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ワンダーリアル  作者: 淡水
第九章:奪取奪還編
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FILE:68 奪取編 後編

FILE:68 奪取編 後編

シャルロット王国 夜明け前。

「彼らは暫く出てこない。もしかすると死ぬまで・・・。」

夜明けのシャルロット王国には作業員以外、一般人の姿は無い。巨船の甲板に立つ男に別の男が近寄る。


「領収書です。良いんです?南部軍の注文にしちゃって・・・。」

「構いませんよ。先の海戦で巨船は失ってますし。丁度良かったんではありません?ところで、アイ。サオトメ空母はどうした?」

大和は領収書を手渡したアイに問う。


「当初の指示通りイーストテンプルの解体施設に送りました。解体には1年近くかかるらしいですが。」

「・・・まぁ、良しとしよう。」

早乙女空母の拿捕から早くも3日。大和はいつも以上にやる気に満ち満ちた表情をしている。


□■

イーストテンプル公式 営倉。

「食欲落ちてきたなぁ・・・。」

一人の陸軍兵士がつぶやいた。話相手は斉木で斉木自身もその話には共感出来た。


「ヒデキ。ここがどこか分かるか?」

「恐らくイーストテンプルだろう。見ろ。」

飯島が指差したのは近くの壁に書かれた紋章。


「テンプル王国の壁に張られた紋章と同じだろ。」

「なるほど・・・。しかし、空母と極東も行方不明か・・・ん?」


西はパンの中にねじ込まれた紙に気がつく。



『早乙女空母、極東はイーストテンプルに有り。ウィニー・パディントン。』


「おッ!?」

西の反応に全員が近寄った。我々の捕虜だったということにして逃したウィニーから早々に報告が届いたのだ。

すると、土の地面が急に膨れだし中から一人の兵士が顔を出す。


思わず全員が驚愕の表情となる。


「安心してください。私はウィニーさんにお願いされたんです。まずは空母の状態確認のために誰かご同行を!」

「俺が行こう。」

咄嗟に西が立ち上がった。




「なら、俺も行く。」

なんと続いてそういったのは飯島。一同は心配そうな表情となる。


「武器は無いがな。行くだけ行こう。」


テンプル王国 解体施設。

「解体されるわけだ・・・。」

「えぇ。おおよそ1年後に。」


翌日。

「『予定が1年早くなった・・・明後日解体予定。』・・・ッ!?」

西の声が一気に絶望へと変化する。そのさまを全員が理解できていた。



すると、再び抜け穴から兵士 ジョンと名乗る男が現れた。

「非常に申し訳ないんですが・・・。後もう一報・・・。実は今朝方巨大な船が到着して大和タケルらしき人物が・・・。」

「大和だとッ!?」

見張りの兵士に聞こえないように声を潜めつつそう言う西。


「ヒデキ。それから斉木、川田、白田、沢木。奪還作戦を始動させよう。」

「はっ!」

飯島はうなずくだけだが、了承の意を見せる。


彼らの奪還作戦が幕を開ける。

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