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ワンダーリアル  作者: 淡水
終・第七章:セントラル衝突西視点編
56/80

FILE:56 来訪の真実

FILE:56 来訪の真実

「ですけど、薄気味悪い部屋ですね・・・。」

斉木が大和の自宅の壁一面に描かれた奇妙な文字を眺めて顔を顰めた。

「・・・。もしかしたら、あいつは悪魔でなくとも何かを研究していたのかもな・・・。資料が残ってそうだ手分けして探してみよう。」

実際のところ地下にあれだけの空間を作ってある分、自宅自体もかなりの大きさを誇っていた。

それ故にその文字の陳列具合が薄気味悪いのでもある。


「司令!研究室らしき場所が!」


大和タケル自宅研究室。

「これまた広いな・・・。」

西はその広さに凌駕していた。しかし、本棚が陳列しており、狭さをも覚えさせる。

「この本棚だけつい最近まで弄っていたんでしょうか・・・?」

もう一人の女性隊員である橋井ケイコが埃が全くかかっていない本棚を指差した。


「あいつ・・・つい最近にもここへ来たのか?」

それ以外考えることは出来なかった。実際、誰でも入れるから誰が本棚を触ったかなど分からない。

「・・・悪魔と書いてあるな。」

「悪魔・・・・ですか。」

その本棚には紙が貼られており、『悪魔』と書かれている。


「最早、悪魔だけの問題ともいえないが・・・見てみる価値はありそうだ。」

西は早速一つの書物を手にした。赤い冊子に真ん中には魔方陣。


パラパラ・・・。


大量の書物がある以上、読むには時間がかかる。

それだけに、読む速度も自然と速い。


『悪魔の能力を5つの品分割。一つは誰でも切れる剣、未来を見ることの出来る目、空間を移動出来る指輪、人の意思を操る首飾り、死の魔法。』

『その内、空間を移動出来る指輪とは、’別世界’に繋がっている恐れがある。』


―別世界・・・?


「別世界ってなんですかね。」

覗き見をしていた滝が聞く。

「あぁ。俺も気になっていたところだ。」

「・・・これがもし自分たちの・・・’科学の世界’を指していたら・・・?」


誰もがその予想を頭にあった。

「だとすると・・・俺たちがここにいるのは・・・?」

白田が恐る恐る聞く。




「・・・人為的・・・ということだな。」



西は静かにそう答えた。そして、その予期せぬ回答に全員が再び冷たい汗をかき始めていることに気がつく。

「誰が・・・?大和タケルでしょうか?」

「分からん・・・。」

それ以上の回答を導き出す事は出来なかった。


「出ませんか?私、この空気が少し・・・。」

川田が少し苦しそうに西に訴える。部屋、家自体放置期間が長く少しカビのにおいがしていた。

こんなところで体調を損ねるわけにも行かず、彼らは全てを元通りにして家を出た。


自宅前。

「ここで何をしていた・・・?」

自宅前には黒いローブを被った男たちの姿。手には一様に紋章が彫られており、魔法使いであることは一見で理解出来た。


「・・・。」

「私たちは、『特殊警備団』だ。変わった連中がここに入るのを確認したという人間がいたんでな。」

初めて聞く名前ではあったが恐らく彼らの言うところのSATの様な存在であろうと西たちは判断した。


「何もいえない・・・ということは怪しいな。我々に付いて来てもらおうか。」


彼らは何も言わず、指示に従い蛇の手錠をかけられる。


すると、一人が鈴を取り出し下に紋章を描き始める。


チリーン・・・。


鈴を振り、音がなる。紋章が一様に光だし、眩い光を放つ。すると、辺りがぐにゃりと変形し一瞬何かが途切れる。

ヴォン・・・。


その後の直後には・・・。


□■

特殊警備団 本部。

「・・・こ、ここは?」

そこには先刻の荒れ果てた火の里跡とは大違いでエリア王国の軍所の様な場所。

どこもかしこも特殊警備団員の姿が確認される。


「ここは我々の本部だ。さぁ、こっちに来い。」

西たちは一列に並べられ、全員が牢獄に入れられる。


牢獄内。

「尋問・・・いや、拷問が始まりそうだな。」

西が牢屋越しにそうつぶやいた。


「気になるのは、通報者とあの者たちの知った口の利き方だ・・・。」

「もしかしますと・・・正体が割れてるんでしょうか?」


斉木が心配そうに聞く。

その心配に答える様に西は首を縦に振った。


「恐らく、通報したのは・・・大和タケルか奴と行動してるものだ。」


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