FILE:67 奪取編 前編
FILE:67 奪取編 前編
ツェルト山脈付近の大陸船団飛行場。
そこには魔法の物らしからぬ飛行船が鎮座している。DHHの部分にはSA・O・TO・MEと書かれている。
彼らは太平洋上作戦SWS作戦を完遂した直後、現在はその一週間後である1月7日。
戦火が止まぬ中この大山脈に到達したのだ。
彼らの目的はただ一つ。救出した今無き火の里の元兵士 大和タケルがどこからか入手した永久機関を搭載した止まない爆弾「大和爆弾」の破壊。
そして、彼ら大和爆弾、通称ワ爆がこのツェルト山脈に存在していることを遂に突き止めた。
早乙女空母 管制室。
「予想以上にかかりましたね。」
開放され通常業務に励む川田が資料を読む飯島に話しかけた。
「あぁ。非公式ルートを使えばもっと早かったかも知れないが・・・それは巨大な王国の船団しか知らないらしいからな。」
川田の方には見向きもせず資料に目を通しつつそう返す飯島。
ガチャンと管制室の扉が開き西が管制室に入ってくる。
「俺たちが頂上まで向かう。川田も貸してくれ。」
「あぁ。分かっている。川田、準備しろ。」
「はっ!」
川田の表情からして任務への意気込みが感じ取れる。
□■
ツェルト山脈 連絡所・主倉庫。
西始め川田、橋井、白田、ウィニー、沢木はここまでどこの中継基地らしき場所も全て放置されていることに半ば不安を抱いていた。
そして、おかしなことにワ爆があると推定されている主倉庫までもがもぬけの殻の状態。
さすがに何か罠に嵌っているのでは無いかと西は恐ろしがった。
主倉庫 内部。
「な・・・・無い・・・?」
西は思わず口にしてしまった。そこには埃一つ無い状態の新品とも取れる主倉庫の姿があったのだから。
「きゃッ!?」
女性隊員の一人が軽い叫び声を上げる。そして、過敏に反応する隊員たちは直ぐに振り返った。
そこにはしっかりと防具を着て、手袋には紋章の入ったもの、手には剣という兵士たちがいてその内の一人が川田を人質を取っている形。
すると、兵士の間から一人の男が現れる。
その男は誰もが憎み、覚えている男。
「大和ッ!」
「お久しぶりですね。’あれ’の所在を掴みたくてもだめですよ。ヒントは差し上げません。」
「きさまッ!!」
□■
早乙女空母
隊員全員が手を挙げている状態。西が引き連れてきた招かれざる客たちはあっと言う間に早乙女空母を制圧。
彼らは北部軍の所有する営倉へと入れられることに。
輸送飛行船。
「甘かったな・・・。大和爆弾も行方不明で空母も奪われた。」
「・・・。」
飯島と搭乗した西はそう告げたが飯島はどこか深く考えている様にも見えた。
西は窓から空母の姿を覗いた。しかし、一定まで離れたときに遂にその姿すら見えなくなってしまう。
セルノーツのどこか。数日後。
「飽きますね・・・。」
斉木が湿ったパンを口にしてそう西に告げた。
西も少し同意した様子。
「出ることは出来ないんですかね。」
「無理だろう。今はな・・・。」
そうして、西にとっては二度目の牢獄暮らしが始まった・・・。




