FILE:57 異空間の牢獄
FILE:57 異空間の牢獄
「ここ、どこなんだろうか?」
「どうだろうかな。」
異空間の牢獄に入れられて既に3日。その体は特殊な時差や変化の無い空間に困惑を持っていた。
ガチャン・・・。
牢屋の扉が開かれる。
「おい。そこの男。来い。」
西が突然やってきたがたいの良い男が引っ張り出される。
□■
異空間のどこか。
ガッ!!
鈍い打撃音。
「ぐっ!」
それに続く小さな男の声。
「お前たちは誰だ・・・?」
先ほどの男とはまた異なる男の疑問。
「・・・。」
ビュン・・・ビュン・・・ビュンビュンビュン・・・・。
何かの鋭い紐が唸りを上げる。
バシッ!!パンッ!!
「答えろッ!貴様らは誰だッ!?傭兵か?どこの配属だ?」
紐が体に当たる音と男の怒声。
「・・・ッ!ッ!?・・・。」
□■
ガチャン・・・。
「がはっ!?」
西は体中に傷を作って、牢の中に再び入れられる。
「次はそこのお前だ・・・。」
捕まれたのは滝。
「・・・。」
滝は黙ってそれに従う。
□■
「答えろ!お前たちは誰だッ!!」
バシッ!バシッ!パーンッ!
鞭が宙に何度も舞、その内幾度と無く滝の体に打ち付けられる。
「がッ!?」
パンッ!!
鞭とは異なる奇妙な音。
「入れろ・・・。」
□■
ドサッ!
西とは違いグッタリと横たわる滝。
「滝ッ!?」
斉木が直ぐに駆け寄る。
「し、死んでるッ!?」
鼓動を無理やり止められた滝は人という枠組みから物とも言える位置にあった。
「・・・滝。」
冷え始める体を抱える西。
「司令・・・。」
「また・・・。くっそ!こんな簡単に・・・人は死ぬのかッ!?我々は、我々は悪魔のさだめた何かに・・・そんな不確定なものにッ部下の命をくれてやらないといけないのか!」
「ですけど・・・自分たちがここから出るには・・・。」
「策を考える・・・。」
西は静かにそう告げた。
―ここから出なければ・・・。
それから毎日のように続く拷問に男たちは耐え抜いた。
2週間後。拷問の帰り道。
ガッ!
西は壁に頭を強く打ち付けた。
赤い液体が頭から流れる。
「とうとうおかしくなくなったか。」
付きおいの男は少し嘲笑気味に西の行動を見ていた。その態度から治療する気は無いようだ。
ガチャン。
「し、司令ッ!その頭の傷!」
「・・・。あぁ。気にするな・・・。」
他の隊員は少し心配した表情で西を見つめる。
3週間後。
「はぁ・・・はぁ・・・。日に日にひどくなっていく・・・。」
水の入ったバケツに顔を入れられ頭がびっしょりと濡れた西は苦しみ紛れに言う。
「はぁ・・・だが、策は考えた。」
皆の顔が嬉々として晴れる。
「実行は明日だ。俺の拷問直前に行う。」
「それで作戦は!?」
斉木の顔が特に一変して変化していた。
「まず、いつも拷問の前に連れて行く男は鈴を鳴らしていた男だ。つまり、最終的にはこの異空間を抜け出すために必要だな。」
「ですけど、この空間の構造がはっきりしてません。目隠しされてましたし。」
西はにやりと口角を上げる。
「地図がある。確認した。」
そう言って額の傷に触れた。
「頭を打って目隠しをずらした。この中は相当広いようだ。」
「なるほど・・・。」
「作戦は明日ですね。」
川田もまた明るい表情で、会話に入ってくる。
「あぁ。」




