだ?」

吉岡の質問に少し悩んだ表情の橋井。


「んー・・・。赤黄色の金木犀・・・です。」

「サードシングルのな!」

一瞬で理解したと言わんばかりにそう返答する吉岡。


□■

無人島 別の場所。

「しっかし、誰もいないな・・・。」

補給を見守る飯島に西が話しかける。

「あぁ。」

飯島は補給から目を離さず返答も簡単に返す。西はそれが飯島のいつもどおりの行動だと知っていたからそのまま話を続けることに。


「俺たちは今どこからも逃れんきゃならないよな。」

「味方をしていた北部軍から逃げ出したんだ。仕方ない。」

何を当然なことを・・・と言うように飯島は西のその会話に疑問すら持っていた。




「なぁ。俺たちは帰れると思うか?」




唐突に西がそんなことを言ったものだから流石の飯島は西の方に目線を移す。



「俺は・・・。」

飯島はその返答をすることが出来なかった。

分からないというのが最大要因。しかし、西は半ば決断した表情。

「人は死して名を残す・・・。」

「・・・言っている意味が分からないな。あんなにも戻ることに懸命だったお前の発言とは思えない。」

ことわざを引用してその決断を露わにする西に飯島は絶望したとも言えた。


「俺は大和を追いかけるといつもそこに戦争がある。この次が’最後’だとも思える。」

「・・・それは俺たちの行動か?命か?」

「さァな・・・。」

突然に西は踵を翻してその場を去っていってしまう。

飯島は西の言ってる意味がさっぱり分からなかった。だったが、きっと今西と共に行かなければ後悔するだろうとも感じた。

だから、飯島はこの自由の海岸で、世界で、大和を次こそは追い詰める決心が出来たのだろう。


□■

「補給が終わったッ!そろそろ、出発するぞ!」

その掛け声から30分後の上空で事件が起こった。


「iPodを置いてきたッ!?」

吉岡は思わず声を上げてしまう。

というのもこの広大な魔法の世界で橋井は洞窟の奥深くに赤黄色の金木犀をリピートさせながら置いてきたというのだ。

飯島もそれには呆れた表情。



「良いじゃないか・・・。目的が生まれて・・・。」

そんな呑気なことを言ったのは勿論西だった。それには飯島もギョッとした表情となってしまう。


「こんな世界だ・・・。心のある生物は目的が無ければ生きていけない。その目的を作ったんだ。」

誰もがその意味を理解できなかった。

勿論橋井にも。



「しっかり生きて。そしてまた取りに行けば良い・・・。」

「・・・はっ!」


こうして彼らの新たな旅路が・・・自由の旅路が始まったのだ。

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